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北朝鮮に急所を突かれ…東京五輪に忍び寄る「不参加ドミノ」の波

日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年4月8日 9時26分

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2016年リオ五輪の北朝鮮は金2個を含む7個のメダルを獲得したが(C)共同通信社

「あの国にしては珍しくマトモなことを言ったものだから驚きましたよ」

 こう話すのはスポーツファンの吉川潮氏(作家)だ。

 北朝鮮のオリンピック委員会は東京五輪・パラリンピックへの不参加を決めた。5日、現地メディアが報じた。

 独裁国家の北朝鮮は日本との関係が悪く、五輪不参加に、政治的思惑がないとも言えない。しかし、「悪性ウイルス(新型コロナウイルス)から選手を守るため」という理由は非の打ちどころがないものだ。

 北朝鮮は名指しで日本の検疫体制に文句を言っているわけではない。あくまで「悪性のウイルス感染症による世界的な公衆衛生危機の状況から選手を守るため」と、世界中でまん延している新型コロナへの不安を理由にしている。

■再び感染拡大

 日本のコロナ対応が遅れているのも事実だ。ワクチン接種は進まず、国内の感染者も緊急事態宣言解除後は再び増加傾向にあり、感染力が強いといわれる変異株も拡大している。

 6日の大阪では、1日の感染者数が過去最多の719人を記録。同日の東京も399人。6日連続で前週の同じ曜日を上回った。「まん延防止等重点措置」が適用された大阪・兵庫・宮城の3府県は病床が逼迫しており、医療関係者は危機感を募らせている。

 国際水泳連盟は今月18日から開催予定だった五輪のテスト大会も兼ねる飛び込みW杯大会や来月のアーティスティックスイミング五輪世界最終予選、オープンウオーター五輪世界最終予選の中止を決めた。

「日本政府の新型コロナへの対応は不十分」というのが理由だ。

 国内を代表するスポーツ興行のJリーグやプロ野球でも多数の感染者が出ており、コロナ対策を指導する立場の厚労省の職員は、時短要請が出ている中で深夜までマスクなしの大宴会をやっている。

 北朝鮮でなくても、こんな国で開催される五輪に大事な選手を派遣したくはないだろう。

 冒頭の吉川氏は「日本としては、まさに痛いところを突かれた形になった」と、こう続ける。

「北朝鮮のまさかの不参加表明に、日本はどう反応するか。まさか『乱暴な判断だ!』と非難するわけにもいかないでしょう。自国のアスリートの命と健康を守るという判断は正しいものですから。北朝鮮の不参加表明について質問された菅首相は無言だったというのだから、情けない限り。北朝鮮がマトモに見えるようじゃいけませんよ。あくまで五輪を開催したければ、『参加可能な国だけ来てください。各国の事情もあるので不参加でも我々は責めません』と、いち早く表明すべきです。菅首相の口から言いにくければ、丸川五輪相や組織委員会の橋本会長に言わせてもいい。それが本当の心遣いですよ」

 この日、組織委は、北朝鮮の不参加表明を受けて「各国・地域のアスリートがベストなパフォーマンスを発揮できるよう、関係機関と連携し、大会準備を進めていきたい」とのコメントを発表したが、日本政府は自国民さえ守れない状況だ。北朝鮮に続き、不参加を表明する国が出てきても当然だ。


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