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インド株式市場は国営企業の民営化に注目ーHSBC投信

Global News Asia / 2019年11月9日 6時15分

図表1

 2019年11月8日、HSBC投信は経済レポートで、インド株式市場は国営企業の民営化に注目していると伝えた。

 (レポート)トピックス・「市場は国営企業の民営化に注目」

 国営企業の民営化の推進と「企業統治の強化および政府介入の縮小」という歴代政権が掲げた公約は、インドが過去数十年にわたって進めてきた改革を特徴づけてきた。しかし、国営企業の政府保有株比率引き下げや全株式売却は、様々な問題に直面し、多くのケースで実現に至っていない。このため、歴代政権による、この選挙公約は未達が常態化してきた。

 インド政府は、今年度(2019年4月-2020年3月)予算で、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を3.3%に抑える目標を設定した。しかしながら、当初5ヶ月間の税収実績と最近実施された減税は、大幅な税収不足に陥る可能性を示唆している。このため、大規模な歳出削減を回避したい現政権にとって、国営企業の民営化は一段と重要性を増している。

 明るい材料としては、第1期モディ政権(2014年5月-2019年5月)下において、国営企業の民営化は400億ドル(約4.4兆円)と記録的規模に達したことが挙げられる。これは、国民会議派(現在は最大野党)が率いた前政権下の5年間の民営化収入140億ドル(約1.5兆円)の3倍近くになる。

 本年5月に2期目を迎えたモディ政権は、より大きな目標を掲げている。7月に発表された政府予算では今年度の民営化目標は1.05兆ルピー(約1.6兆円)となっている。

「民営化圧力」
民営化に取り組む現政権は9月、インドにおいて2000年代前半以来最大規模となる民営化計画を打ち出した。対象は国営企業4社である。

 国営企業の政府保有株をすべて売却すると、中央政府は総額で約10兆ルピー(約15.5兆円)の民営化収入を得ることになる(国営企業の時価総額と政府保有比率をベースに試算)。この額は、国内外企業向けの戦略的売却、あるいは機関投資家や個人投資家向けに数回に分けて実施する段階的売却のいずれかが行われる場合、大幅に増える可能性がある。

 多くの国営企業の株価評価は、政府保有企業の非効率な経営への懸念、政府保有株比率削減のための煩雑なプロセスへの市場の懸念を反映して、低くなっている。

 対照的に、国営石油会社の場合、戦略的民営化の可能性がメディアで大きく報じられると株価が上昇に転じた。これは投資家が戦略的民営化を評価している証しと言える。

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