空気を「見える化」する扇風機に、洗剤を直に温める縦型洗濯機!最新家電レポ3選
&GP / 2018年5月29日 20時0分
空気を「見える化」する扇風機に、洗剤を直に温める縦型洗濯機!最新家電レポ3選
<家電女優・奈津子×安蔵靖志の最新家電レポ3選【2018年4月・後編】>
元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。今回は2018年4月に発表・発売された家電製品を中心に紹介します。
■ダイソンの空気清浄ファンは「見える化」などが大きく進化
安蔵:ダイソンの新しい空気清浄ファン「Dyson Pure Cool」が登場しました。従来機と同様にWi-Fiを内蔵し、スマホアプリと連携する機能を搭載していますが、新たに液晶ディスプレイを搭載したことで「空気環境の見える化」が大きく進化しましたね。
▲ダイソンが2018年4月に発売した空気清浄ファン「Dyson Pure Cool」。実勢価格は左のテーブルファンが5万4660円、右のタワーファンが6万6500円
奈津子:新モデルではリアルタイムで有害物質を検知するための3つのセンサーを搭載したのが大きな特徴で、研究室で約7万5000時間もの時間をかけて独自の検知アルゴリズムを作ったそうです。ホコリセンサーはホコリの量や大きさを計測し、ニオイセンサーはベンゼンやホルムアルデヒド、二酸化窒素を検知するようになりました。それに加えて温度や湿度を検知するセンサーも搭載しています。
▲センサーの感度を体験しているところ
▲スプレーを近くで吹きかけると、すぐにグラフが変化した
安蔵:実際にリビングルームに置いて使っていますが、食事中のニオイなどにも敏感に反応して動作するので、進化したなと実感します。
奈津子:内蔵するHEPAフィルターは従来よりも約60%多くなっており、ニオイを吸着する活性炭も従来の約3倍に増やしたそうです。ニオイや有害物質をより捕らえられるようになりました。さらにファンの力で1秒あたり290リットルもの空気を循環させるそうです。
安蔵:夏は扇風機として、それ以外の季節はサーキュレーターとして使えるというのが売りですが、以前は「風が直接当たって寒い」という難点がありました。そこで新モデルでは、後ろや斜め上に風を送る「ディフューズドモード」を搭載し、人に当たらないような風の送り方もできるようになりました。首振りも従来は70°だけだったのですが、45°、90°、180°、350°と、角度を選べるようになったのもうれしいポイントですね。
▲側面にスリットが入っており、ここから後ろ斜め上に風が吹くようになっている
▲ディフューズドモードにすると後ろ斜め上に風が吹く
奈津子:国内の空気清浄機の普及率はまだ40%くらいだそうですが、実は空気清浄機の重要性は以前に比べて高まっているんですよね。というのも、住宅を省エネ化するために気密性が高められていて、それに伴って室内の空気環境が悪くなってきているからなんです。気密性を高めることでエアコンなどの効率が高まるんですけど、適切な喚起しないと空気が汚れっぱなしになってしまうんです。
安蔵:確かにそうですね。でも空気清浄機ってその効果が見えにくいですから、購入に二の足を踏む人の気持ちもよく分かります。そういう意味では、新モデルのディスプレイ搭載はかなり大きな進化だと思います。
▲本体前面にディスプレイを搭載。リモコンで表示する情報を切り替えられる
奈津子:そうですね。ディスプレイで空気の清浄度合いやPM2.5の濃度などをグラフで確認できるというのは、ユーザーに大きな満足感を与えると思います。安くない買い物ですから、「コレだよ、コレ。コレに大金をかけたんだ!」と明確な満足度に繋がりそうです。スマホでいちいち確認するのよりもかなり手軽でいいと思います。これからいろんなメーカーが真似するのではないでしょうか。スマホアプリも再デザインされて使いやすくなりましたし、本体のソフトウエアはスマホアプリ経由でアップデートが可能で、購入後も常に最新状態になるそうです。
▲専用アプリ「Dyson Link」も情報が見やすく進化した
■パナソニックから「温水泡洗浄W」を搭載する縦型洗濯機が登場
安蔵:パナソニックからは、「温水泡洗浄W」を搭載する縦型洗濯機が登場しました。温水泡洗浄Wはドラム式洗濯乾燥機に搭載していましたが、縦型洗濯機に搭載するのは初めてです。
▲パナソニックが2018年6月上旬に発売する縦型洗濯機「NA-FA120V1」(実勢価格19万8000円)
奈津子:専用のヒーターで直接洗剤液を温めて洗剤の酵素を活性化させることで洗剤としての威力を高めるだけでなく、泡にすることで浸透力も高めています。これによって黄ばみやニオイの原因菌まで洗い流すそうです。
▲温水専用ヒーターを搭載することで、しっかりと洗剤液を温められる
安蔵:ただし、通常の洗濯コースと比べると、電気代は若干上がってしまうんですよね。
奈津子:「約15℃おまかせ/わたし流コース」だと1回あたりの電気代は約36円で12kgまで対応するのですが、黄ばみを予防する「約40℃おまかせコース」だと6kgまでで約50円、黄ばみを落とす「約40℃つけおきコース」だと2kgまでで約38円、ニオイも落とす「約40℃においスッキリコース」だと2kgまでで約66円です。日常的に使うというよりは“ここぞ!”というタイミングで使うのがよさそうだし、この機能があるといざというときに便利ですね。
安蔵:デザイン面も一新しましたね。パナソニックは2014年から操作部をフタの後方に配置した「すっきりフロント」を採用したことから、最近トレンドになっている「1枚板ガラストップ」のスタイリッシュなデザインの流れに乗れていないのですが、今回のはかなりおしゃれになりました。
奈津子:発表会で行われたセミナーでパナソニック デザインセンターの村上浩司さんが「海外ではシルバーの洗濯機が珍しくなかったため、日本でもやれば受け入れられるのではないかと考えていた」という話がとても興味深かったですね。デザインの大きなテーマは「ケからハレの空間へ」とのことです。“洗濯機”というと「汚れを落とす」ことからややネガティブなイメージになりがちなので、家事を明るくしようと思ったと村上さんは話していました。
安蔵:洗濯機のデザインとしてはパナソニックのドラム式洗濯機「Cuble」がかなりおしゃれで、洗濯機のイメージを一新したほどだったのですが、縦型の方は少し他社に後れを取っている印象でした。ここに来てようやく追い付いてきたという感じですね。
奈津子:製品の奥側にあえて縁を作らないことで、水平線がいつまでも続くように見せる「インフィニティプール」のデザインを取り入れたとのことです。
▲「インフィニティプール」をイメージしたデザインを採用している
安蔵:縁のないプールと言えばシンガポールの「マリーナベイ・サンズ」などが有名ですよね。
奈津子:個人的に死ぬまでに一度は行ってみたい場所なんですが、それを洗濯機のデザインに取り入れるなんて斬新ですね。確かにフラットな感じがとてもきれいに感じます。個人的にはクリアウィンドウ部分を含めて、全体的にもう少しぎらっとさせたミラーっぽさがあってもいいかなと思いましたが、それだと存在感が強くなりすぎるかもしれませんね。パナソニックの調べによると、消費者がデザインを重視する度合いは年々上がっているそうで、2014年と比較すると約12%もアップしたとのことなので、今後さらに洗濯機のオシャレ化が加速しそうですね。
■アイリスオーヤマから除湿機やサーキュレーターなどが登場
安蔵:アイリスオーヤマからは、衣類乾燥除湿機やサーキュレーター、エアコンが登場しました。
▲アイリスオーヤマが2018年4月に発売した衣類乾燥除湿機2モデル。右は2017年12月に発売したサーキュレーター衣類除湿乾燥機
奈津子:アイリスオーヤマは目の付けどころがユニークですが、やっぱり低価格で買いやすいですよね。コンプレッサー方式の衣類乾燥除湿機「IJC-H65」は安くて便利なことから、私の同世代の友だちがこぞって購入していますよ。初心者が手を出しやすいのと、インテリアになじみやすいからでしょうね。
▲IJC-H65は低価格ながら、市販のホースを接続することで連続排水にも対応する
安蔵:電気代が安くて夏場に向くコンプレッサー方式で2万円を切るというのはかなりお値頃ですね。上部にファンを搭載して、サーキュレーターとしても使える「サーキュレーター衣類除湿乾燥機」はアイリスオーヤマならではのアイデアですよね。
▲上部にサーキュレーターを搭載する衣類除湿乾燥機「DDD-50E」(実勢価格1万7800円)
奈津子:よくもまあ、こういう奇抜なアイデアが出てくるものですね。場所も取らずに一石二鳥で本当に便利です。プラスチック感が強くて若干チープなのと、ヒーターを使うため電気代が高くて夏場に向かない「デシカント方式」なのはちょっと残念なところです。ただ風がかなり広範囲に届くので、梅雨の時期、洗濯物が多い家庭ではかなり役立ちそうですね。また、ボール型フォルムの「サーキュレーターアイ」も、コンパクトなのにパワフルで好印象でした。本体がただ回転するだけでなく、不規則に動きながら広範囲に風を送るため、夏場も冬場もエアコンのパワーを引き出せると思います。
▲上下左右の首振りに対応するリモコン付きサーキュレーター「サーキュレーターアイ PCF-KSC151T」(実勢価格9920円)
安蔵:エアコンも新モデルが登場しましたね。Wi-Fi・人感センサー搭載モデルは昨年モデルが継続するようですが、スタンダードモデルのラインアップが充実しました。
▲こちらは昨年発売のWi-Fi・時間センサー搭載モデル
奈津子:昨年発売したスマホ対応のエアコンは、思った通りかなり売れたそうです。コスパが素晴らしいですし、大手メーカーにはなかなか真似ができない機能の絞り込み方だと思いました。新モデルには冷房・除湿で発生する水滴の力で熱交換器の汚れを浮かせて流す「ハイドロフィリック熱交換器」を搭載していて、エアコン内の清潔性を保つ最近のトレンドにもしっかりと乗っていますね。Wi-Fi・人感センサー搭載モデルの新モデルにも期待したいところです。
(取材・文/安蔵靖志 奈津子)
ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」
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