【世界マラリア・デー】サルマラリア原虫の人感染症例をラオスで初めて発見!
Global News Asia / 2018年4月25日 9時15分
2018年4月25日、WHOが定めた世界マラリア・デー、年間2億人が感染し40万人が死亡する恐ろしい感染症だ。JICAラオス事務所は、日本の国立国際医療研究センター(NCGM)と一緒にラオス側とマラリア等に関する共同研究プロジェクトを実施している中で、サルマラリア原虫の人感染症例を初めて発見するなど大きな成果を上げている。
ラオスの南部、アッタプー県で、サルマラリア原虫の人感染症例がラオスで初めて発見された。これは、「マラリア及び重要寄生虫症の流行拡散制御に向けた遺伝疫学による革新的技術開発研究プロジェクト」の調査研究によるもので論文でも発表されている。
通常は、野生のサルにのみ感染しているサルマラリア原虫がヒトにも感染したケースであり、他国では重症化した事例も報告されている。
ラオスでは、マラリアや吸虫症をはじめとする重要寄生虫感染症が深刻な問題になっていて、政府も寄生虫対策5カ年計画を作って対策しているところ。しかし寄生虫感染症の遺伝子レベルの研究はまだ十分ではないため、研究開発を通じた科学的根拠に基づく対策計画づくりが重要だ。
そのためJICAは、日本の国立国際医療研究センター(NCGM)と一緒に、ラオス保健省ラオス国立パスツール研究所とラオス保健省マラリア学・寄生虫学・昆虫学センターと共同で調査と研究を行っている。
ラオスの研究者や保健医療従事者と連携して、マラリアと吸虫症をはじめとする重要寄生虫感染症の分子遺伝学解析を行い、その科学的知見に基づいて、流行を抑え、感染を防ぐことが狙い。
ラオスでは森林開発とエコツーリズムが盛んになりつつありますが、近年人間がより森に入っていくようになったことも影響している可能性もある。今後このプロジェクトでは、保健省とも協力しさらにサルマラリア原虫の流行状況を詳細に調べていくことになる。
(この研究は、JICAと日本医療研究開発機構(AMED)による、日本と開発途上国との国際共同研究である地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development:SATREPS)の一環)
【編集 : Yu To】
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