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年金月15万円・82歳のおひとり様女性「終の棲家」として「老人ホーム」に入居も、「わずか6ヵ月」で退去勧告の大誤算

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月22日 10時15分

年金月15万円・82歳のおひとり様女性「終の棲家」として「老人ホーム」に入居も、「わずか6ヵ月」で退去勧告の大誤算

(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人にとって人生史上最大の夢であるマイホーム。「最期もこの場所で」と誰もが思うものですが、家を維持・管理していくのも大変と断念する人も。その場合、老人ホームがひとつの選択肢になりますが、入居先が決まったからといってひと安心とはいかないようです。

このまま自宅は難しい、子どもとの同居もイヤだ

岡田由美子さん(仮名・82歳)。5年前に50年連れ添った夫が他界し、以来、1人暮らし。子育てしていたころは手狭に感じていた家も、高齢者の1人暮らしには広すぎで、使わない部屋ばかりだといいます。体力的にも広い戸建てを維持していくのも大変と感じる日々だとか。

スクールバス空間設計株式会社が戸建てに住む60歳以上の男女に対して行った『「終活と暮らしの変化」に関する調査』によると、「高齢になってから現在の住まいに対し住みにくいと思ったことがあるか」の問いに対し、「ある」32.7%。そう思ったタイミングとして最も多かったのが「使わない部屋や場所が増えた」で44.0%。「へやの掃除や家事が大変に感じた」「冬場や夏場の室内温度の調整が難しい」「急な階段の昇り降りがツライ」と続きます。

*「よく思う」「たまに思う」の合計

また「この先も自宅に住み続ける予定ですか?」の質問に対しては、81.2%が「住み続ける予定」と回答するものの、「わからない」は15.3%、「引越しを考えている」が3.5%。約2割は自宅に住み続けることに嫌気が差していたり、すでに行動を起こそうとしたりしています。

――この家が終の棲家だったら

50年近く住んでいた自宅。当然愛着はあるし、最期はここでという思いもあります。しかし現実問題、いつかわからないそのときまで、我慢し暮らしていくのもそろそろ限界かなと感じているという岡田さん。

離れて暮らす子どもたちからは同居の話もありましたが、80歳を越えて知らない街で暮らすのもシンドイ……いろいろ考えた末、辿り着いたのが、自宅を売却して老人ホームに入居するという選択肢だったといいます。

老人ホームの入居費用で考えるべきは、入居一時金と月額費用。入居一時金は家賃の前払いのようなもので、その費用はゼロ円~数千万円、最高級の老人ホームになると億を超えることも珍しくはありません。

月額費用は、毎月かかる費用で、家賃のほか、管理費、水道光熱費、食費などを含むことが多く、外部に依頼する介護サービス費用や日用品、美容品などは含まれないケースが多いようです。

岡田さん、入居一時金は1,000万円、月額費用は毎月の年金15万円にプラス3万円くらいが上限と予算立て。その費用のなかで、将来、介護が必要になっても対応してくれるところ、プライバシーが確保できるところなどの条件にあった施設をピックアップし見学。そのなかの1軒、同じ市内にある有料老人ホームへの入居を決めたといいます。

終の棲家と思っていたが…強制退去のきっかけは「誤嚥性肺炎」

終の棲家として老人ホームへの入居。あとは何も心配はいらない……誰もがそう思うでしょう。しかし入居している老人ホームから退去勧告を受ける場合も珍しいことではありません。

岡田さん、入居後、4ヵ月経ったころに誤嚥性肺炎で入院。入院中に嚥下機能が落ちてしまい、定期的にたんの吸引が必要に。2ヵ月後に退院し老人ホームに戻ると、今度はホームからの退去を勧められたというのです。

――うちでは夜間のたんの吸引は対応できないんです

たん吸引は医療行為。看護師や研修を受けた一部の介護職員でなければ対応できません。岡田さんが入居した施設では、ここまでの医療体制は整っていなかったのです。

それであれば、対応してくれるホームに転居すればよいだけ。誰もがそう考えますが、80代の高齢者にとって、住まいを探すこと、そして実際に住まいを移ることは、想像以上に大変なことです。ただ岡田さん、そうはいっていられません。すでに自宅は売却し、戻る家もないので、猶予期間中に新しいホームを探さないといけなくなりました。

老人ホームから強制退去となるのは大きく

・長期間の入院となった場合

・介護度や医療依存度が上がった場合

・ほか入居者やスタッフへの迷惑行為があった場合

・費用の対応があった場合

の4つ。今回、岡田さんは施設で対応が難しい医療行為が必要になったため、やむなく退去勧告を受けることになりました。退去勧告を受けたからといって、すぐに出ていかないといけないかといえばそんなことはなく、たいてい90日程度の猶予期間があります。その間にケアマネージャーなど相談し、転居先を探します。

定期的にたん吸引が必要な岡田さんの場合、看護師24時間常駐が新しい施設を探す際のひとつの目安になります。

――終の棲家を見つけたと思ったんですが……

こんなことなら、最初から看護師24時間常駐を条件に探せばよかった……そう思っても仕方がありません。今度こそ最期までいられる施設を見つけると、岡田さん、躍起になっています。

[参考資料]

スクールバス空間設計株式会社『「終活と暮らしの変化」に関する調査』

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