会社員よりフリーランスがいい?仕事上の人間関係に満足も…
リクルートワークス研究所の推計によると、フリーランスを本業とする人は2023年で約320万人。前年比で実に4%増加しています。フリーランスが増えている背景には、働き方の多様化や副業の自由化、在宅でできるIT系の仕事のニーズが増加していることなどが挙げられます。
令和2年の内閣官房日本経済再生総合事務局の「フリーランス実態調査」によれば、フリーランスを選択した理由として、以下のような結果が出ています。
【フリーランスという働き方を選択した理由】
・自分の仕事のスタイルで働きたいため…57.8% ・働く時間や場所を自由にするため…39.8% ・収入を増やすため…31.7% ・より自分の能力や資格を生かすため…27.3% ・挑戦してみたいことややってみたいことがある…13.5% ・ワークライフバランスをよくするため…11.9%
「自分の仕事のスタイルで働きたいため」を選んだ人は半数以上。雇われる立場の会社員は、自分のスタイルよりも会社の方針に従うことが重視されます。そうした縛られた働き方をしなくていいのがフリーランスの魅力といえます。
また、コロナ禍以降リモートワークを導入する会社が増えたとはいえ、会社員は基本的にオフィスに出勤しなければなりません。例えば準備で1時間、通勤時間で往復2時間かかれば、毎日3時間が奪われることになります。
フリーランスになれば、その時間を自分や家族の時間として使うことができますから、選択の理由として「働く時間や場所を自由にするため」が上位に来ているのも納得でしょう。
また同調査によれば、フリーランスという働き方の満足度として、「仕事上の人間関係」「就業環境(働く時間や場所など)」「プライベートの両立」の順で満足している人が多いという結果が出ています。
【フリーランスという働き方の満足度(非常に満足・満足と回答した割合)】
・仕事上の人間関係…85.7% ・就業環境(働く時間や場所など)…82.9% ・プライベートの両立…81.8% ・達成感や充実感…77.3% ・社会的地位…63.1% ・多様性に富んだ人脈形成…60.1% ・収入…37.4%
会社の人間関係が苦痛で会社に行くのが辛い……こんな悩みもフリーランスには無縁です。「仕事上の人間関係」が1位というのも納得でしょう。
一方で注目したいのが「収入」の満足度の低さ。金銭的な部分では「年金」についても注意が必要です。
年金の手取り額はまさかの…「収入が下がって老後も不安」
フリーランスのWebデザイナーで年収500万円を稼ぐ44歳男性は、最近の不安をこう口にします。
「大学を卒業して就職した会社を半年で辞めました。上司と合わなくて、通勤もしんどいし、会社員はムリだと思って。それでデザインの勉強をしてフリーランスになったんです。最初は苦労したけど、だんだん仕事が増えて、一時は年収1,000万円までいったんですが、どんどん稼げなくなってきて……」
Webデザインをやる人が増えて仕事は奪い合い状態。単価も下がり、ここ数年の収入は右肩下がりに減っているといいます。