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インフルエンザワクチンが新型コロナワクチンの技術でパワーアップしそう

GIZMODO / 2021年7月14日 23時0分

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Photo: Shutterstock

mRNAワクチンが、インフルエンザにも応用できればさらに人類の健康が守られるかもしれない。

現在、日本はもちろん世界中の人々がバンバン接種している、新型コロナウイルスのワクチン(mRNAワクチン)。そのワクチン開発元のひとつであるモデルナ社は、このmRNAワクチンの技術を応用して、新型コロナ、インフルエンザ、そしてその他の呼吸器系ウイルスを同時に予防できる混合ワクチンの開発を目指しています。先週モデルナ社は、少数のボランティアを対象とした、インフルエンザ向けmRNAワクチン(mRNA-1010)の臨床試験を開始しました。

毎年、世界中で行なわれる季節性インフルエンザの予防接種と同じく、この開発中のmRNAインフルエンザワクチンも、A型2種とB型2種を含む、4種のインフルエンザを予防することを目指しています。今回の臨床試験では、ランダム化された180人の参加者を対象に様々な量のワクチンを投与していく予定です。

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、ウイルスのタンパク質をつくるもとになる情報の一部を注射し、細胞の中でこの情報をもとに、ウイルスのタンパク質の一部がつくられ、それに対する抗体ができることで、免疫ができる...という仕組みです。このウイルスのタンパク質をつくるもとになる「情報」を作成するプロセスが、従来のワクチンと比較して短時間でできるため、流行株の予測からワクチンの製造、流通までのタイムラグを少なくできます。

実は数十年前から研究開発が進んでいたmRNAワクチンですが、今回の新型コロナによって、初めて一般の予防接種として導入することになりました。

mRNA技術は、発症を40〜60%ほど抑えているとされる従来のインフルエンザワクチンよりも高い効果を発揮してくれる可能性があります。毎年、インフルエンザワクチンの研究開発に携わる人達は、きたるインフルエンザシーズンの流行株を数カ月前から予測するためにさまざまな手を尽くしています。その年の流行株として予測されたインフルエンザウイルスは、ラボや鶏卵の中で培養され、インフルエンザワクチンのベースとなります(予防接種に含まれるウイルスは死滅しているか、弱体化されています)。しかし、野生のインフルエンザ株は変異のスピードが速く、ワクチンの株と流行しているインフルエンザウイルスとの間にミスマッチが生じてしまい、予防効果を減少させている側面も否めませんでした。

mRNAインフルエンザワクチンの有効性は、臨床試験の結果が出ない限りまだなんとも言えませんが、モデルナ社は、インフルエンザや新型コロナだけでなく、RSウイルス、ヒト-メタニューモウイルスによって引き起こされる、深刻な呼吸器疾患にも対応する複合mRNAワクチンを開発することを目指しています。

モデルナ社のステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は、

我々のビジョンは、mRNA混合ワクチンを開発し、毎年秋に1回の注射だけで、一番の問題である呼吸器系ウイルスを、高い効果で予防可能にすることです。

と述べています。

実はすでにフランスの製薬会社サノフィ社と、アメリカのTranslate Bio社が共同で、インフルエンザウイルス向けのmRNAワクチンの臨床試験をスタート、そしてファイザー社もインフルエンザのmRNAワクチン開発に乗り出すことが予想されています。

この他にも、mRNAはさまざまなワクチンの研究開発が進められていて、先月は麻疹(はしか)のmRNAワクチンをマウスに投与し、成功したことが報じられています。

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