【タイ】タイ南部の津波被害からの復興を体感するスタディーツアー
Global News Asia / 2015年7月17日 17時0分
2015年7月17日、タイを代表するリゾート地、タイ南部プーケットとパンガー県で、かつて津波に被災した地域を訪れ、被災した人々から直接、話を聞くスタディーツアーが催行される。
スタディーツアーを主催するのは、現地で生産されたクラフト製品をフェアートレードとして、日本で長く販売を続けているツナミクラフト(代表:東山高志氏)。
2008年に初めて催行されて以来、試行錯誤を重ねながら、毎年夏(8月末)と冬(2月末)の2回企画されている。
2011年3月11日の東日本大震災で日本も被災して以降は、日本が学ぶべき復興の手本としての性格も帯びてきている。興味深いのは、ツアーではインフラなどのハードよりも被災者の心の復興と、被災者自身が主体となっていた復興に目を向けている点だ。
2004年末に被災した直後、大きな悲しみの中でも、タイの人々は常に笑みを絶やす事は無かった。あの日両親を失った子どもたちの中には、現在、大学へ進んでいる人もいる。子どもを失い、生きる力をも失った母親たちは初め、固く閉ざしていた心の扉を徐々に開き、今では生き生きと暮らしている。それぞれに今も忘れる事は出来ない悲しみだと、彼らは言う。
国や行政は、社会インフラの復興とともに、地域住民やその支援に奔走するNGOへのサポートも欠かかすことはなかった。そして何よりも、住民自身が行政やNGOに任せきりにせず、自ら歩を進めようとした。その結果、タイでは被災から1年半後には、仮設住宅から全員が新たな定住地へ移っている。
規模や国柄が違うとして日本では比較される事は少ないが、タイがどのようにして復興したのか。その背景を探ることは決して無駄ではないだろう。特に被災者の心の復興については、日本では見落とされがちだ。その点では、規模や国柄の違いも関係はない。
また今回のツアーでは、300年以上前から民族に伝わる教えに従って、一人の犠牲者も出さなかった海のジプシーと呼ばれる少数民族モーケンの人々が暮らす島でのホームステイも予定されている。
代表の東山氏は、「ぜひ、タイの津波復興の姿を見て、今から出来る復興のカタチを見つけてほしい」と話す。
このツアーの問合せは、マイチケットのホームページからツナミクラフトで。15日の締め切りは過ぎているが、随時受付をしているとのこと、まずは問い合わせて欲しい。
毎回、主に大学生の参加が多いツアーであるが、復興関連の研究者や日本の被災地からの参加については、特別割引も用意されている。
【取材/執筆 : そむちゃい吉田】
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