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【インド】2017年度予算案を発表ー「高成長を目指し、財政規律を維持」HSBC投信

Global News Asia / 2017年2月3日 7時24分

インドのイメージ

 2017年2月2日、HSBC投信は、インドの2017年度予算案について解説レポートを公表した。

 それによると、2017年度予算案はほぼ予想通りのもので、市場に安心感を与える内容になった。農村への予算の重点配分は個人消費の押し上げに寄与し、インフラ投資の拡大も成長を後押しする。経済成長を促進する一方で財政規律を堅持するバランスの取れた予算案だと受け止めている。

2017年度予算案のポイント

 インドのジャイトリー財務相は、2月1日(水)、2017年度(2017年4月-2018年3月)の政府予算案を発表した。

 2017年度の歳出総額は前年度比7%増の21兆ルピー(約35兆円)。農村向けに予算を重点配分しバランスの取れた高成長を志向する一方、財政規律を堅持した。

高成長志向・財政赤字削減計画を堅持

 政府は2017年度の成長率見通しを+6.75%〜7.50%(2016年度見込みは+7.1%)とし、引き続き高成長路線を目指す。

 一方、2017年度の財政赤字の対国内総生産(GDP)比を3.2%とし、従来目標の3.0%から小幅下方修正したが、2016年度見込みの3.5%からの赤字圧縮を明確化。また2018年度は3.0%とし赤字削減計画を堅持。

農村向けに重点配分

 政府は農村支援強化に向けて農村向けの歳出を前年度比24%増。農村向け貸出の拡充、農産物保険の普及、灌漑(かんがい)農地拡大などを通じて、今後5年間で農村所得の倍増を目指す。

インフラ整備に積極投資

 インフラ整備は引き続き優先課題であり、政府は2017年度に鉄道、空港、道路の建設・近代化に過去最高の3兆9,600億ルピー(約6.6兆円)を投資する計画。また、官民パートナーシップ(PPP)により民間の資金やノウハウを活用する方針。

低所得者の所得税引き下げ

 貧困対策の一環として、年収25万〜50万ルピー(約42万〜84万円)の所得層の所得税を10%から5%に引き下げ、25万ルピー以下は所得税免除とした。

 法人税は段階的に30%から25%に引き下げる計画を継続する。

HSBC投信の分析:成長重視と財政規律のバランスある内容を評価

 2017年度予算案はほぼ予想通りのものであり、市場を動かす新たな材料と言うよりは安心感を与える内容。株式市場では株式投資への優遇税制を維持したことが好感され1日(水)のSENSEX指数は前日比+1.8%の上昇、債券市場、通貨ルピーは小動。

 農村向け予算の重点配分は個人消費を押し上げ(13億人の人口の約7割は農村に居住)、またインフラ投資への積極投資も経済成長を後押しすることが見込まれまる。

 2017年度予算案は、経済成長を促進する一方で、財政規律を堅持するバランスの取れた内容であると当社は評価します。

 一方、2月8日(水)のインド準備銀行(中央銀行)の金融政策決定会合では、政策金利が0.25%引き下げられ6.0%になると当社では予想。インド株式市場、債券市場に対する強気な見方を維持。

【編集 : KU】

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