【検証2017-2018年の注目車②】今や“逆張り”のBMW「5シリーズ」が高評価を得た理由
&GP / 2017年12月30日 18時0分
【検証2017-2018年の注目車②】今や“逆張り”のBMW「5シリーズ」が高評価を得た理由
世の流行とは不思議なものです。例えば、愛車の購入を考えている人に、経済的な合理性とは裏腹に、むしろ「せっかく買うのだから…」と、トレンドから外れない選択をさせたりしちゃいます。実用車を買うならハイブリッド、趣味に使うならSUV、というのが、昨今の潮流でしょうか。
その伝で「2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を振り返ってみると、まぁ、SUVや、準SUVというべきクロスオーバーモデルの多いこと! 特に趣味性の高い輸入車のカテゴリーでは、ノミネートされた19車種中、なんと14車種がSUV/クロスオーバーです。
そんな中から、栄えある2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは、ボルボの「XC60」。まさに、トレンド“ドンズバ!”といった感じ。一方、面白いのは、2位に輝いたのがBMWの「5シリーズセダン/ツーリング」だということ。今やすっかり“冷や飯”カテゴリー(!?)たるセダン/ワゴンボディのクルマですが、実際、乗ってみると、その高い評価のとおり、ものすごくイイんです!
■プレミアムブランドらしい素晴らしいドライブフィール
今回、改めて試乗したのは、2リッターの直4ディーゼルターボ(190馬力/40.8kg-m)を搭載する「523d ツーリング ラグジュアリー」。ノーズの長い隆(りゅう)としたスタイル。余裕しゃくしゃくなエンジン。フィールのいいステアリング。そして、路面に吸い付くようなスムーズな走り。「BMWは、やっぱりセダン/ワゴンだよねぇ」と、あまりにひねりのない感想で恐縮ですが、そう再確認した次第です。
7世代目にあたる現行5シリーズは、2016年にセダン、翌2017年にツーリング(ワゴン)がワールドデビューを果たし、いずれも半年を待たずに日本へ輸入されています。ボディを軽量化するため、アルミニウムを始めとした軽合金、カーボンファイバー(CFRP)、高張力鋼板などを多用。加えて、アクセル、ブレーキ、さらにステアリング操作まで自動で行う運転支援システムを充実させたことが、7世代目のジマンです。
523d ツーリングのボディサイズは、全長4950mm、全幅1870mm、全高1500mm。先代の523d ツーリングと比較すると、ホイールベースは5mm長くなり、35mm長く、10mm幅広く、10mm高くなっています。で、気になる車重は、なんと60kg軽い1800kg!(試乗車は“電動パノラマ・ガラスサンルーフ”をオプション装備しているため1840kg)。
この手のプレミアムモデルは、豪華な内装が与えられ、多種多様なぜいたく装備を積み、さらに厳しくなる一方の安全基準をパスするためのデバイスなどが加わるため、素のホワイトボディをいくら頑張って軽量化しても、カタログ上の車両重量はなかなか抑えられないもの。現行5シリーズ ツーリングのように、軽量化の努力がカタログ値に反映されるのは、希有なことなのです。
日本で販売される5シリーズ ツーリングでは、大きく分けて4種類のパワープラントがラインナップされます。ディーゼルモデルは、523d ツーリングが749万円〜。ガソリンエンジンは、チューンが異なる2リッター直4ターボが用意され、184馬力バージョンが「523i ツーリング」(650万円〜)に、252馬力版が「530i ツーリング」(815万円〜)に積まれます。さらに、3リッター直6ユニット(340馬力)を搭載した「540i xドライブ ツーリング」(1055万円〜)がトップに置かれます。
523iと523dのツーリングには、仕様によってベーシックな「スタンダード」、よりぜいたくな「ラグジュアリー」、スポーツに振った「Mスポーツ」が設定されます。530iと540iツーリングにはスタンダードがなく、ラグジュアリーとMスポーツの2種類となります。
試乗車の523d ツーリング ラグジュアリーを例に取って、スタンダードとの違いを挙げてみましょう。外観では、キドニーグリルを始め、ボディ各部にクロームが配され、ヘッドランプがLED化されます。245/45R18のタイヤ&ホイールサイズはスタンダードと同じながら、より凝ったデザインのアロイホイールが与えられます。
インテリアでは、シートがクロスからダコタレザー仕様に。専用のステアリングホイール、ウッドトリム(ポプラグレーファイン・ウッドトリム)などもおごられ、価格はスタンダードより67万円高い816万円となります。ちなみに、各種空力パーツを与えられ、スポーツサスペンションと19インチホイールで足下をキメるMスポーツは、817万円となります。
プレミアムブランドらしい、素晴らしいドライブフィールを誇る5シリーズ ツーリングはワゴンとしても優秀で、グレードを問わず、リアサスペンションにはエアスプリングが使われます。そのため、空荷でもむやみに硬い乗り心地にはなりません。今回は試せませんでしたが、フル乗車時に荷室を満載という状態では、エアが自重で圧縮されて相応に硬くなり、凹凸の厳しい路面でも、ぶざまにボトミングするようなことはないはず。
ラゲッジスペースの容量は570Lで、メルセデス・ベンツ「Eクラス ステーションワゴン」の640Lには及びませんが、整理された空間で使いやすそうです。リアシートは、4:2:4の分割可倒式。ラゲッジスペース側のレバーを引くことで背もたれを倒せるのは、ちょっと大きな荷物を積む時にありがたい仕組み。
また、ハッチゲートのリアガラスを単体で開け閉めできるのも、地味に便利な工夫です。
「X5」を始め、近年はプレミアムブランドにSUV旋風を巻き起こしているBMWですが、セダン/ワゴンでも全く手抜きはありません。トレンドセッターでありながら、伝統的な価値観も大事にする…。そんな姿勢に納得して、5シリーズ ツーリングのステアリングホイールを握ると、カッコいいのではないでしょうか。
<SPECIFICATIONS>
☆523d ツーリング ラグジュアリー
ボディサイズ:L4950×W1870×H1500mm
車重:1840kg(電動パノラマ・ガラスサンルーフ装備車)
駆動方式:FR
エンジン:1995cc 直列4気筒 ディーゼル ターボ
トランスミッション:8AT
最高出力:190馬力/4000回転
最大トルク:40.8kg-m/1750〜2500回転
価格:816万円
(文&写真/ダン・アオキ)
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