【インド】破産法とモーリシャス租税回避阻止ーHSBC投信
Global News Asia / 2016年5月25日 9時46分
2016年5月24日、インドの金融マーケット関連のレポートを伝えた。
レポートによると、マーケットサマリー4月は、株式、債券、通貨ルピーともに比較的小動きとなった。インド準備銀行(中央銀行)の利下げ、インド気象庁による今年のモンスーン期(6月-9月)の降雨量が平年を上回るとの予報などが下支え要因となる一方、米国の金融政策の正常化(追加利上げ)を巡る不透明感が引き続き不安定要因となっている。
国会で5月11日、重要法案の「破産法」が成立した。米国及び英国の法令をモデルとした世界標準の「債務超過・破産法(Insolvency and Bankruptcy Code)」の導入は、近年では最も重要な改革の一つに位置づけられる。
現在、インドでは企業破産に関する複数の法律・制度が存在し、処理手続きに多くの手間と時間がかかっている。現状では、破産処理には平均4年以上の期間を要し、さらに債務の回収率は債務1米ドル当たり26セントと極めて低く、米国の各々1.5年、80セントに比べ大きく劣る。インドは現在、世界銀行の発表する破たん処理ランキングで136位にある。
今回成立した「破産法」は、複数の法律・制度を一本化し、新たな法的枠組みを創設するものであり、今後、破綻した企業の清算、債務処理が円滑に進むことが見込まれる。
「破産法」は破綻処理の期限を設定している。債務不履行の場合、期限は180日間と定められ、それまでに破たん処理を完了することが義務付けられている(但し90日間の期限延長が可能)。
現在、インドの銀行は多額の不良債権を抱えており、過去3年に不良債権額はほぼ倍増した。「破産法」の導入は、銀行の不良債権処理を後押しするという点で、銀行業界にとり追い風となる。
「破産法」は、資本を非生産的資産から生産的資産へと振り向け、引いてはインド経済をより強固にし、成長を促進する役割を果たすことが期待できる。また、外国からの直接投資を促すという点でも注目すべき動きと言える。
インドとモーリシャスは5月10日、投資家による租税回避阻止を目的とした改正条約に署名した。
これまで、キャピタルゲイン課税が免除されることを理由に、海外投資家・企業がモーリシャスを経由してインドに投資するケースが多く見られた。これに対し、インド政府は、2017年3月以降、モーリシャス経由の投資に対して短期キャピタルゲインを課すことを発表。税率は最初の2年間は現行のインドの標準税率(15%)の半分、2019年4月からは全額課税される。
この条約改正により、短期的にはインドへの資金流入に影響が及ぶ可能性があるが、長期的には、海外からの投資の透明性が高まり、インド市場にとってプラスになると見ている。
【編集 : KK】
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