【タイ】国家運営改革協議会議長にかつての弾圧閣僚を指名

Global News Asia / 2015年10月14日 9時0分

中立的な政策を実施しているといいながらも、実質的には守旧派寄りの国家運営を進めているプラユット首相。

 2015年10月14日、タイ軍政は、1992年の暗黒の5月事件で退陣したスチンダー政権時の閣僚だったティンナパン・ナカタ氏(81才)を国家運営改革協議会議長に指名した。この指名に、事件の犠牲者らからは疑問の声が多く上がっている。

 1991年に軍事クーデターを起こしたスチンダー将軍は、当時首相にはならないとの公言を翻して首相に就任。その事に抗議した民衆がデモを展開。1992年5月、軍隊が王宮周辺のデモ隊に発砲。52名が死亡したとされ、国王の介入によりスチンダー将軍は辞職に追い込まれた。

 当時、内閣府大臣であり、民衆への弾圧にも加担したことが指摘されていたのが、今回議長に指名されたティンナパン氏だった。この指名に1992年当時、デモに参加し軍の発砲で死亡した遺族会は、軍政に対する不信感を隠さず抗議の声をあげている。

「他にもっと適任者がいないのだろうか。なぜこのような問題を抱える人物を登用するのか、政府の考えに疑念を抱かざる得ない」

 国家運営改革協議会は、現軍政の国家改革評議会の中にあって、今後の国家改革についての提言を取りまとめる役割を担う。63名の国家会各評議会議員と80名の軍警察関係者と各政党代表者から組織されている。

 1992年当時は、タクシン元首相も当時のパランタム党党首チャムロン氏と共に軍事政権に抗議してデモ隊の先陣を切っていたが、その後チャムロン氏は、反タクシン派と合流した。

 今回の指名では、図らずもタイ軍事政権は大きく保守的な方向へ進もうとしている事を露呈させたといえるだろう。先日のプラユット首相の定例スピーチの中でも、現在検討が進められている新憲法は、国家安定の為にはある程度、国民個人の自由が犠牲になることは仕方が無いという旨の発言を行っている。

 また、ネットの管理を容易にするインターネットゲイトウェイを一つにする作業が進められており、軍政による圧政と受け取られても仕方の無い状態が増えて来ていることを危惧する声が増えつつある。
【翻訳/編集 : KK】

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