「はやぶさ2」の子機が撮影したリュウグウの超クローズアップ写真、地球に落ちた隕石に似ている?

GIZMODO / 2019年8月27日 20時0分

190826_hayabusa Image: Jaumann et al (Science (2019))

火山に行くとこんな景色広がってません?

2018年10月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウの地上約41m地点から、小型着陸機「MASCOT」を投下しました。MASCOTは地表の岩石にぶつかって後ろ向きに跳ね返り、穴の中に逆さまに突っ込むまで、17m近い距離をゴロゴロ転がったのだそうです。

「MASCOT」は降下中の6分間、電池切れで果てるまでの17時間、ひっくり返りながらもリュウグウの地表の驚くべき岩石群の姿を撮影してくれたのでした。

科学者たちが公開したこれらの画像、見る人が見ればけっこうな興奮モノです。興味深いことにリュウグウの表面は「炭素質コンドライト」と呼ばれる、地球上で発見された隕石にソックリだったのです。

190826_hayabusa2 Image: Jaumann et al (Science (2019))

ドイツ航空宇宙センターにて、この研究の第一著者であるラルフ・ヤウマン氏が、米Gizmodoにこう話してくれました。

これらの画像からわかったのは、小惑星の表面の岩石や物質の分布や風化の歴史、地質学的な背景です。この種の物質でしかも地球上ではなくオリジナルの環境で情報が得られるのはこの画像が初めてです。

大きな岩石ばかりで塵が見当たらない

画像は、リュウグウの地表にある様々な種類の岩石を明らかにしました。色の濃いカリフラワーのようなボコボコした岩、そして明るく滑らかな岩など様々で、大きさは数cmから数mの大きさまであります。

しかし岩石ばかりで、目に見える塵はないようです。ということは、この地表に塵を吹き飛ばす何かの働きがあったに違いない、ということを示しています。そうして塵は宇宙の藻屑と消え去ったか、小惑星の奥深くに吸い込まれたか、いずれかということなのでしょう。

Scienceに掲載された論文によりますと、これらの画像をよ~く見ると、岩々には明るい部分、つまりいくつかの異なる物質の包有物があるようだ、と指摘されています。

190826_hayabusa3 Image: Jaumann et al (Science (2019))

地球にある物質と似ている

ヤウマン氏は、このようなコメントもくれました。

これらの含有物は青味がかっているようでもあり、赤味がかっているようにも見えます。そして、地球で発見された炭素質コンドライトに見られる包有物と、サイズが似ているように見えます。これはスゴいことですよ。

またこの研究に関わっていない、惑星地質学者でセントラルフロリダ大学助教授のケリー・ドナルドソン・ハナ博士は、米Gizmodoにこう話してくれました。

今まで私たちが博物館や研究室で見ていたような隕石の岩を、大気圏を通る前に見るのは初めてのことです。

これは地球上の岩石と、宇宙のそれとを結び付ける貴重な情報です。

190826_hayabusa4 Image: Jaumann et al (Science (2019))

しかしまだ、謎の要素が存在します。ペン・ステート・デュボワにて地球科学の准教授を務める、数学者のネイダ・アブリウさんが米Gizmodoにくれたコメントにはこうあります。

もし地球の大気圏に突入した場合、リュウグウがどのような炭素質コンドライトになるかはまだわかりません。

もしかすると、リュウグウは地球の我々が手にしている、どの炭素質コンドライトとも正確に合致しないかもしれません。

本当の目的は、サンプルを持ち帰ること

「はやぶさ2」の任務には、驚くべき写真を撮影する以上のものがあります。

それはかねてからお伝えしているように、リュウグウの地表を砕いて採取したサンプルを地球に持ち帰ること。もしこれが成功すれば、科学者たちは本物の、宇宙の始まりから変化のない破片を間近で研究することが出来るようになるのです。リュウグウは惑星が最初に形成された時代の、太陽系の中で最古の物質を含んでいるかもしれない、と期待が寄せられています。

「はやぶさ2」の帰還は来年に迫っています。地球の近くまで戻った「はやぶさ2」は、サンプルを回収したカプセルをオーストラリアのウーメラ管理区域に落とすべく、現在JAXAと豪政府が協議を重ねています。

Source: Science

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