一体どれが商品化される? ハンコをデザインするコンペが10年ぶりに復活

&GP / 2018年10月15日 15時0分

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一体どれが商品化される? ハンコをデザインするコンペが10年ぶりに復活

日本で暮らしていると、証明書の申請や契約などさまざま場面で必要となるのがハンコ。そのハンコをデザインするコンペティション「シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」が10年ぶりに復活しました。

11回目となるコンペでは“しるしの価値 The value of the sign”をテーマに、自分であることの「しるし」(アイデンティティ)を表すプロダクトもしくは仕組みを募集。10月13日にグランプリを含む入賞作品11作品がお披露目されました。

応募総数718点と10年ぶりながら過去最高となったコンペの頂点に輝いたのは、清水邦重さんの「自己QR」です。

 

▲グランプリを獲得した清水邦重さんの「自己QR」

審査委員の各氏からも高い評価を受けました。

「デジタルなものと捉えがちなQRコードを、フィジカルな物体として提示した秀作。 アイデンティティをスタンプとしてしるすというアクションの中に多くの気づきがあった。現実の中に具現化していく未来のリアリティを見事に掬い取っている」 (グラフィックデザイナーの原研哉さん)

「デジタルだが判子の印面に似ているQRコードの特徴に着眼した力作。デジタルとアナログがうまく融合している」 (プロダクトデザイナーの深澤直人さん)

「ホルダーのデザインは検討の余地があるものの、上下がわかり均一の印圧で押せるよう考えられており、アイキャッチ になる形という点では面白い」(プロダクトデザイナーの喜多俊之さん)

▲QRコードの中心に通常のハンコのように名前も入っていて、印の役目も果たしながら、QRコードでさらなる情報を提供することもできというもの

そして、表彰式の壇上でもシヤチハタの舟橋正剛社長から「QRコードに関しては、過去にシヤチハタは“スタンキー”というQRコードのスタンプで大失敗をしています。自分のホームページなどへとリンクするものだったのですが、まだ消費者の皆さんがQRコードに親しんでおらず、全然売れませんでした。中心に苗字が入ったものでも認識するということで、新しい商品になるのではないかと期待している」という言葉が贈られました。

 

▲グランプリを獲得した清水邦重さん(写真左)と舟橋正剛社長(写真右)

 

■どのハンコが欲しい?

審査はプレゼンシートでの一次審査からはじまります。審査は、①テーマの理解力 ②商品化の実現性 ③新規性・革新性 を基準にすると発表され、応募時点で決定している10月12日の授賞式に参加できる人という条件もつけられていました。

よって授賞式の会場には11組の受賞者たちが勢ぞろいしたわけですが、中でも印象的だったのが「10年前に次は応募しようと思っていた」など、10年前の時点でも認知していたと語る人が数人いたことです。クリエイターやクリエイターを目指す人にとって目標とするコンペがひとつ増えたことは、ものづくりの未来にもちょっと明るいニュースなのではないでしょうか。

▲準グランプリを受賞した青柳祥生さんの「AIR SIGN」。文字を「空で書く」サインデバイス。空間上に描かれたサインの軌道の座標やストロークの速度を読み取る機能を搭載するというアイデア

▲同じく準グランプリの明間大樹さんによる「世界にただひとつの印鑑」。人それぞれの異なる握り方を印鑑に刻み込む仕組みの提案。素材選びから始まり、自分の手に合わせた自分だけの印鑑を作る

▲審査員賞 喜多賞 堀川卓哉さんの「イニシャル三文判」。喜多さん曰く「676種類すべて試作したことも説得力につながった」とか

▲審査員賞 後藤賞 佐々木晴美さん・坂口杏奈さんの「印星(いんしょう)」は、6つの飛び出した部分にそれぞれ異なるデザインで名前が刻まれたハンコ。TPOや気分に合わせて好きな印象のものを選んで「こうありたい」と思う自分を印す

▲特別審査員賞 榊原伸一さんの「ハンコマ!」。、マンガの1コマの空いている部分にハンコをはめこみ、一緒に押すとマンガの主人公のように名前に息を吹き込むというもの

どれもちょっと欲しくなるモノばかりですよね。今回受賞した作品の中から、実際に商品化へと検討する旨が発表されています。

>> シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション

 

(取材・文/北本祐子

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