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「国の恥」ソウル・釜山ダブル市長選で惨敗した文政権への風当たり【奇妙?単純? 韓流の方程式】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年4月17日 9時26分

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ソウル市長選で敗れた朴映宣・前中小ベンチャー企業相(C)Yonhap News Agency/共同通信イメージズ

【奇妙?単純? 韓流の方程式】#26

 今月7日に韓国で行われたソウル市長選と釜山市長選は、韓国人にとって「国の恥」でしかなかった。韓国メディアは“次期大統領選挙の前哨戦”と報じ、不動産価格の高騰が大きな問題となっていることから“不動産選挙”とも呼ばれたが、もともと予定されていないものだった。

 前ソウル市長は元秘書の女性からセクハラ行為を告発されて自殺し、前釜山市長も女性職員へのセクハラで辞任。韓国人の誰に聞いても最後は「国の恥だ」と言ってこの状況を嘆くが、そんな人物を選んだのは市民だ。

 自らを“フェミニスト大統領”と称する文在寅大統領も国民の直接選挙で選ばれた。正義・公正・公平を掲げ、Me Too運動やフェミニズムの高まりを追い風として、女性からの支持も高かった。

 ところが就任から1年も経たないうちに側近である忠清南道知事の女性秘書への性的暴行が発覚。知事は辞任し、今は服役中だ。

 文大統領自身にも蔚山市長選挙介入疑惑が持ち上がり、側近の法相にも娘の不正入学疑惑や不正投資疑惑が次々と浮上。加えて経済政策、不動産の高騰、外交問題と何ひとつ成果を上げられず、80%だった支持率は34%にまで落ち込んだ。

 ソウルと釜山は韓国の2大都市で、中でもソウル市長は大統領候補と目され、“小統領”といわれる地位。相次ぐセクハラ問題で「共にセクハラ党」と揶揄された与党「共に民主党」は、ここで女性の朴映宣候補を擁立した。対する野党は元ソウル市長の呉世勲候補。

 朴映宣候補は人気が高く、通常であれば票を取れる候補者だったといえる。数年前なら、文大統領の支持層である女性票を獲得できたに違いない。

■「クソをしに行くときの心は、クソをして帰ってくるときの心と異なる」

 選挙戦では与野党候補とも幾つかの疑惑が浮上し、ネガティブキャンペーンとなった。結果はソウルも釜山も野党の圧勝だったが、韓国人女性の胸中は「誰が当選しようと、また新たな疑惑が出てきそうな気がして……」と複雑だ。選挙で選ばれてきた人物がことごとく期待を裏切るのだから疑心暗鬼になるのも無理はない。

 韓国には「クソをしに行くときの心は、クソをして帰ってくるときの心と異なる」ということわざがある。人の心は状況によってよく変わるという意味だ。今回の市長選ではクソをした後も心変わりしない人物を選べたのだろうか。

(児玉愛子/韓国コラムニスト)

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