【ミャンマー】マスコミ人材の育成目指す、言論界挙げて専門教育機関を設立
Global News Asia / 2017年2月9日 9時0分
2017年2月9日、軍事政権のもとで言論の自由が厳しく制限されてきたミャンマーで、不足するジャーナリストの人材育成を進める学校がある。ミャンマーの言論界挙げて設立した「ミャンマー・ジャーナリズム・インスティテュート(MJI)」だ。
ミャンマーでは厳しい事前検閲制度が続き、2013年まで民間の日刊新聞がなかった。メディアは情報省の厳しい統制下におかれ、ベテラン記者の中には、投獄された経験を持つ人も少なくない。2011年の民政移管、2016年のアウンサンスーチー国家顧問兼外相率いる国民民主連盟(NLD)政権誕生と、表現の自由は拡大したものの、マスコミを支える人材の不足は深刻だ。新聞や雑誌が次々と誕生し、政府はテレビ局を増やす方針で、マスコミ人材への需要は急速に伸びている。
そうした中でMJIは2年前に設立された。ミャンマーの大手メディアの幹部が役員を務め、ミャンマー・ジャーナリスト協会の会長が校長を務める。現在2期目のフルタイムの学生数十人が学んでいる。記事の書き方など座学のほか、実際に取材に赴き記事を書くという実地訓練も行う。男子学生のひとりは、「貧困にあえぐ農村部の実情を伝えたい」と社会派記者を目指している。
ミャンマーではロヒンギャ問題を始め、新政権が十分な情報公開をしていないため、内外マスコミの批判の声も上がっている。昨年11月には、大手新聞社イレブンメディアグループのタントゥッアウンCEOら2人が、新政府の幹部の収賄を示唆する記事を書いた名誉棄損容疑で逮捕されるなど、言論の自由が完全に保証されているとは言えない状況だ。また、人材不足から正確性に欠ける報道が散見されるのも事実で、ミャンマーのメディアが試される時期に来ている。MJIのほかにも、「ヤンゴン・ジャーナリズム・スクール(YSJ)」などがマスコミ人材の育成を進めており、こうした学校から次世代を担うジャーナリストが巣立つことが期待される。
【執筆 : 北角裕樹】
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