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えっ、遺族年金は4分の3もらえるはずじゃ…70歳夫を亡くした66歳元共働き妻、驚愕。何度見ても信じがたい年金額に「お願い、なにかの間違いだと言って」 【CFPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月25日 10時45分

えっ、遺族年金は4分の3もらえるはずじゃ…70歳夫を亡くした66歳元共働き妻、驚愕。何度見ても信じがたい年金額に「お願い、なにかの間違いだと言って」 【CFPの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

長年連れ添った夫婦。もしどちらかが先にこの世を去ったら……。一人で暮らしていけるだろうか、お金は足りるだろうかと、不安になることでしょう。亡くなった配偶者が元会社員である場合、残された側は遺族厚生年金が受け取れますが、そこにはよくある誤解があって……。 本記事では、Aさんの事例とともに、遺族厚生年金の注意点についてCFPの伊藤貴徳氏が解説します。

夫の死後受け取れる「驚愕の遺族年金額」

66歳のAさんは、今年70歳を迎えた夫を病気で亡くしました。夫は大手企業に勤め、長年厚生年金に加入していました。Aさんは、夫が亡くなったあとも遺族年金を受け取ることで、ある程度の生活ができるだろうと信じていましたが、受け取る年金額に誤算があったのでした。

Aさんの夫は定年退職後は再就職せず、Aさんとともに年金生活を穏やかに過ごしていました。しかし、夫が突然の病で亡くなったことにより、今後は一人暮らしとなります。Aさんは悲しみに暮れていましたが,次第に生活費の心配をするように。

以前にみたテレビ番組の遺族年金特集で「夫の年金の4分の3が遺族年金として受け取れる」と理解していたAさん。夫のほうが年上なので、先立たれることを不安に思っていたAさんでしたが、「それならなんとかなる」と考えていたのです。

ところが、実際に届いた通知を見て思わず「えっ」と発しました。思っていた金額よりも大幅に少なかったのです。Aさんは、何度も通知を確認しました。なにかの間違いではないかと、すがる思いで年金事務所に問い合わせました。

遺族厚生年金の基本知識

遺族厚生年金とは、会社員などが加入する厚生年金保険において、加入者が死亡した際に残された遺族に支給される年金です。基本的に、夫が厚生年金に加入していた場合、その遺族である妻が受け取れる年金額は、夫が受け取っていた老齢厚生年金の4分の3とされています。この「4分の3」という数字が、一般的に多くの人に誤解されやすい点です。

Aさんの誤解も、この「4分の3」の数字に基づいていました。テレビでは、おそらく正確に説明していたかと思われますが、年金の仕組みについての理解が浅かったことから、夫が受け取っていた年金の4分の3がそのまま受け取れると思い込んでしまったのです。しかし、実際の遺族厚生年金の計算は複雑で、夫の年金額の4分の3がそのまま支給されるわけではありません。

〈65歳以上の配偶者が受け取る遺族厚生年金の額〉

・妻の老齢厚生年金の2分の1と夫の遺族厚生年金の3分の2の合計

・夫の遺族厚生年金(夫の老齢厚生年金の4分の3) 

いずれか多いほう

Aさん夫婦は共働きだったため、現在、Aさんも自身の老齢厚生年金を受給しています。その場合、遺族年金と自分の年金との調整が行われ、結果的に予想よりも少ない金額となってしまったのでした。

このように、遺族年金の額は一律ではなく、さまざまな条件によって左右されます。夫婦がともに年金を頼りにして老後の生活を計画している場合、どのような条件で遺族年金が支給されるのか、事前に確認しておくことが重要です。年金制度は複雑なためAさんのように「4分の3がもらえる」と思い込んでしまっても無理はありません。

もし自分が将来遺族年金を受け取る可能性がある場合は、年金事務所や専門家に相談し、正確な情報を得ることをおすすめします。

老後の生活費の目安

生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考える最低日常生活費は、月額で平均23万2,000円となっています。分布をみると「20~25万円未満」が、27.5%と最も多くなっています。また、「ゆとりのある老後生活費」は平均37万9,000円となっています。老後どのような生活スタイルを望むのかは人それぞれですが、望む生活を実現させるための資金準備には長い期間がかかることもあります。

あらかじめ皆さんの考える老後生活に向けた生活費の計算を行っておくことが大切です。

生活費が足りないと感じたら

多くの方が老後に向けて年金を頼りに生活設計を考えていますが、実際には「年金だけでは生活が厳しい」と感じるケースも少なくありません。特に年金額が予想よりも少なかったり、物価の上昇や医療費の増加に伴って支出が増えたりすると、年金だけでは十分に生活を支えることができない可能性があります。

1.退職後も働く「シニア雇用」や「パートタイム」の選択肢

老後もできる範囲で働くという選択肢があります。多くの企業がシニア向けの雇用制度を提供しており、定年後も継続して働ける「再雇用制度」や、パートタイムで働く機会が増えています。仕事を続けることで、年金の受給額だけに頼らず、生活費を補うことができます。また、働き続けることで社会とのつながりを持ち続け、心身の健康を保つ効果も期待できます。

2.年金以外の収入源を確保する

年金以外の収入源として資産運用も有効です。老後に備えて、これまでの貯金などを元手に資産運用を行うことで、将来的な生活資金を増やすことが期待できますが、資産運用は長期で行うことが求められます。そのため、老後に入ってから資産運用を始めた場合、思った成果が期待できなかったり、値上がりを追求するあまり自分のリスク許容度に見合わないハイリスク商品を選んでしまったりすることも考えられます。老後を迎えてから、初めて資産運用を行う際には注意が必要です。

3.老後の生活費を支えるための節約術

収入を増やすだけでなく、支出を抑えることも重要です。老後の生活費を見直し、無駄な出費を削減することで、年金やそのほかの収入でも生活を維持しやすくなります。

〈節約のポイント〉

・公共料金の見直し(電気・ガス・水道のプラン変更や節電)

・不要な保険の解約や見直し

・外食や娯楽費を控え、家での調理や趣味を楽しむ

・シニア向けの割引サービスや特典を活用する

老後の生活を安心して過ごすためには、まずは年金の仕組みを理解し、早い段階で計画を立てることが重要です。Aさんのように、夫の死亡後の年金が想像していた額よりも少なかったという状態になってしまうと、生活できなくなることにもつながりかねません。対策や選択肢を知っておくことで、生活の不安を減らすことができます。

長生きリスクに備える3つのポイント

Aさん夫婦のように共働きで2人分の厚生年金を受け取れていて、年金生活に余裕があっても、どちらかが先に亡くなると、遺された側が生活に困窮するというケースは少なくありません。夫婦2人同時に亡くなるというケースのほうがまれなため、2人の生活が1人になった場合の対策をしておくことは非常に重要です。

年金の仕組みを理解することが第一歩

基礎年金や厚生年金の違いを理解し、自分が将来どれくらいの年金を受け取るかを確認しましょう。定期的に「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で年金額をチェックすることも大切です。

足りない生活費を補う方法を考える

もし年金だけでは生活費が不足する場合、シニア雇用や資産運用、退職金の活用など、収入を補うための選択肢があります。

専門家に相談して計画を立てる

ファイナンシャルプランナーなどのお金の専門家に相談し、老後の資金計画を見直すことで、生活費に対する不安を軽減し、無理なく計画的に資産を運用できます。

生命保険文化センター:老後の生活費はいくらくらい必要と考える?

https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1141.html

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス

代表

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