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【ルノー メガーヌ試乗】4輪操舵で新次元の走り!かつてないクルマの楽しさを味わえる

&GP / 2017年12月8日 21時0分

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【ルノー メガーヌ試乗】4輪操舵で新次元の走り!かつてないクルマの楽しさを味わえる

クルマ好きにとって“ラテン系”という言葉から想像されるのは、フランス車かイタリア車だと思います。

かつて、それはドライビングの楽しさや端正なデザインといった、とびきりの個性といい換えることもできました。しかし、クルマのグローバル化が進むにつれ、特に乗り味については、特殊なスポーツカーを除き“ラテン系”の味つけが薄味になってきたのも事実…。

そんな昨今、日本におけるラテン車ファンの受け皿として注目を集めているのが、個性派モデルの導入に積極的なルノー。そんな同社の基幹モデルである「メガーヌ」が、フルモデルチェンジによって4世代目へと進化。去る2017年11月9日に、日本でも正式発売となりました。凜々しく二枚目なルックスはファンの期待に十分応えるものですが、驚かされたのはその走り!

新たに“4コントロール”と名づけられた4輪操舵メカニズムを搭載したメガーヌの上級グレード「GT」は、テストドライブから時間を経てもなお、思い出しては“ニヤリ”としてしまうほど、ファンでホットで個性的な1台だったのです。

■4輪操舵の4コントロールは乗り心地にも効く!

日本導入を果たした新型メガーヌは、3グレードを設定。最高出力205馬力の1.6リッター直4ターボを搭載する「メガーヌGT」と、そのステーションワゴン版である「メガーヌ スポーツツアラーGT」、そして、132馬力の1.2リッター直4ターボを搭載する「メガーヌ GTライン」という布陣です。

今回のモデルチェンジにおけるGTグレードの注目は、ドライビングプレジャーと快適性、そして、コストパフォーマンスの3点。

ドライビングの楽しさについては、4輪操舵システムの4コントロールが目玉であるのは間違いありませんが、スロットルが開くマッピングやステアリングの手応えといった走行モードや、車内環境を変更できる“ルノーマルチセンス”の採用など、各種電子デバイスも積極的に導入しています。

ルノーマルチセンスは「コンフォート」、「ニュートラル」、「スポーツ」のほか、ドライバーの好みに応じて設定できる「パーソナル」の4モードを用意。スポーツモードでは、ローンチコントロールの使用や、一度に複数段のシフトダウンなどが可能で、メガーヌが秘めた性能を存分に引き出した走りを楽しめます。加えて、車内照明のカラーや7インチのカラーTFTメーターの表示も変更できるなど、遊び心もしっかりと盛り込まれています。

快適性については“アルカンタラ”を用いたシート表皮など、質感の向上を図っているほか、インテリアデザインや設えについても上質さを追求。また、センターコンソールに備わる“R-Link2”と呼ばれる7インチのタッチスクリーンでは、オーディオやエアコンといった各種機能の操作に加え、ミラーリング機能も備えており、スマートフォンの接続・操作が可能になっています。また、走行中の快適性については、先述した4コントロールが大きな役割を担っているのだとか。

そして、優れたコストパフォーマンスも、新型メガーヌでは忘れてならないポイントです。今回ドライブしたハッチバックのGTは、334万円(ツアラーは354万円)と同クラスの中でもかなり戦略的な価格設定。もちろん最新モデルらしく、ミリ波レーダーを使った“エマージェンシーブレーキサポート”や、縦列駐車や車庫入れをサポートする“イージーパーキングアシスト”といった運転支援システムも標準装備となっています。

サスペンションやシャーシなど、メガーヌGTの走りを司る各要素には、ルノーのモータースポーツ部門=ルノー・スポールの手が入っているのですが、正直にいうと、先代モデルにはより辛口な「ルノー・スポール」仕様が設定されていたこともあり、新型GTはドライビングの楽しさよりも、その名のとおり、グランドツアラー的な存在なのでは?…という先入観がありました。でも結論からいうと、それは全くの勘違いで、その巧みな足さばきは、まさに異次元のものだったのです。

ちなみに、4輪操舵である4コントールにより、リアタイヤには60km/h以下(スポーツモードでは80km/h)では逆位相に2.7°(マイナス2.7°)、60km/h以上(スポーツモード80km/h)では同位相に1°(プラス1°)と、想像以上に大きな切れ角が与えられます。その分、足回りをハードに固めなくてもコーナリング性能の向上を図れるため、新型メガーヌでは乗り心地が向上。加えて、非装着となるGTラインに比べ、40cm小さい5.2mの最小回転半径を実現しています。

なので4コントロールは、街中やクルージングを意識した、実用指向の味つけだとばかり思っていました。そして、サイドサポートが張り出したシートも、遊び心のある演出のひとつと思っていたのです。

しかし走り出して数分後、4コントロール採用の本来の意図を、身を持って体験することになりました。

今回の試乗コースは、ワインディングロードを中心とした一般道がメイン。すなわち、逆位相モードが主となりますが、低速のタイトターンから程良い中速カーブまで、クルマの反応は想像をはるかに超えたレベルにありました。リアタイやがステアしているため、果たして「ノーズの入りがいい」という表現が正しいのかどうか迷いますが、まるで道路に見えないレールが敷かれているかのように、新型メガーヌはグイグイと向きを変えていきます。

筆者のように、並みの腕前のドライバーが高性能なFF車でコーナリングを楽しむというのは、高いハードルを感じることもありますが、メガーヌGTではそれを存分、楽しむことができました。また、連続したタイトコーナーなど、素早い転舵や荷重移動が必要となるシチュエーションでも、4コントロールの効果は絶大。スキーのモーグルさながらに、コーナーをクリアしていくのは、まさに快感としかいい表しようがないほど。確かに、ドライバーの腰辺りに回転軸を感じる動き、三半規管に響くほど強烈すぎる旋回感覚には、走り始めた当初、若干の違和感を覚えたのも事実ですが、人間とは勝手なもので、数分後にはその特異な操縦感覚の虜となってしまいました。

一方、高速道路では、ワインティングロードでのイメージとは一転。ドライブ前は、同位相になると分かっていても、直進での安定性やレーンチェンジで違和感を覚えるのでは? と思っていましたが、心配は杞憂でした。確かに、フォルクスワーゲン「ゴルフ」といった同クラスのドイツ製ハッチバックのように、どっしりと腰の据わったタイプではありませんが、しっかりしているのに軽快な乗り味で、リラックスしてクルージングを楽しむことができました。

もちろん、ストイックにクルマとの対話を楽しみたいという人には、メガーヌGTは一見すると演出過剰、味つけ濃い目と受け取られるかもしれません。とはいえ、コーナーをひとつ抜けるだけで、思わずニヤリとしてしまうようなクルマは、今となっては貴重な存在。個人的には「要らぬ先入観で、危うく、めちゃくちゃ楽しい1台を見逃すところだった!」というのが、メガーヌGTに対する素直な感想です。

ラテン車ファンはもちろんのこと、そうでない方こそ、ぜひ一度お試しあれ。かつてないクルマの楽しさに出合えるかもしれません。

<SPECIFICATIONS>
☆GT
ボディサイズ:L4395×W1815×H1435mm
車両重量:1430kg
駆動方式:FF
エンジン:1618cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:205馬力/6000回転
最大トルク:28.6kg-m/2400回転
価格:334万円

(文&写真/村田尚之)

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