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なぜ?タニタの歩数計機能が7秒後からカウントを表示する理由

&GP / 2018年6月19日 19時0分

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なぜ?タニタの歩数計機能が7秒後からカウントを表示する理由

最近、ちょっと体重が増えてきたこともあり、どうにかして体重を減らしたいと思っていましたが、何から手をつけていいかわからず…。まずは、平日会社と自宅の往復しかない自分が日中どれだけ歩いて、カロリーを消費しているのか把握しようと、タニタの活動量計を使って測ってみることに。いざ、始めようと説明書を読んでいると気になる一文を見つけました。

『7秒以上の一定した動きがあれば歩行と判断し、それまでの測定値を一度に表示します』

これは一体どういうことなんでしょうか?

■カウント表示は7秒後から?

今回使用したのはタニタから発売されている「カロリズムスリム AM-122」(実勢価格:5400円前後)。日付と生年月日、身長、体重などを入力するだけで設定は完了。試しに丸一日ズボンのポケットに入れて測ってみたところちゃんとカウントされていました。

説明書の『7秒以上の一定した動きがないと〜』を調べるため、まずは “5秒間”歩いてみました。

▲「カロリズム」を持っていざ測定開始!

▲5秒たったので、早速チェック!

ストップウォッチを使い5秒間歩いてからチェックすると、「カロリズムスリム」に表示された歩数は0!

▲確かに歩いたのに、歩数が反映されていない!

次に10秒間歩いてからチェックすると…16歩と表示されていました。自分でも歩数をカウントしていたんですが、それだと20歩。どうやら若干の誤差はあるようです。ちなみに、歩き始めてから5秒経過した時点ではカロリズムのカウントは0のまま。7秒過ぎたあたりに、いきなり数値が7と表示され8、9、10と順にカウントされていきました。

確かに、説明書に書かれている通り、『7秒以上の一定した動きがあれば、歩行と判断し、それまでの測定値を一度に表示』されるようです。ではなぜ「7秒後」から表示されるのか。この秘密を「カロリズムスリム AM-122」の企画・開発に携わったタニタ事業戦略本部メジャープロダクト事業部企画課の大塚武司さんに伺ってみました。

■ 「7秒後からカウント始める」の意味は?

▲タニタ事業戦略本部メジャープロダクト事業部企画課 大塚武司さん

&GP:「カロリズムスリム AM-122」の説明書に『7秒以上の一定した動きがあれば歩行と判断し、それまでの測定値を一度に表示します』とありました。これはどういうことなのでしょうか。

大塚さん:以前の話なのですが、歩数計を開発する際に、ちょっと動くようなことを “歩行”としてカウントするのはどうか、という意見が出ました。どの程度の動きから “歩行”とみなすか検討する中で、自分たちで、ポケットの中から機器を取り出す、数値を確認してふたたび歩き出す、などの予備動作から歩き出すまでの時間を測ったところ、“約7秒” だということがわかりました。そこで、「7秒以上一定の動きがあれば歩行としてカウントする」という基準を定めました。

 

&GP:その “7秒の基準”が歩数計や活動量計に採用されたのはいつ頃からなんですか?

大塚さん:2006年ですね。もともと歩数計は上下に振ってカウントされる振り子式が一般的でした。ですが、振り子式は上下に振るとカウントされてしまうので、実際に歩いていなくてもカウントされてしまいます(編集部注:1999年に任天堂から発売された「ポケットピカチュウ」が有名ですよね)。また、振り子式の場合は装着位置が限られてしまうのもネックでした。

タニタでは2006年に世界で初めて3D(3軸加速度)センサーを搭載した歩数計を発売し、装着位置を選ばずに測定できるようになりました。この時に社内で決めた7秒という基準を、以降発売される歩数計や活動量計など、歩数計測機能が付いたモデル全てに採用するようになりました。

 

&GP:“装着位置を選ばずに測定できる”ということは、本当にどこに装着してもいいのですか? それとも測定するにあたり最適な装着位置はあるのでしょうか?

大塚さん:ベストはやはり “体に密着” したところです。タニタでは洋服の胸ポケットや内ポケットを推奨しています。ネックストラップを付けて首から下げてもいいのですが、その時も体からできるだけ離れないようにすることで、正確に測定できます。

歩数を測定するだけであれば、カバンの中に入れておくだけでも測定できるんです。ですが、これだとオフィスで仕事をしている時に席を離れてトイレに行く時や、打ち合わせに出た時に歩数計を身に着けていない状況が生まれます。そうなると“一日の正確な歩数”は測れなくなるので、できれば体に密着したところがいいですね。

また、“装着位置を選ばずに測定できる”となれば、毎日仕事で使うカバンの中にしまっておけばいいと思われるかもしれません。ですが、この場合は持ち歩くのを忘れる、ということはなくなりそうですが、休日にカバンに入れっぱなしにしてしまい、出かける際に忘れるかもしれません。せっかく土日に登山したのに持っていくのを忘れてしまったら残念ですよね。

 

■身につける場所で測定に差が出るのか試してみた

ということで、“最適な装着場所” が分かったので、「カロリズム スリム」を3台使い、“ジャケットの胸ポケット”、“体に密着するリュックのPC用ポケット”、そして“トートバッグの中”に入れ測定に差が出るのか、駅から編集部まで歩いて試してみました。

▲ジャケットの胸ポケット、リュック、トートバッグに「カロリズム スリム」を入れいざ出発!

赤信号で数秒立ち止まった時はどうなるのか…

階段も登ってみましたが、差は出るのでしょうか…

そして、編集部に到着! 果たして測定結果は…

胸ポケットに入れたカロリズム(青)…315歩
リュックに入れたカロリズム(黒)…330步
トートバッグに入れたカロリズム(白)…348歩

3台使って測っている最中、自分でも歩数をカウントしていたのですが、その結果は、302歩でした。“最適”と呼ばれる胸ポケットに入れた場合とは約10歩、トートバッグに入れた場合を比べると約50歩ほど差がついていました(ちなみに、50歩は秒数でいうと約30秒 ※筆者調べ)。やはり体から一番遠くに位置し、なおかつ揺れが激しいバッグの中では多くカウントされてしまうようです。

■活動量計と歩数計の違いって?

ちなみに、今回色々調べる上で使用した「カロリズムスリム AM-122」ですが、これ実は“歩数計”ではなく“活動量計”なんです。そもそも「歩数計」と「活動量計」では何が違うと思いますか?

歩数計は、その名の通り歩数をはかるもの。日常生活のさまざまな行動のうち、“歩行”を測定対象にしています。そのため、歩行以外の上半身の大きな動きや、ボーッとしている時の消費カロリーなどはチェックできません。

一方、活動量計は、大きな動きからささいな動きまで、カラダのさまざまな活動による動きをキャッチします。歩行以外の行動、例えば座っている時の上半身の動きや、歩行を伴わない家事などもしっかり測定し、“何もしていない時”も安静時代謝として消費カロリーを表示します。

今回使用した活動量計「カロリズムスリム AM-122」は小さく、どこにでもしまえそうなほどスマートですが、ダイエットサポート機能もついており、減らしたい体重とダイエットを行う期間を設定すれば、一月の「消費目標」「摂取目標」「今日の達成度」などを全て数値で出してくれます。設定も簡単で、説明書を読まなくても手軽に使えるので、『7秒以上の一定した動きがあれば歩行と判断し、それまでの測定値を一度に表示します』を知らずに使っている方も多いかもしれませんね。ちなみにタニタの大塚さんによると、やはり「7秒間はカウントしない」ことに気づかずに、「上下に振ってもカウントしない」といった内容の問い合わせがくることもあるそうです。

▲一日の達成度

▲目標摂取カロリー

▲目標消費カロリー

 

*  *  *

「体重を減らそう」と思ったことから生まれた今回の検証。歩数計や活動量計を“自分で振ってカウントを増やす”といったズルができない仕組みになっている以上、真面目にダイエットに取り組まないといけませんね。

(文/&GP編集部)

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