【ミャンマー】コーカン族と国軍との衝突問題に中国の影
Global News Asia / 2015年2月26日 17時0分
2015年2月25日、ミャンマー政府は、武装少数民族との全面停戦(和平交渉)に向けて話し合いを続けている。しかし、武装少数民族コーカン族(漢族)は、不法集団と位置付けられ、この話し合いのテーブルから除外されていることへの不満から抗議のアピールとして、2月9日に国軍に奇襲攻撃をかけたのではないかと見られている。
鉱物資源や木材の違法伐採、麻薬などの利権ビジネスも絡んでおり、雲南省などの中国側がバックアップしているのではないかという見方もある。
コーカン族側は2月16日に、ミャンマー大統領あてに停戦の申し入れ書面を出しているが、ミャンマー政府はコーカン族側との話し合いに応じない。
紛争地域の一般住民のコーカン族3~5万人は、戦火を避けて国境をこえ、中国側の親戚や知人宅に身を寄せており、コーカン族以外のビルマ人や他の少数民族の多くは出稼ぎ者であり、故郷に戻っているので、一般的な戦争難民と言ったほどの深刻さはないようだ。
国軍に近い関係者によると、今回の武装少数民族コーカン族の戦いが手強いことについて、訓練された兵士で、これまでの武装少数民族兵士と違う。中国人兵士が多数おり、中国人IDを持った死者もいた。中国人民解放軍の武器を使用しており、現役と思われる中国人民解放軍兵士も含まれているのではないかと話す。
一方、武装少数民族コーカン族は、中国人を傭兵として雇っただけで、中国政府とは無関係と伝えている。
ミャンマーと中国との対立に発展した場合、仲裁のできる国が存在せず、泥沼化することは避けたいのが両者の本音だ。しかし、今回の衝突で、国軍兵士ら61人が死亡したことで、国軍に対して、これまで否定的な考えを示していた人も180度考えが変わって、国軍を支持し煽るような声も出て「中国を追い出せ」と意気が上がっているという。
また、武装少数民族コーカン族のリーダーは、インターネットを通じて中国や、世界の中国人社会に向けて、ミャンマーで同朋がいじめられているとの声明を発信している。中国政府は、暴徒化するようなことが無いよう、こうした動きを抑えたいとしているが、双方過熱気味だ。
【編集 : TY】
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