韓国芸能人の自死 KARAのク・ハラほか直近20年で30人以上【大ブーム!韓流エンタメの光と影】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年9月29日 9時26分

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解散騒動後、5人そろって来日したKARA(右端がク・ハラ=2011年撮影)/(C)日刊ゲンダイ

【大ブーム!韓流エンタメの光と影】#1

 映画「パラサイト」やドラマ「愛の不時着」の大ヒット、韓国のプロデューサーJ.Y.Parkが手掛けた日本人アイドル「NiziU(ニジュー)」のブレークなど、日本国内で何度目かの「韓国エンタメ」ブームが起きている。しかし日本の芸能界と似て非なる“裏と表”があるのが韓国芸能界。日本でも女優の竹内結子さんの悲報に衝撃が走っているが、ここのところ、三浦春馬さんや芦名星さんなど、人気俳優に悲劇が襲っている。まずは韓国芸能界におけるタレントの「自殺」事情から探る――。

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 日本でも大きな人気を博した韓国の女性アイドルグループKARA。そのメンバーだったク・ハラ(享年28)がソウルの自宅で命を絶ったのは、昨年11月24日のことだ。

 同日付の現地メディア「韓国経済TV」は、その死を「ク・ハラ死亡、極端な選択の可能性……」の見出しで報じた。「極端な選択」とは「自殺」のことだ。これは、韓国の保健当局と記者協会が定めた勧告基準に基づく表現。具体的な表現を避けることで、後追い自殺を防止するなどの意図がある。

 韓国の自殺率(10万人当たりの自殺者数)は、経済協力開発機構(OECD)加盟国中で最悪レベル。2018年は日本16・3人に対し、韓国26・6人だ。

 自殺が多いのは芸能界も例外ではない。国民的女優として愛されたチェ・ジンシル(08年没)、「冬のソナタ」で日本でもブレークした男優パク・ヨンハ(10年没)ら、有名芸能人がこの20年ほどの間に30人以上も他界している。

 最近では男性グループSHINeeのジョンヒョン(17年没)、元女性グループf(x)のソルリ(19年没)、そしてク・ハラとK―POPアイドルの自殺も相次いだ。

■うつ病やネットの誹謗中傷が原因

 なぜ韓国は芸能人の自殺が多いのか。ク・ハラの場合はうつ病、親友ソルリの死、元恋人とのトラブル、そしてネットの誹謗中傷などが理由に挙げられていた。事情は人それぞれだが、うつ病、ネットの誹謗中傷などは多くの場合で共通している。

 また、芸能人特有のメンタリティーに原因を求める分析も多い。「若くして成功した芸能人は所属事務所が何もかもお膳立てするので、世間知に乏しい」「アイドルは思春期から特殊な環境で競争にさらされ、心理的な問題が生じやすい」などがその趣旨だ。

 ただし、これらは韓国に限った話ではない。やはり芸能人だからというより、韓国社会全体の動きと捉えるほうが自然だろう。

 かつて日本以下だった韓国の自殺率が上がり始めるのは、アジア通貨危機に伴う大不況と構造改革が吹き荒れた1990年代後半。19歳で夭折した男性歌手ソ・ジウォン(96年没)を筆頭に、芸能人の自殺が取りざたされだすのもこの頃だ。

 チェ・ジンシル、パク・ヨンハ、また元男性アイドルのチェ・ドンハ(11年没)ら芸能人の自殺が最も集中したのは、世界金融危機のあおりで韓国の自殺率が過去最悪の31・7人(11年)に達した時期と重なる。

 17年に24・3人まで下がった自殺率は、翌年から増加に転じた。芸能界でも19年に入り、ソルリやク・ハラら5人もの芸能人が自ら世を去っている。この動きが不吉な予兆とならないよう祈るばかりだ。 =つづく

▽高月靖(たかつき・やすし) 1965年、神戸市生まれ。ノンフィクションライター。韓国事情や性事情など各種社会事象を扱う。主著に「在日異人伝」「キム・イル 大木金太郎伝説」「独島中毒」「ロリコン」「南極1号伝説」などがある。

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