EVと自動追尾ロボットで負担を減らす。フランスの郵便局が目指す配送の未来

GIZMODO / 2019年5月28日 19時0分

190528_01_EffiBot Photo: Nobuyuki Hayashi

この押しにくそうなワゴンのような物、なんだかわかりますか?って答えをタイトルに書いてしまいましたね。La Poste(フランス郵政公社)が配達員の補助として開発した自動追尾ロボットです。

押しにくいのは当たり前、この動画の通り、押す必要なく郵便配達員さんの背中を後から追っかけてきてくれるのです。

これは5月に開催されたVIVA TECHというイベントで展示されていたもの。混雑するVIVA TECHの会場では、ちょっと動きにくそうだったけれど、実はこのロボット、既にフランスの6都市で試験運用が始まっていて、重たい荷物の配送などで郵便配達員の身体に負担がかかるのを軽減してくれるのだそうです。

リモコン操作など一切不要で、ただ郵便局員がロボットの前でスイッチを入れて歩き始めれば、カルガモの子どものようにその後をついてきます。

190528_02_EffibBotContainer1 Photo: Nobuyuki Hayashi 190528_03_EffibBotContainer2 Photo: Nobuyuki Hayashi

不恰好に見えて実はさまざまな収納があり、かなり多様なサイズの小包をたくさん収納できるようです。かなり優秀。

調べてみたところ、このロボット、フランスの会社EffidenceのEffiBotというロボットで、フランスの郵便局だけでなくドイツを本拠地とする国際的な配送会社、DHLなどでも採用されているようです。

190528_04_EZFLEX Photo: Nobuyuki Hayashi

La PosteはVIVA TECHで、これと合わせて今年後半から試験導入が始まる新しい郵便配送車も披露していました。EZ-FLEXという車でルノー社製の電気自動車。 鉄腕アトムにでも出てきそうな丸みを帯びたなんだかとってもかわいらしい車体の車でした。

車体にはいくつものセンサーが搭載されており、ルートや走行距離、走行範囲、スピード、停車などの様子が逐一記録されていて、今後の配送の効率化に役立てられるのだとか。

どうやらECサイトの普及で宅配便需要が増えたのはフランスも同じ。日本では配達をしてくれる労働者の不足や賃金が大きな問題になっていたけれど、フランスではそれによってこれまでのディーゼルを使っていた配達車の交通量が増え、環境に悪影響を与えることが問題になったようで、まずは15都市からこの車を試験導入するみたいです。

190528_05_EZFLEX Photo: Nobuyuki Hayashi

「郵便配達専用の車とあって収納もかなりあるんだ」。慣れない英語で自慢げに語ってくれたのは、普段は郵便配達をしているJEREMY VISEUX(ジェレミー・ヴィソー)さん。重役とか広報の人でなく、現場の人がこれだけ熱く自分の会社のアピールしているのはなんだかとてもステキでした。

でも、日本の宅配用の車の方が四角い貨物スペースにピッチリ上端まで荷物を積み上げてたくさん収納していそうですよね。EZ-FLEXは貨物スペースをネットで上下2段に分けてそこに無造作に置くだけ。そして「クリスマスなど特別な時でもない限り、これが埋まることはないね」と言うヴィソーさん。日本とは1人の配達員に割り当てられた配達エリア/件数がぜんぜん違いそうです。

将来はこのEVで配達エリアにいくと、さきほどのEffiBotが待っていて、車の荷物をEffiBotに積み替えて配達して回るのだとか。

190528_06_EZFLEX ジェレミーさんによれば、配達員は1日に100回近く車を駐車したり発車したりと忙しいけれど、そんな中で間違いが起きないように運転席まわりは極力余計なものを排除してシンプルに保ったデザインになっているんだそうです。 Photo: Nobuyuki Hayashi

VIVA TECH会場から、このロボットやEVについてツイートをしていたところ、フランス在住経験のある日本人の方数人から「そんなことをするよりも、まずは誤配送をなくして」といったツイートをもらうほど、La Posteのサービスには雑なところもあるみたいです。でも今後、こういうテクノロジーでその誤配送が減るかも知れないし、暖かい目で見守ってあげたいところ……。

というか、日本の宅配業の人たちは、どこまでも人力で頑張るのでしょうか。ちょっと気になってしまいました。

Reference: Asratech, DHL

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