グーグル、ツイッター、フェイスブックが、香港警察へのデータ引き渡しを「停止」へ

GIZMODO / 2020年7月9日 15時0分

200709hongkong Image: omonphotography / Shutterstock.com

「表現の自由は、基本的な人権」。

香港で先週、新たに国家安全維持法が可決された際、おそらく当局が想定していたのは地元住民からの幾ばくかの反発だったかもしれません。ただ、テックジャイアントから今回の反応を得ることは予想していたでしょうか。

「一時的なデータ引き渡し停止」へ

Google(グーグル)、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、そしてWhatsapp(ワッツアップ)が香港の法執行機関からのユーザー情報提供リクエストを拒否する決断に踏み切ったことをThe Wall Street Journal(WSJ)が報じています。

Facebookの広報担当者は「表現の自由は基本的な人権であり、人々が安全やその他影響を恐れることなく自己表現する権利を支援します」と、立場を明らかにしています。Facebook保有のWatsappは、人権専門家との協議や正式な精査を含め、今回の法律による影響の評価を保留するとして、協力の「一時停止」を決めたようです。またGoogleとTwitterは両社とも、6月30日に法律が施行された段階で香港当局へのユーザーデータの引き渡しを停止したとのこと。

香港でも人気なプラットフォームとして…

新たな法律はテロ活動、国家の転覆、外国勢力との共謀を犯罪行為とみなし、過酷な刑を宣告するものとして、1年以上前から香港で行なわれている民主主義への抗議を根絶するために、政府当局に全面的な権限を与えることになります。

FacebookやWatsappは香港でもっともよく使われているアプリのひとつで、Twitterに関しては香港の抗議参加者の間で昨年から盛んに使用されるようになりました。

抗議活動の参加者は、これらいずれかのプラットフォームで何らかの形跡を残していると考えられます。新たな法律下では、法執行当局が対象ユーザーの個人データの要求、さらに国家安全保障へのリスクが疑われる場合にはその形跡を削除する権利を持つことになる可能性があります。

法律に従わない場合、パブリッシャーやプラットフォームにも多額の罰金や長期の収監が言い渡されるケースもあるといいます。とはいえFacebook、Twitter、Googleが市民データの受け渡しを要求されたことはこれまでになかったわけではありません。WSJによれば、香港当局は昨年後半、Facebookに対して240件以上の同市民ユーザーのデータを要求し、Facebookはその半分以下の数を対応することもあったとのだとか。

ユーザー離れを回避できたか

今回のテック企業らが示したスタンスは、人権問題だけでなくビジネスにもよい影響をもたらすという見方もあります。新たな法律の導入を受けて、市民ユーザーのなかにはアカウントの削除ではなく過去のコメントの削除などにより対策をとる傾向があるとのこと。テック各社としては、ユーザーの退会を阻止できたことは大きいかもしれません。

総じて、今回のテック各社の対応が利益や宣伝を見据えたうえでの判断だったとしても、それが結果として人権保護につながるならば、手段と目的が入れ替わろうとひとまず批判を受けることはなさそうですね。

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