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ダイソン、バルミューダの実力は? 2017年家電のトレンド総決算<後編>

&GP / 2018年1月19日 11時0分

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ダイソン、バルミューダの実力は? 2017年家電のトレンド総決算<後編>

<家電女優・奈津子×安蔵靖志の最新家電レポ【2017年12月後編】>

元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。

今回は2017年総決算ということで、2017年に発表・発売された家電の中からベスト製品をピックアップして紹介します。

■ロボット掃除機のスマート化がさらに進む

安蔵:ここ数年、多くの人から「スティック掃除機は何を買えばいいの?」と質問されるようになりましたが、それに加えて多くなってきたのが「ロボット掃除機のオススメ」を聞かれることです。ロボット掃除機は2015年秋に発売されたアイロボット「ルンバ980」やダイソン「Dyson 360 Eye」などがWi-Fiを内蔵し、スマホアプリで掃除スケジュール設定や遠隔操作が可能になりました。2017年はルンバシリーズの新ラインアップがすべてWi-Fi内蔵になるなど、かなりスマート化が進んできましたね。

▲アイロボットの「ルンバ」シリーズは2017年8月に発表したモデルで最新全機種がWi-Fiを内蔵した

奈津子:パナソニックの「ルーロ」も最新モデルで初めてWi-Fi対応になりましたけど、ルンバとダイソンとはナビゲーションが違うんですよね。

▲パナソニックが2017年10月に発売した「ルーロ MC-RS800」(実勢価格13万8000円)

安蔵:そうなんです。カメラを使って天井や壁などを把握し、部屋の地図を作成しながら自機の位置を推定するところまでは一緒なんですけど、ルーロは部屋のマップを保存しておき、ゴミの多い箇所をマップに表示する「ゴミマップ」という機能がユニークです。

奈津子:あと、ルンバの場合は掃除してほしくない場所に「バーチャルウォール」という機器を置く必要がありますけど、ルンバの場合はスマホアプリで清掃してほしい場所、してほしくな場所のどちらかを選べるというのが画期的ですよね。スワイプでエリア選択ができる便利さは何にも代えがたいと思います。

安蔵:ルーロは赤外線センサーと超音波センサーに加えて、レーザーセンサーまで搭載したことで、障害物を検知する“解像度”が一気に上がった点にも注目です。

奈津子:2cm幅の障害物も検知できるということなので、テーブルやイスの脚を見つけて周りを掃除できるんですよね。「お坊さんの床掃除」のように細かくきれいに掃除してくれるのは、清潔好きなユーザーにはかなり快適だと思います。

▲新ルーロはレーザーセンサーを搭載したことで、約2cm幅の障害物まで検知できるようになった

 

■コードレスキャニスター掃除機にも注目

安蔵:昨年は「コードレスキャニスター掃除機の復活」というのも1つのトピックスでしたね。

奈津子:復活というと、以前にもあったのですか?

安蔵:実はコードレススティック掃除機よりも前に出ているんですが、売れなかったのか、しばらくなりを潜めていました。

奈津子:東芝とシャープがたて続けに発売しましたけど、ちょっとタイプが違う感じですよね。

安蔵:東芝の「VC-NXシリーズ」は本体がどっしりとしていますが、シャープの「Ractive Air EC-AS/APシリーズ」は本体が軽量コンパクトに仕上がっていますね。

▲東芝が2017年9月に発売したコードレスキャニスター掃除機「VC-NX1」(実勢価格7万8100円)

奈津子:私は東芝の「VC-NX1」を使っていますが、グリップの握り心地の良さと、毎分約12万回回転するモーターの威力がすごいですね。あとは、取り回しがしやすいのが魅力です。モーター部分が上下どちらになっても大丈夫なリバーシブル設計になっているので、階段や入り組んだ場所をを行ったり来たりして本体が裏返っても大丈夫なんです。なにかの感覚に似ていると思ったら、小型犬の散歩をしているときの感覚でした(笑)。

安蔵:シャープのRactive Airの本体の軽さも魅力ではありますが、普通のキャニスター掃除機と同じ感覚で使えて、充電も充電台に置くだけという手軽さは東芝の方が上ですね。

奈津子:ダイソンも2015年の「Dyson V6」、2016年の「Dyson V8」に次いで、その中間的な存在の「Dyson V7」を発売しましたよね。

▲ダイソンが2017年5月に発売した「Dyson V7」(実勢価格5万6000円)

安蔵:ダイソンらしいイノベーションが感じられないという意味ではちょっと残念でしたが、V8じゃ高い、V6じゃ物足りないしゴミが捨てにくい……という不満を解消するという意味では、消費者にとってうれしいラインアップ拡充だと思います。

奈津子:確かに私たちは「先進性」をついつい考えちゃいますけど、買う人にとっては魅力ですよね。

安蔵:コードレスキャニスター掃除機の復活も、紙パック式コードレス掃除機の登場なども、かなり裾野が広がった証拠です。コードレス掃除機の需要はロボット掃除機と同様に右肩上がりなので、まだまだ魅力的な製品がどんどん登場すると思いますよ。

■液体洗剤・柔軟剤を自動投入するパナソニック洗濯機に注目

安蔵:洗濯機は東芝がナノサイズの泡によって衣類に洗浄成分を浸透させる「ウルトラファインバブル洗浄」を搭載したというのもトピックスでしたが、何といっても私が注目したいのはパナソニックのドラム式洗濯乾燥機「NA-VX9800」です。

▲パナソニックが2017年10月に発売したドラム式洗濯乾燥機「NA-VX9800」(実勢価格32万7400円)

奈津子:液体洗剤と柔軟剤を自動投入してくれる点が大きなポイントですよね。手動で投入するのに1回3分かかっていたとして、年250回と計算すると、年間で12.5時間にもなりますから、それを短縮できるわけです。

安蔵:確かに(笑)。まあもうちょっと短いかもしれませんが、手間が省けるのは確かです。

奈津子:NA-VX9800なら一度に袋のなかの容量をまるまる投入できるので、数カ月に1回洗剤と柔軟剤を入れるだけでいい。時短になるだけでなく液漏れのモヤモヤもなく、家事のストレスがすごく減少すると思います。

安蔵:スマホで遠隔操作できる機能も搭載されましたが、これも自動投入機能あってこそですよね。

奈津子:外出先からでも、帰宅時に乾燥まで仕上がるように操作できるので、帰ってすぐにホカホカの衣類をたためて便利です。共働き世帯の必須アイテムではないでしょうか。

 

■衣類スチーマーのブームは家事の“時短”を実現!

安蔵:昨年はLGエレクトロニクスのホームクリーニング機「LG Styler」も登場しましたね。20万円以上する高級製品ですし、クローゼットサイズなので大きいのですが、スチームで衣類をしっかり除菌消臭し、アレル物質も除去してくれるというのはかなり魅力的に感じました。

▲LGエレクトロニクスが2017年3月に発売した「LG Styler」(実勢価格19万8000円)

奈津子:LG Stylerほどラクラクではないですが、最近は「衣類スチーマー」も増えていますよね。私は以前からパナソニックの衣類スチーマーを推していてしばらく使用していたのですが、年末年始は忙しくて洗濯物をかなりためてしまいました。それに伴ってアイロンをかけたい衣類も一度にドサッと出てしまうようになったので、「長時間使用できる」点に引かれてティファールの「トゥイニー」も導入しました。

▲奈津子さんが普段自宅で愛用しているという、ティファールが2017年10月に発売した「トゥイニー」(実勢価格1万8900円)

安蔵:タンクとスチーマー部がセパレートになっているやつですね。

奈津子:そうです。水タンクとスチームのでるハンドルが分離しているので、スチームは大量に出るんですけどハンドルが軽くて使いやすいのが特長です。最大16分も使えるので、シャツもブラウスもパンツも、1人分だと永遠にかけられるような感覚になるほどのハイパワーです。先端がとがっているため、シャツのボタンやエリ、ソデなども自由自在に操れるところがとてもいいです。毎日スーツで仕事に行く方や大家族にもピッタリだと思います。パナソニックは立ち上がりが早くて持ち運びしやすいので、用途に応じて使い分けています。どちらも脱臭と除菌までできる点が便利です!

▲スチーマーとしてだけでなく、アイロンとしても使えるのが魅力

安蔵:ハンガーに掛けたままシワを伸ばせる手軽さは、一度覚えるとやめられないですよね。衣類スチーマーも今後さらに伸びていくことと思います。

■調理家電は続々と注目製品が登場!

安蔵:毎年魅力的な商品がキラ星のごとく登場する調理家電ですが、2017年も相変わらずウキウキするような製品が目白押しでしたね。

奈津子:バルミューダは炊飯器の「ザ・ゴハン」も発売しましたけど、私は「ザ・レンジ」がとても魅力的に感じました。機能面で目を見張るものはないんですけど、シンプルで分かりやすい設計が逆に新鮮で、「そう来たか!」という感じでした。

▲バルミューダが2017年12月に発売した「バルミューダ ザ・レンジ」(実勢価格4万7000円~)

安蔵:デザインがよくて操作しやすく、機能も電子レンジにオーブン機能が加われば十分。割り切ってますよね。

奈津子:レストランの外観をイメージしたというLED照明のデザインと、アコースティックギターで作られた操作音、温め完了後にディスプレイに表示される「ENJOY」という表示など、日々の生活が楽しくなりそうな演出が好きです。

安蔵:日本の大手メーカーは多機能、高機能ばかりに目を向けがちで、近年どんどんおしゃれになるキッチンにどう映えるかという発想がちょっとなおざりな気がします。そういう演出の面では、もっとバルミューダを見習ってほしいですね。

奈津子:自宅に置いたことで「慌ただしかった朝の時間が少しだけ楽しいものになった」という寺尾社長のエピソードにもうなずける、遊び心あふれる一品です。昨年はなんとオリジナルの「カレー」まで発売したバルミューダには、今年も目が離せません。

 

■2017年調理家電のベストは「ロティサリーグリル&スモーク」?

安蔵:個人的にはかたまり肉を回転しながら焼いたり、くん製機として使えるパナソニックの「ロティサリーグリル&スモーク」がとても魅力的でした。

▲パナソニックが2017年11月に発売した「ロティサリーグリル&スモーク」(実勢価格4万7400円)

奈津子:ちょうどいいかたまり肉をスーパーで探しづらいという意見をちらほら聞きましたけど、実際に購入したというホムパ好きの私の友人たちからはすこぶる評判がいいです。

安蔵:「肉のハナマサ」とか「コストコ」のような業務系スーパーに行けばかたまり肉も普通に手に入りますし、まあ大きめのスーパーならだいたい買えますよ。

奈津子:通常のオーブントースターとしても使えるので、ローストビーフやチャーシューだけでなく、毎朝のトーストにも使えて便利です。くん製機能が付いているところもポイント高いですよね。ホムパ好き&飲んべぇにはマストアイテムなのではないですか?

安蔵:まさにそうなんですよ。まだちょっと高いですし、これを買ったら“宅飲み”が進むこと間違いないです(笑)。

 

■“ほっとく家電”「ヘルシオ ホットクック」も第3世代に

安蔵:調理家電では、最近「自動調理鍋」が注目されていますよね。シャープの「ヘルシオ ホットクック」も第3世代になって、さらに進化しました。

▲シャープが2017年10月に発売した「ヘルシオ ホットクック KN-HW24C」(実勢価格7万3700円)

奈津子:IoT対応で、メニューの選択時に番号入力をしなくてよくなった点が本当に便利です。「まぜ技ユニット」がついていて、カレーなども自動的にかき混ぜてくれるので、時短調理家電の革命的な存在と言えるんじゃないでしょうか。

安蔵:高齢者の方にはもうちょっとディスプレイが大きい方がいい気もしますが、画面だけ見て操作できるのは便利ですよね。

奈津子:新モデルを実際に3カ月ほど愛用しているのですが、専用のスマホアプリと連携できる点がかなり便利です。アプリ内では使いたい食材を複数選択して最適なメニューを検索できる上に、使いたくない食材の指定ができたり、調理時間の指定で検索をできたりもします。

▲奈津子さんが愛用しているというヘルシオ ホットクックで作った「無水カレー」

安蔵:私はまだそこまで試せていないのですが、それは便利そうですね。予約調理もできるので、共働き家庭にも便利だと思います。

奈津子:大量調理が手軽にできるので、「忙しいけど家で食事したい」という独身の方にもピッタリです。冷凍してそのまま弁当の材料にも使えますから。「占い」機能を使えば、ちょっとした質問にいくつか答えるだけで最適なメニュー提案もしてくれます。

安蔵:「占い」と言っていますが、要するにアンケートですよね(笑)。

奈津子:まあそうなんですけど(笑)。シーフードカレー、ポトフ、パスタ、うどん、ロールキャベツなど一通り作りましたけど、どれも本当においしかったです。

▲ヘルシオ ホットクックで作ったロールキャベツもおいしく仕上がったとのことだ

安蔵:ハイアールの「アイスデリ」シリーズもかなり魅力的な製品でしたね。

奈津子:そうなんです! これまでのアイスクリームメーカーは事前冷却式だったのですが、これはペルチェ式冷凍方式のため事前に本体を冷やす必要がなく、食感を6段階で選べる点も◎。実際に製品を借りて何度もアイスクリームやシャーベットを作りましたが、気分に合わせてレシピを選べる点や、ゲストの好みに毎回応えられる点が超優秀です。

▲左からハイアールが2017年5月に発売したアイスクリームメーカー「アイスデリ プラス」(実勢価格1万300円)と「アイスデリ」(同7200円)

安蔵:冷製調理に使えるというのも魅力ですよね。

奈津子:そうなんですよ。サラダ用のドレッシングや冷製パスタなどが手軽にできるため、調理の幅がかなり広がりそうな気がします。

▲「このアイスクリームのおいしさは、一度試してみてほしいです!」

安蔵:ここで紹介しきれないほど調理家電には魅力的な商品が登場しましたね。

奈津子:そうですね。私のような独身者だけでなく、共働き世帯でも「時短調理」というのは重要ですから、今後も「自動調理家電」なども含めて魅力的な商品がたくさん出てくることを期待したいです。

 


【家電女優・奈津子×安蔵靖志の「最新家電レポ」】


(取材・文/安蔵靖志 奈津子)

 

profile-654x720 あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。

 

natsuko_profile

なつこ/女優・タレント

ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」

 

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