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【ホンダ クロスカブ 110試乗】実用バイクの王者がアウトドアテイストでグッとおしゃれに!

&GP / 2018年5月29日 19時0分

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【ホンダ クロスカブ 110試乗】実用バイクの王者がアウトドアテイストでグッとおしゃれに!

変哲のないハッチバックやステーションワゴンの車高をちょっと上げ、そこにオフロードテイストを振りかけると、あら不思議! クルマの魅力がググッとアップし、さらにおしゃれな雰囲気さえ漂ってくる…。そんな“シャコタカの法則”(!?)は、2輪車にも利くようです。

実用バイクのスタンダードとして世界中で親しまれ、酷使(?)されているホンダ「スーパーカブ」。そのコンポーネンツを活かし、カジュアル&アクティブなスタイルにモディファイし、遊び心を満載した「クロスカブ」が、まさにそれ。

体格の大きい人でも無理なく乗れるよう、大きめのアップハンドルが与えられ、丸目を模したLEDヘッドランプとランプガード、専用17インチホイールとオン/オフ用タイヤなどを装備。なんとも楽しげなアウトドアな雰囲気を醸しています。

■カブの生産がメイド・イン・ジャパンに回帰

2018年に、基幹モデルたる「スーパーカブ 50/110」などがモデルチェンジされたのを受け、クロスカブも2世代目となりました。初代は110ccだけでしたが、今回、新たに50ccモデルが追加され、それぞれ「クロスカブ 110」、「クロスカブ 50」と名づけられています。

原付および普通免許で乗れるクロスカブが登場したことも喜ばしいのですが、さらなるビッグニュースが! それは、クロスカブを含むカブシリーズの生産が国内回帰したこと。

先代モデルが中国生産に移行したことを受け、カブの生産をいったん終了。その後、「リトルカブ」を細々と作っていた熊本工場が、再び本格的にカブシリーズを手掛けるようになりました! パチパチパチ…。いや、決して輸入モデルがイカンというわけではないのですが、世界に誇るカブファミリーが“メイド・イン・ジャパン”に戻るのは、なんといってもうれしいことです。

50ccと110ccの2本立てとなった新型クロスカブ。新顔のクロスカブ 50は、14インチの小径タイヤを履き、フロントフォークを立てて、クロスカブ 110以上に小回りが得意なモデル。街の路地などをクルクル走り回るには最適ですね! 見た目もカワイイ。オーセンティックな50ccモデルで“トコトコ”ツーリングを極める…というのも面白いのですが、より本格的に趣味に使うには、やはりクロスカブ 110がおすすめです。

クロスカブ 110は、初代モデル同様17インチのタイヤ&ホイールを履き、最低地上高がノーマル・スーパーカブの135mmから157mmにアップしています。クロスオーバースタイルにして、カッコだけじゃないんです。

さらに、マット塗装のホイールやチェーンカバーがクロスモデルであることを強調します。細かいことですが、リアのターンシグナルライトが角形から丸形になったのを見て、目を細める方もいらっしゃるでしょう。シルバーのマフラーカバーも見逃せないポイントです。そして、タンデムステップを装備することで、ふたり乗りも可能になりました。

初代からの外観上の大きな変更点は、レッグシールドを廃止し、サイドカバーを付けたこと。商用のスーパーカブとハッキリ差別化されました。“ちょっと古い”バイク好きの人は、クロスカブの精神的オリジンともいえる1980年代のレジャーバイク「ハンターカブ」にルックスが近づいたと指摘するかもしれません。「マフラーの位置が低い」とか、「なんだ、副変速機は付いてないのか」なんて言葉は、笑って聞き流しましょう。

新型のクロスカブには、随所に旧型で流行ったストリートのカスタムを採り入れた部分があって、ユーザーとメーカーの距離の近さを感じさせます。個人的に、新しいクロスカブは「渋谷に一番似合うバイク」と思っているのですが、当の若者たちはどう評価しているのでしょう…? 別に若年層にこびる必要はありませんが、作り手の思惑がどこまで通じるのか? 興味あるところです。

さて、クロスカブ 110の実車に接してみると、駐車スペースから出す段階で、その取り回しの良さ、その軽さに、思わず笑みがこぼれます。クロスカブ 110の車重は106kgと、カブ一族らしからぬ100kg超えの重さなのですが、それをまるで意識させません。

シート高は784mmと、ノーマルのスーパーカブより5cm近く高くなっていて、身長165cm(足短め)のリポーターがまたがると、両足つま先立ちになります。それでも、まるで不安を感じさせないのは、絶対的な軽さゆえでしょう。

シートクッションは、たっぷり“あんこ”が入った柔らかなもの。前後長はあまりないので、ライダーは、ヒザ下と上体をほぼ垂直に立てて乗ることになります。マシュマロのような座り心地に、「コレなら1日中乗っていてもお尻が痛くならないだろう」と楽観しましたが、半日ほどで痛くなりました…。おそらく、体重がお尻に集中するライディングポジションのせいですね。だからこその、ソフトなシートなのでした。

スイマセン、ちょっと先走りました。キック…ではなくセルボタンを押して、109ccのシングルカムエンジンを始動。4ストロークの単気筒は機嫌よく目を覚まし「ロロロン!」と軽やかにクロスカブを運びます。アウトプットは初代と変わらず、最高出力8馬力、最大トルク0.87kg-m。

流れの速い幹線道路では「もう少し加速力を…」と思う場面もありますが、おおむね必要十分。感心したのは、トップギヤで気持ちよく走っていると、大抵、速度が50km/h前後なこと。無理なく、ムダなく、きっちりと生活速度に合わせてチューンされています。

スーパーカブの運転で話題になるロータリー式のギヤ機構ですが、心配には及びません。足先側のレバーを踏むとシフトアップ。カカト側のレバーがシフトダウン。人一倍要領の悪い“にわかライダー”(←ワタシのことです)でも、10分も乗っていれば慣れました(本当)。

遠心クラッチを用いたカブのトランスミッションは、要は、ちょっと前の欧州コンパクトカーが多用していたセミオートマチック式トランスミッションのようです。クラッチ操作は不要。ギヤをロウに入れて走り出し、頃合いを見て、左足のつま先でレバーを踏んでギヤを上げていくだけ。変速のたびにスロットルを戻すといったコツは必要ですが、なんといってもそこは、世界的なスタンダードモデルですからね。誰でも自然に習得できましょう。

普段からギヤ付き(MT)のオートバイに乗っていると、つい信号の手前でカカト側のレバーを踏んでギヤを落としたりしがちですが、これはムダな動作というもの。トップギヤ=4速のまま停止し、左足先でレバーを踏めば、N(ニュートラル)に戻ります。ちなみに、走行中にギヤを数え間違えて、4速からさらにギヤレバーを踏み込んでも、Nには戻りません。突然、駆動力を失って焦りまくる…という恐怖は、過去のものとなったのです。

カブ系のバイクに乗り慣れた人なら「そんな当たり前のことを…」と思うかもしれませんが、シーソー式のギヤレバーというのは、意外と「とっつきにくい」と感じさせるポイントなので、あえて詳述しました。

クロスカブ 110に乗り、足先でカチャコン、カチャコンとギヤを変えながら「次はどんなカスタマイズをしようか…」と考えるのは、きっとワクワクすることでしょう。自分だったら…、ハンドルをもう少し絞ったタイプにして、シートを前後長があるタンデム用に替える。つまり、より一般的なスクータースタイルのポジションを取れるようにしたい(邪道!?)。ほぼむき出しになったエンジンはカッコいいけれど、ブツけるのが心配なので、アンダーガードを付けましょうか。

書き忘れましたが、新クロスカブでは、カートリッジ式のオイルフィルターが採用されました。メンテナンスのひと手間が増えましたが、その分、エンジン内部への異物混入が減って、これまで以上に長く乗り続けられるはず。その分、愛車をどんどんオーナー色に染められるわけですね!?

クロスカブのカタログ燃費は、66.7km/L(1名乗車時/WMTCモード値)。この日、143.3km走っての給油量が2.25Lですから、リッター当たり63.69km。簡便な満タン法なので多少の誤差はありますが、納得の実燃費といえましょう。

クロスカブ 110のボディカラーは、パールシャイニングイエロー、カムフラージュグリーン、マグナレッドの3種類。価格は、スーパーカブ 110より5万9400円高い33万4800になります。ちなみにクロスカブ 50は、29万1600円です。

<SPECIFICATION>
☆クロスカブ 110
ボディサイズ:L1935×W795×H1090mm
車重:106kg
エンジン:109cc 直列1気筒 SOHC
トランスミッション:常時噛合式4段リターン
最高出力:8.0馬力/7500回転
最大トルク:0.87kg-m/5500回転
価格:33万4800円

(文&写真/ダン・アオキ)

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