愛亀の全天候型道路穴補修材「エクセル」カンボジアで普及目指すーJICA
Global News Asia / 2017年12月7日 9時15分
2017年11月20日、JICAカンボジア事務所が発行するカンボジアだよりNo75に「道路の穴に、簡単で耐久性高い補修材 JICA事業を活用、愛媛県の企業が普及に取り組む」と題する記事が掲載された。
(記事)カンボジアの舗装道路でよく見かける穴。車輪がはまったり、足をとられたり、車の蛇行運転の原因になったりと危険です。経済成長とともに交通量が増え、過積載の車両も目立つカンボジアでは、道路の維持補修は重要な課題となっています。簡単に使えて、耐久性の高い補修方法はないだろうか。そんなニーズにこたえるのが、愛媛県松山市の株式会社「愛亀」が開発した道路補修材「常温合材エクセル」です。同社は、JICA中小企業海外展開支援事業を活用して、カンボジアで「エクセル」の普及に取り組んでいます。愛亀のJICAプロジェクトマネージャの玉井さんによると、エクセルは 通常の舗装材に特殊な接着剤を混ぜており、穴を埋めた後に足で踏みつける程度で固まり、短時間で補修ができます。ま た、雨天や水たまりにも使える全天候型でカンボジアには最適です。同社は2014年にJICAの中小企業海外展開支援事業として、高品質な道路補修材の普及と舗装マネジメントシステム構築の案件化調査を開始。その結果、道路補修材の需要が高いと見込んでカンボジアに現地法人を設立しました。2016年からはさらに普及・実証事業として取り組み、将来的には現地でエクセルを生産できるようにしたいとしています。
愛亀では、「いきなり大がかりな技術移転に取り組むのではなく、こうした初期段階の補修作業を全国で重ねることで、舗装施工技術の向上や道路管理コストの削減、安全性の向上につながることを実感してもらいたい」と考えています。 同社は、緊急補修材の普及の一方で、より高度で広範囲な道路補修技術を普及するため、「セメントアスファルト乳剤安定処理工法」の導入にも 取り組んでいます。傷んだ舗装道路の表面を砕いて乳化剤と合わせ、新たな舗装材として再利用する技術で、この作業に必要なロードスタビライザー1台を日本から導入したところです。愛亀が活用した中小企業海外展開支援事業は、JICAが持つ開発途上国でのノウハウを活かし、民間企業の海外展開を支援するものです。中小企業の持つ技術や経験で途上国の抱える課題を解決することを目指します。2012年度の事業開始以降、採択案件数は世界で603件に上り、対象地域はアジアが6割を占めています。
【編集 : YA】
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