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今世紀中にパンデミックがもう1回は起こるだろう:研究結果

GIZMODO / 2021年9月5日 8時0分

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「今は黙って手を洗おう」(2020年3月・ワシントンDCアーカイブス駅構内) Image: Chip Somodevilla/Getty Images

今のだって終わりが見えないのに、もう次の話。

1918年のスペイン風邪並みのパンデミックは400年に1度と言われてきましたが、COVID-19並みのパンデミックはなんか60年以内にまたくるらしいですよ?

デューク大などがまとめた最新研究で明らかになったもの。エキストリームイベントの発生頻度は増加の一途で、病が出ては消え、消えては出るのがもう当たり前になるとも書かれています。

データ集計方法

COVID-19は発生から2年半で死者440人(実数はもっとかも)を数え、HIV/AIDS(1980年代以来最低3600万人が死亡)を除けば、スペイン風邪(死者推定2000万〜1億人。一般には5000万人前後とされる)以来最悪の状況。世界的流行病のパンデミックは思ったより頻繁に起こっていて、コロナ直近のは2009年のH1N1豚インフルエンザが記憶に新しいところですし、ここ百年くらいは平均して20年に1度の頻度で起こっているのですが、発生率の研究は後手に回っていたので、それにフォーカスしたのが今回の研究論文というわけです。

「未来予想ではありません。過去のデータをもとに大型伝染病の発生確率を検証した研究ですので、それは最初に断っておきたいですね」 とメール取材に応じてくれたのはWilliam Pan同大地球環境衛生学教授。

チームがベースにしたのは過去350年に起こった主なペスト、コレラ、新型インフルエンザ変異株、その他の病原体の記録で、特に重点を置いたのが死者1万人以上の感染症です。広い地域で同時多発生的に起こったもの(17〜18世紀ペストなど)、抗生物質やワクチンなどの薬で収束したもの、現在進行中のもの(HIV・AIDS、マラリア、COVID-19など)は除外したので、1945年以降のものはプライマリの分析には含まれていません。

対象期間については発生率は減少傾向にあることがわかったんですが、発生率を決める要因は多種多様でした。そこで、洪水などの異常気象の予報で使う最新の統計モデリングを駆使して年間ベースの発生率を算出してみたところ、COVID-19的なパンデミックが起こる確率は現在のところ2%前後で、次がくるのは今後59年以内と出たんだそうですよ? これは「59年後にくる」ではなく「59年以内に次がきそうだ」って意味ですね(重要)。

スペイン風邪レベルのものが起こる頻度は400年に1度(誤差数十年)で被害が大きくなるほど発生率は下がると思われてきたのですが、コロナ級のものが60年に1度起こるんじゃ全然減る気がしない…。

もちろん理論値で推計にすぎませんが、近年は新種および既存種の小規模な感染爆発が起こる確率は上昇傾向にあり、ここ数十年の動向までモデリングに反映させると、今後数十年間は年間発生率が3倍になるのだといいます。つまりスペイン風邪スケールのものも400年に1度じゃなくて、平均127年に1度!なんですよ〜はい〜。泣くわあ…。

なぜこんなにも頻繁に起こるようになったのか?

理由は不明ですが、既存の研究では環境の変動によってこれまで人に触れることのなかった菌を保有する動物と人間との間に接点ができた状況もあるそうなので、そういうのも影響があるのかなあ…。感染は貧困、不衛生な生活環境、医療の立ち遅れで広まり、各国の連携不足がこれに拍車をかけるという構図。今後はパンデミックの大波がしょっちゅうくる前提で予防と事後対応に努めなきゃ…。

「論文で示したのはもちろん世界的パンデミックの発生率ですが、国際的な医療体制とパンデミック予防にもっと効率よく投資しないとならないというのが本当に大事なメッセージ」だとPan教授。そのためにも今のCOVID-19への世界の対応を研究して、見習うべきこと、反面教師とすべきことを洗い出すのが科学者に課せられた責任だとおっしゃってました。たとえばマスクについても、今は有効でも、将来起こりうるパンデミックの伝播経路によってはまったく用をなさなくなることも十分考えられるし、国同士の協力も必要で、これは国連やWHOみたいな既存の国際機関が補佐するのが一番だというのが教授の所見です。

「緊急対応のみならず、感染が広まりやすい最貧国の底上げも大事ですよね。持続可能な開発目標(国連が2030年までに実現を目指している貧困・不平等・気象変動などの地球の脅威是正目標)の達成が欠かせません」(Pan教授)

論文にはみんなが恐れている「Big One(全人類滅亡のパンデミック)」という表現こそ見当たらなかったけど、いちおうチームの試算では「全人類を殲滅しうる致死力を備えたパンデミックが起こるのは次の1万2000年以内」とあります。彗星落下、核爆発、AI戦争もないまま12,000年生き延びられたら御の字とも言えますが。その前に地球がオーブンにならないことを祈るばかりですね。

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