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国際民主法律家協会(IADL)の、南シナ海の情勢に関する声明・全文を和訳

Global News Asia / 2019年8月24日 14時15分

資料:南シナ海の地図

 2019年8月24日、南シナ海には、世界と地域に最も重要な地戦略的な問題がある。第一に、南シナ海は太平洋とインド洋を結び、ヨーロッパとアジア、中近東とアジアの航海路にある。毎日500隻の船舶が通行して南シナ海は世界第二の混雑海域だ。世界の3分の1原油、世界の50%の天然ガス。そして東南アジアの60%輸出貨物が通過する。昨今の南シナ海の情勢に関するIADLの声明は、下記の通り。

 国際民主法律家協会(IADL)は、国際連合経済社会理事会(ECOSOC)での協議資格を有する非政府組織です。IADLは国際法の維持、保護のため、より具体的には紛争の平和的解決、及び発展、経済的平等、科学的発展、各国の天然資源など各国が有する権利を保護するという国連憲章の目的を達成するために1946年に設立されました。IADLは長年、南シナ海における紛争が地域的及び国際平和、安全保障、安定性、国際協力、国際発展を脅かすことから、これらの紛争の国際法に従った平和的解決を呼び掛けてきました。

 IADLは、昨今の南シナ海における挑発的な緊張関係の激化が、南シナ海地域における海上安全保障及び安全に悪影響を及ぼすと考えています。国際社会に大きな懸念を及ぼすこれらの緊張関係の悪化原因として、
(1)2019年4月、フィリピンとの間で外交紛争のあるパグアサ島周辺において中国船が多数航行しているのが確認されたこと。(2)2019年5月、中国海警局巡視船がマレーシアの排他的経済水域(EEZ)内にあるルコニア礁周辺において巡回していたことが挙げられます。

 特に2019年7月初めから、中国は南シナ海南部のベトナムの大陸棚及び排他的経済水域(EEZ)内において海洋調査船「海洋地質8号」及び船数隻を不法に活動させていました。これはベトナムの主権及び支配権を侵害し、1982年に採択された国連海洋法条約(UNCLOS)に明らかに反する行為です。

 IADLは、中国が速やかにベトナムの主権及び支配権を侵害することを止め、状況をより一層複雑化し、関係各国間の緊張関係を更に緊迫化させるような行動を行うことを取りやめ、当該地域全般、特に南シナ海における安全保障、平和および地域の安定性を維持するための信頼関係の構築に専念することを求めます。

 IADLは、関係各国が南シナ海行動宣言(DOC)を尊重及び遵守し、法的拘束力があり国際法に基づく南シナ海行動規範(COC)を早期に策定し実行することを求めます。IADLは南シナ海地域の完全な非軍事化の実現を希望しますが、その中でIADLはまず国際法、特に南シナ海における航行及び航空の自由の維持のため、武力の行使、及び武力による威嚇を禁止する国連海洋法条約(UNCLOS)の遵守の重要性及び必要性を強調します。

 IADLは、関係各国が当該地域における平和、安定性および安全保障の維持のため、国際法に基づいた平和的方法で紛争解決に取り組むことを強く求めます。
【編集 : LK】

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