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大阪ミナミの「カニオブジェ」破壊男の動機 そして店が被害届を取り下げた理由

日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年4月20日 9時26分

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壊されたオブジェと武田源社長(C)共同通信社

「この近くで働いていたのですが、時短で飲食店をクビになり、お金もありません。こんな大ごとになるとは思いませんでした。ムシャクシャしてお酒を飲んでやってしまいました」

 大阪・ミナミで「カニのオブジェ」が破壊された事件で、20代の男2人が3日後の8日夕に店を訪れ、経営者の前で土下座をして謝罪したという。

 2人は朝方までヤケ酒を飲み、5日午前5時前、「大阪かに源 道頓堀店」が入る「中座くいだおれビル」にやって来た。

 ピンクの服の男がオブジェの横に立ち、それを黒い服の男が動画で撮影。ピンク男は、カニのオブジェを揺らし、脚をもぎ取ろうとする。さらに3メートルほど離れたところから助走をつけ、台座にキックを見舞わせ、オブジェを台座ごと引き倒した。カニの脚は無残にもバラバラになり、2人はその場からダッシュで逃走した。

 同店の武田源社長(48)は事件後、「こういうご時世でみんな苦労しているわけじゃないですか。人として絶対許せない。売り上げが激減する中、心も折れた。むっちゃムカつく」とカンカンだったが、後日、被害届を取り下げた。

「謝りに来た時も正直、はらわたが煮えくり返っていました」と言う武田社長が、2人を許した理由をこう話した。

「2人が謝罪に来た翌日、両親とおばあちゃんまで来て、泣きながら謝られました。やったことはけしからんことですけど、時短にならなければ店もクビにならずに済んだし、朝までにぎやかな道頓堀で目撃者がいたら、あんなことしなかったかもしれません。ある意味、被害者かもしれないと思い、彼らの未来を信じて許すことにしました」

■TVチャンピオン優勝者の作品

 オブジェは、カニの脚を積み上げた店の名物料理「かに源タワー」をイメージ。開業した5年前に製作され、全長3メートル、重さは約100キロある。

 このカニのオブジェは、大阪の名物オブジェ「金龍ラーメン」の竜や「大阪王将」の餃子2人前、「元禄寿司」のマグロの赤身を握る右手などを手掛け、「TVチャンピオン 発泡スチロール王選手権」で優勝した立体看板の「ポップ工芸」の作品だ。

「現在も壊れたまま展示しています。製作するのにかなりの時間がかかるので、ポップ工芸に『何とか年末までに完成させてください』とお願いしています」(武田社長)

 2人はオブジェの製作費165万円を弁償。酔っぱらって調子に乗ると痛い目に遭うということだ。

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