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幸せってなんですか?〈最高月収60万円〉〈退職金2,500万円〉の60歳定年サラリーマン、再雇用を急遽キャンセル、さらに「年金の繰上げ受給」まで決めたワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月30日 5時15分

幸せってなんですか?〈最高月収60万円〉〈退職金2,500万円〉の60歳定年サラリーマン、再雇用を急遽キャンセル、さらに「年金の繰上げ受給」まで決めたワケ

写真はイメージです/PIXTA

会社からのしがらみから解き放たれる定年後の生活。仕事を辞めたら色々したいことがあると思い描いている人も多いでしょう。しかし、何をするにしても必要なのはお金。余裕のある老後を実現するためにも、定年後もしばらくは働くことを選択するケースが多いようです。ただその先にだけに夢見たセカンドライフがあるとは限らないようです。

老後最低限の生活に23万円、余裕のある老後に38万円

「老後、いくらあれば生活できるか」イメージはつきますか?

公益財団法人生命保険文化センター『生活保障に関する調査/2022(令和4)年度』によると夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均23.2万円。

【老後の最低日常生活費はいくら?】

15万円未満…4.9%

15万~20万円未満…9.2%

20万~25万円未満…27.5%

25万~30万円未満…14.4%

30万~40万円未満…18.8%

40万円以上…2.8%

ただ23.2万円は必要最低限の金額。仕事を完全に引退した老後は、旅行にも行きたいし、思う存分に趣味に興じたい。そんな老後、いくらあればかなうのでしょうか。同調査結果によると、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均14.8万円。先ほどの必要最低限の金額に上乗せすると、平均37.9万円。それだけのお金、何のために? というと、トップは「旅行やレジャー」で60.0%でした。

【老後のゆとりのための上乗せ額は何に使う?】

旅行やレジャー…60.0%

日常生活費の充実…48.6%

趣味や教養…48.3%

身内との付き合い…46.2%

耐久消費財の買い替え…31.7%

子どもや孫への資金援助…19.4%

隣人や友人との付き合い…12.5%

とりあえず貯蓄…3.9%

定年退職を控えた山岡大一さん(仮名・59歳)。新卒で入社した大手情報系企業で30年強。「振り返ると、何か劇的なことも起きずに、平々凡々なサラリーマン人生だった」といいます。最高月収は60万円、年収は1,000万円に届くか届かないか、くらいだったとか。退職金は2,800万円ほど。今のところ、65歳からは月18.5万円ほどの年金を受け取れる予定だとか。

さらに60歳以降も再雇用制度により、今の職場で働き続ける予定。給与は4割ほど減ってしまうといいますが、厚生年金に加入し続けることで、年金は1万円ほどアップしそう。さらに奥さんの年金は月12万円ほど。年金の手取りは月27万円ほどになるという皮算用。余裕のある老後のためには11万円ほど足りません。それを山岡さんの退職金だけでどうにかしようとすると、21年ほどは余裕のある暮らしができる予定。

山岡さん、完璧な老後プランです。

「余裕のある老後」を自ら放棄したわけ

ところが、山岡さんのまわりである事件がおきます。定年退職を控えた同期のひとりが、急逝くも膜下出血で亡くなったのです。普段から、よく飲みに行く間柄。最近は来るセカンドライフに対して胸を躍らせていました。

仕事を辞めて自由な時間ができたら、それまでできなかったことをしよう。海外旅行に行って、共通の趣味の釣りに毎週末行って。その頃には孫もできるだろうから……。亡くなった同期はなにひとつ叶えられないまま、この世を去ってしまいました。

――幸せってなんでしょうね……

このことをきっかけに、山本さんはある行動に出ます。そのひとつが、定年退職で完全引退。再雇用制度を使って働き続けることを辞めました。もうひとつが「年金の繰上げ受給」。老齢年金の受給開始は原則65歳。しかし希望すれば60~75歳の好きなタイミングで受給を始めることができます。60~64歳の早めに受給開始となるのが「年金の繰上げ受給」。1ヵ月は受給を早めるたびに、0.4%減額となり、最大24.0%の減額となります(昭和37年4月1日以前生まれは、ひと月当たりの減額率0.5%、最大30.0%の減額)。

山本さんの場合、60歳から年金を受け取ることで月18.5万円→月14万円となります。それでも山本さんは「年金の繰上げ受給」を選びました。

――いつまで生きられるかわからない。定年を迎えたら、早く次のステージに進んだほうがいい

――年金だって、早くもらったほうがいい。その分、定年後を充実させられる

同期で親友の死が、山本さんのセカンドライフを大きく変えました。

株式会社ベネッセコーポレーションが行った『ミドル・シニア層の学びに関するインサイト調査』によると、シニア層(60~69歳)は、『ただ漫然と余生を過ごすのではなく、「自分が主役の人生」を開花させたい願望が強い傾向にある』といいます。また60代は「個人裁量で社会とつながる」ことに対して魅力を感じる傾向が最も高く、社会とつながるための学びに魅力を感じているとか。

山本さんもかつて好きだったことを再び始めたのだとか。それは音楽。

――社会人になるまではバンド活動にはまってね。おかげで大学卒業は1年延びたくらい(笑)

定年後、昔の仲間が再び集まり、全員60代のバンドを結成。いずれライブも開催したいと練習に励んでいます。

[参考資料]

公益財団法人生命保険文化センター『生活保障に関する調査/2022(令和4)年度』

株式会社ベネッセコーポレーション『ミドル・シニア層の学びに関するインサイト調査』

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