古き良き時代の国産名メカニカル「ロードマチック」をひたすら磨いてみた

&GP / 2018年7月16日 8時0分

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古き良き時代の国産名メカニカル「ロードマチック」をひたすら磨いてみた

<安価機械式「チプメカ」マニアの1万円以下腕時計購入記>

今回は先日「ヤフオク!」で落札した、とあるチプメカの話。チプメカ…と言っても過去には準高級機として売られていたこともある、国産メカニカルの名シリーズ、セイコーの「LOADMATIC(ロードマチック)」です。

落札してから数日後、届いたのがコチラ。

上半分が鮮やかな青、下半分が淡めの水色と、グラデーション状の文字盤が何とも気になってしまい落札しました。不動状態で、さらに出品画像を見るとケース&風防はかなりキズだらけ。こんなコンディションなので送料含め3056円での落札でした。

キズの方は「まあ、ササッと磨けばなんとかなるでしょ」と楽観視していたのですが…。

 

実際に手にとって現物を見たら、なかなかエグいぐらいのキズだらけ。ガラス風防もキズだらけですが、特に本体ケースのリューズ側のサイドが酷い…。何故にこんなヒドい状態に…。

転んでぶつけたという類いのキズではなく、明らかに荒目のヤスリ等で削られた跡。「少しキズを付けてしまったので、キズを消そうと試しに削ってみたけど巧く消せず、そのまま放置した」とかでしょうか。コレだけの荒れた状態はそうそうお目にかかれないので、いろいろと想像が止まりません(笑)。

果たして、何処までキレイにできるか…。なんだか燃えてきましたよ!

中身のムーブメントは先述のとおり、不動状態で少しリューズを巻いてみても、わずかに秒針が動くのみ。

…なのですが、裏蓋を開けてムーブメントを見ると結構キレイ。特に故障はないようで、汚れを落として組み立てれば普通に動いてくれるでしょう。この機種で故障が頻発する日付&曜日の早送りはパチパチッと動作を確認できて無事でした。ホッとひと安心。

いやぁ、それにしても…。落札した時に付属していた薄手の社外品メタルバンドを取り外したら、バンド接合部辺りの汚れが結構スゴイんですよ。

オールド腕時計を落札していると、こういった世間の(物理的に)汚い暗部をよく目にします(笑)。

というワケでココからは毎度のごとく、バラバラに分解…。超音波洗浄にかけてから乾燥、そして注油&組み立て、という流れ。

コチラのロードマチックに使われている56系ムーブメントは10機以上は分解していて「もう目つぶってたって組み立ててやらぁあ!」なんて思ってしまい、いつもは必ず行う分解時の撮影を怠ったのですが、油断大敵。やっぱり逐一、撮影した画像を見て手順やパーツの配置や向きなどを確認していかないとダメですね…。

途中でギアの噛み合わせをミスってネジ締めをやり直したり、パーツを床に飛ばしたり、もうハプニング続出。床に落ちるとなかなか見つからなくて、今回も床に這いつくばること数十分…。まあ凹む凹む…。素人が図に乗るとロクなことになりません。

そんなこんなの七転び八起きがありまして、やっとムーブメントの組み立てが終わりました。12時キッカリで日付が変わるように針を入れていくんですが、コレもなかなかどうして難しいんですよねえ。

動作チェックして精度も日差で約+15秒くらい出てくれたので、中身の方はコレにて無事完了!

さて、それでは今回一番の難関である、外側(ガワ)の研磨に取りかかりましょう!
腕時計マニアからは、よく「ヘタにケースを研磨したらエッジがダルくなって魅力がなくなる!」みたいな意見もありますが、もうこれだけケースに深いキズが入っていたら、逆に怖いモノは無いのでガンガン磨くことにしました。

 

まずは風防から。コチラの素材はミネラルガラスなので、以前(>> SEIKOミリタリー風チプメカウオッチをリペアしてみた!)にもご紹介した包丁砥石を使った方法で磨いていきます。

左から順に、研磨前、砥石で研いだ後、キイロビンで磨いた後の画像を並べました。縁には少し欠けが残っていますが、目立つキズは無くなったので風防はコレにてOK。

そして次は本体ケース。あの大層なキズを目立たなくするには、結構削っていかないとダメそうです。

少しでもエッジを保つために当て木をして、荒目の紙ヤスリ(#60)で削っていき、ある程度キズが消えたのを確認したら徐々に細かい目のモノに変えてひたすら磨きます。

いかがですか! もうただひたすらに研磨してやりましたよ。細かく見れば微細なキズやへこみは残っていますが、パッと見ではわからないくらいにはキレイになってくれました。

ブレスレット部分は落札時に付属していたのが昭和テイストなペラペラの社外品だったので、こちらは今風な無垢ブレス(安物)に替えました。バンド幅は19ミリ。Amazonで1590円にて購入。このケース形状は直管タイプが使えるので“合わせ”でフラッシュフィットを曲げたり削ったりする作業がないのがイイですね。

ブレスレットを付けて、ハイ完成! ケースとブレスレットの相性もバッチリですね。

コチラが腕に巻いてみたリストショット。う〜ん、この青のグラデーションがかった文字盤、やっぱりステキ。12時側がわずかに濃く、6時方向に行くにつれて青味が淡くなっていき、角度によって違う表情を見せてくれます。

今回の腕時計リペアは平日に仕事を終えて帰宅してから、夜な夜な少しずつ作業を進めていったので、おおよそ3週間ほどかかってしまいました。ですが、あれだけボロボロな状態だったのが、ココまでキレイになってくれると充実感もひとしおです、大変満足の一品となりました。

さて、次はどんなチプメカを買おうかな…。

>> 連載[安価機械式「チプメカ」マニアの1万円以下腕時計購入記]

 

(文・写真/伏せ字)

ふせじ/時計好きサラリーマン

腕時計好きの趣味が高じて、記事を執筆することに。一介の時計好きサラリーマン。好きな時計の傾向は、ダイバーズ、青焼き針、56系LM。

>> 伏せ字だらけ~よもやま時計ブログ~

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