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【V90 CCオーシャンレースエディション試乗】ルックスも売り方も特別なボルボは、限定15台!

&GP / 2018年4月29日 12時0分

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【V90 CCオーシャンレースエディション試乗】ルックスも売り方も特別なボルボは、限定15台!

年に何台ものクルマを撮影していると、時々、ハッとさせられるような内外装コーディネートの車両に出合うことがある。例えば最近では、白いボディに真っ赤なインテリアを組み合わせたプレミアムSUVが、最高にクールだと思った。

そんな中、実車と対面してすぐに「この雰囲気は大アリ!」と笑みがこぼれてしまったのが、ボルボ「V90 CC(クロスカントリー)」の特別仕様車「V90 CC オーシャンレースエディション」である。

■前席は色や生地だけでなく形もスペシャル

安全性を売り物にしたスウェーデンのクルマメーカーといえばボルボだが、実はボルボというブランドは、陸上だけでなく、海の上でも有名だということをご存じだろうか? ボルボ・ペンタというブランドで展開しているエンジンは、プレジャーボート(クルーザー)用としてはメジャー存在で、ヤマハ製のボートにも採用されているほど。現在は、乗用車部門とは別組織になり、トラックを手掛けるボルボトラックスと同じグループ傘下のブランドだが、環境負荷の軽減に配慮したコンセプトは、ボルボのクルマにも共通するものだ。

そしてもうひとつ“海の上のボルボ”として知られているのが、ボルボ・オーシャンレース。これは、世界の海を舞台に、トップクラスのセーラーがヨットを操って世界を1周するヨットレースだ。3年ごとに開催される同レースは“世界一過酷なヨットレース”ともいわれる激戦。半年以上を費やし、海を舞台に世界最速の座を争うこの戦いに、ボルボ(こちらは乗用車メーカー)は冠スポンサーとして協力している。しかし、単なるスポンサーというだけでなく、ボルボ自体が主催者という立場でレースを統括しているというのだから驚かされる。中途半端な覚悟ではなく、運営まで全面的にバックアップしているのだ。

実は今、そのボルボ・オーシャンレースは2017-18年大会の真っ只中。そこで登場した限定車が、今回紹介するV90 CC オーシャンレースエディションだ。

V90 CCは、ボルボのラインナップで最も大きなステーションワゴン「V90」の車高を上げたクロスオーバーSUV。広いラゲッジスペースを備えつつ、210mmという並みのSUVなど完全に凌駕する最低地上高のおかげで、荒れた路面も苦もなく走破。キャンプやグランピングなどのアウトドアレジャーにベストマッチの1台だ。V90 CC オーシャンレースエディションは、V90 CCの上級グレード「V90 CC T6 AWD サマム」をベースに、特別な装備を盛り込んだ限定車である。

その内容は、意外といっては失礼だが、とても濃い。クリスタルホワイトパールのボディに、専用のフロントグリルや、ボディ下部を覆うカオリングレーのボディパーツを装着。20インチのホイールも専用デザインだ。その上で、オレンジのアクセントを随所に散りばめているのが特徴といえるだろう。そう、色が大きなポイントなのだ。

インテリアにも、特別なコーディネートを施している。まずは、オレンジのシートベルトが“クルー”を迎え、シートにもオレンジのステッチを添えている。ちなみにこのシートは、オレンジのステッチや、ナッパレザー/オープングリッドのテキスタイルコンビネーションはもちろん、その形状までベース車とは異なるというのだから、特別感はかなりのもの。そこに、オレンジのシートベルトを組み合わせた明るいインテリアは新鮮で、ある意味、ボルボらしくないかもしれないが、その“意外性”こそが素敵すぎる。

また、カーボンファイバー製の専用パネルや“VOLVO OCEAN RACE”と刻まれたアルミニウム製のスカッフプレート、オレンジを添えた専用フロアマットなど、ひと際上級なアイテムが追加されている。もちろん、電動ガラスサンルーフや“Bowers & Wilkins(バウアーズ&ウィルキンス)のプレミアムサウンドなど、機能部品も充実。特別装備の項目は膨大で、数え上げればキリがないほどだ。

素敵なのは、エクステリアやキャビンだけにとどまらない。ボルボのステーションワゴンといえば、オーナーはラゲッジスペースを使う機会も多いはず。そうなると、ラゲッジスペースにもほかとは違うプレミアム感を求めたくなるのは自然なことだが、V90 CC オーシャンレースエディションではなんと、ウッドのフロアボードと金属のレールを組み合わせた、スペシャルな空間に仕立てているのだ。それは、なんともいえない優雅さで、用もなくラゲッジスペースにアクセスしたくなるほど。まるで、豪華ヨットのようにラグジュアリーなこの仕立てのためだけに、あえて普通のV90 CCではなく、この限定車を選びたいと思ったことを正直に告白しておこう。

そのほか、専用のUSBポートやトーチライトを、ラゲッジスペースの側壁に組み込んでいるのも、親切な装備。ちなみに、今回の試乗車に装着されていたルーフボックスはディーラーオプションだが、こちらもV90 CC オーシャンレースエディションだけに設定された、特別なアイテムある。

まさに、興味深い仕立てのV90 CC オーシャンレースエディションだが、実はトピックは、車両本体だけではない。実はボルボは、ボルボ・オーシャンレースで使われるヨットにセンサーを装着してデータを収集し、海洋を漂うプラスチックゴミによる汚染の調査に協力している。その活動への支援の一貫として、V90 CC オーシャンレースエディションを1台売るごとに、ボルボは環境団体へ100ユーロを寄付しているのだ。V90 CC オーシャンレースエディションは、インテリアの一部に、海底から回収された魚網などのリサイクル素材を使っているが、それもこのプログラムを伝えるメッセージのひとつなのだろう。

そしてもうひとつのトピックが、販売方法。V90 CC オーシャンレースエディションを手に入れられるオーナーは、世界でわずか3000名、日本では15名のみとなる。日本の販売拠点は、東京・青山にある「ボルボスタジオ青山」に限定。ボルボスタジオ青山は、洗練されたインテリアが目を引くモダンな空間で、ボルボの世界観を堪能できる場所だが、販売店舗をそこに限定し、クルマを売るというのは、ボルボにとっても新たなチャレンジといえるだろう。

近年、ボルボは著しくプレミアム化を進めた結果、特にV90などのラージモデルは、落ち着いた大人に似合うクルマというイメージを構築しつつある。そんな中で登場したV90 CC オーシャンレースエディションに触れて感じたのは、オレンジのアクセントによって適度なカジュアル感を身に着けたことによる親しみやすさだ。実に上質なクルマなのだが、明るい色使いのアウトドアギアのような感覚が、なんだか心地いいのである。

ちなみに、V90 CC オーシャンレースエディションの開発は、ボルボのスペシャルビークルチームが担当している。それもあってか、このクルマのカラーコーディネートは、2014年に発表されたコンセプトカー「コンセプト XCクーペ」をイメージさせるものになっている。

コンセプト XCクーペ

もし今、アナタがV90 CCを狙っているなら、このV90 CC オーシャンレースエディションがイチ押しだ!

<SPECIFICATIONS>
☆オーシャンレースエディション
ボディサイズ:L4940×W1905×H1545mm
車重:1910kg
駆動方式:4WD
エンジン:1968cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:8AT
最高出力:320馬力/5700回転
最大トルク:40.8kg-m/2200〜5400回転
価格:969万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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