ファーウェイの最新スマホ「Mate 20 Pro」をいち早く使ってみた!
&GP / 2018年10月18日 20時0分
ファーウェイの最新スマホ「Mate 20 Pro」をいち早く使ってみた!
ファーウェイは10月16日に、ロンドンで新製品の発表会を開催しました。発表されたのは、最新フラッグシップとなる「HUAWEI Mate 20」シリーズの4モデル。いずれも、Android 9を搭載し、ファーウェイがその性能を“世界一”と誇るAI対応プロセッサー「Kirin 980」を搭載しています。そして、もちろんライカが監修したカメラも搭載されています。上位モデルの「HUAWEI Mate 20 Pro」は、いち早く借りて、使い勝手を試すこともできました。ロンドンで実際に撮影した作例も交えて、このすごいスマホを紹介します。
▲注目の高性能プロセッサー「Kirin 980」を搭載する4モデルを一気に発表
■超広角撮影も可能な「HUAWEI Mate 20 Pro」
「HUAWEI Mate 20」シリーズは、ベースとなるモデルとして「HUAWEI Mate 20」と「HUAWEI Mate 20 Pro」があります。さらに、大画面の「HUAWEI Mate 20 X」と、限定発売の「HUAWEI Mate 20 RS」というラインナップです。
日本での発売が濃厚と思われるのが「HUAWEI Mate 20 Pro」です。6.39インチの有機ELディスプレイ(3120×1440ドット)を搭載し、左右にカーブを施し、手になじみやすい形状になっています。上部にノッチがあり、2400万画素のインカメラのほか、3Dの顔認証に用いるセンサーも新たに搭載しています。
▲左右のベゼルが細いため、大画面のわりにはコンパクトで持ちやすい印象
背面には、四角いスペースに4つの丸が並ぶカメラを搭載。3つのレンズとLEDという組み合わせで、(1)焦点距離16mm、F2.2、2000万画素の「超広角」カメラ、(2)焦点距離27mm、F1.8、4000万画素の「広角」カメラ、(3)焦点距離80mm、F2.4、800万画素の「望遠」カメラという組み合わせです。従来のスマホはもちろん、標準的なデジカメでも撮れない超広角の撮影を簡単に楽しめることがポイントです。
▲背面にはライカのトリプルレンズを搭載
▲広角で撮影
▲超広角に切り替える(「0.6×」をタップするだけ)と、ここまで広く撮れた
▲思い通りの構図で撮りにくい場所でも超広角が威力を発揮
▲近づけない状況では望遠が大活躍。光学+デジタルのハイブリッドズームで約5倍までは画質が劣化せずに撮れる
▲HUAWEI P20シリーズで高く評価された「夜間」モードも搭載
前モデルの「Mate 10 Pro」と同様に、AIによる被写体・シーン認識にも対応していますが、高速の「Kirin 980」により、認識の速度や精度も向上しているとのこと。動画撮影時に人物を認識して、人物だけをカラーで撮影する「AIカラー」といったユニークな新機能も追加されていました。また、食べ物や料理にカメラをかざすだけでカロリーがわかるという、あっと驚く便利機能も。
▲人物だけをカラーで捉えて、そのまま動きを追える「AIカラー」。Kirin 980を処理能力の高さが実現した機能といえる
▲料理にかざすとカロリー量が表示。ただし、常に正しく認識されるとはかぎらない
▲「ポートレート」モードにも新しいエフェクトが追加された。この写真は発表会の会場で撮影したものだが、「ステンドグラス」効果を設定して撮影した
Mate 20 Proは、ディスプレイ上での指紋認証に対応しました。独立した指紋センサーを搭載せず、画面に指をあてるだけでロックを解除できます。顔認証はiPhoneの「Face ID」のように顔を3Dで認識する方式になり、セキュリティも強化されています。
▲親指が触れやすい位置で、スムーズにロック解除ができるのが利点
▲ノッチ部分はドットプロジェクターや赤外線カメラを搭載し、3Dでの顔認証も実現
4200mAhの大容量バッテリーを内蔵し、40Wでの急速充電に対応。なんと約30分で70%の充電ができるそうです。さらに、15Wのワイヤレス充電にも対応しました。しかも、Mate 20 Proが充電器になるという機能も備えています。ワイヤレス充電「Qi」に対応するほかのデバイスへ給電することもできるんです。
▲スマホを背中合わせにして充電できる。iPhone Xでも試してみたが、スムーズに充電できた
RAM(メモリ)は6GBで、ROM(内蔵ストレージ)は128GB。ファーウェイが開発したという、nano SIMサイズの新しい記録メディア「NM Card」でストレージを拡張することもできます。ヨーロッパでの価格は1049ユーロ(約13万6000円)なので、日本で発売されたとしても、かなり高額になると予想されます。
▲nano SIMを2枚セットでき、nano SIMの代わりに外部記録メディアとしてNM Cardをセットすることも可能。ただし、NM Cardの現物は確認できなかった
■ベーシックモデルの「HUAWEI Mate 20」も10万円超え
「Pro」や「X」などが付かない「HUAWEI Mate 20」は、Mate 20 Proよりスペックを抑えたベーシックなモデル。画面はMate 20 Proよりも若干大きい6.52インチですが、有機ELではなく液晶で、解像度は2242×1080ドット。ディスプレイでの指紋認証には対応せず、指紋センサーは背面に搭載しています。顔認証も3Dではなく2Dです。
▲左がMate 20 Proで、右がMate 20。画面がひと回り大きく、ノッチの形状も異なる
カメラは、Mate 20 Proと同じくトリプルレンズですが、1600万画素の「超広角」、1200万画素の「広角」、800万画素の「望遠」と、スペックは異なります。とはいえ、Mate 20 Proのスペックが高すぎるだけで、Mate 20も十分すぎるほどハイスペックなモデルです。
▲背面にはライカのトリプルレンズカメラと指紋センサーを搭載
▲カメラのスペックはMate 20のほうが低い。されど、なおハイスペック
ヨーロッパでのRAM4GB+ROM128GBモデルが799ユーロ(約10万3800円)、RAM6GB+ROM128GBモデルが849ユーロ(約11万円)。このMate 20の前モデル「Mate 10」は日本では発売されなかったので、今回も日本では発売されないかもしれませんね。
■日本発売を期待したい7.2インチ大画面の「HUAWEI Mate 20 X」
筆者も含め、ほとんどの取材陣にとってサプライズだったのが「HUAWEI Mate 20 X」。7.2インチの大画面ディスプレイを搭載したモデルです。有機ELで解像度は2248×1080ドット。カメラなどの基本機能はMate 20をベースとしています。
▲7.2インチの有機ELディスプレイを搭載
▲背面には、Mate 20と同じくライカのトリプルレンズカメラと指紋センサーを搭載
さすがに片手では操作できない大きさですが、画面の視認性や迫力は抜群。ゲーム、動画、電子書籍などを楽しむには最適。より快適にゲームをプレイするために専用パッドも別売されます。またGalaxy Noteのように専用のスタイラスペンで操作することもできるそうです。バッテリーは5000mAh。2台目として欲しくなる人もいるでしょうね。価格はRAM6GB+ROM128GBで889ユーロ(約11万5000円)。日本での発売を期待しましょう。
▲ペンでも操作でき、Galaxy Noteの対抗馬となりそうな予感
▲専用のゲームパッドを取り付け可能。約6時間以上の連続プレイが可能だそう
■ハイグレードモデル「HUAWEI Mate 20 RS」は限定発売
さらに、ポルシェデザインの限定モデル「HUAWEI Mate 20 RS」も発表されました。上位モデルのMate 20 Proをベースとし、外装にレザーを用いた最高峰モデルですが、RAM8GB+ROM256GBモデルが1695ユーロ(約22万円)、RAM8GB+ROM512GBモデルが2095ユーロ(約27万1000円)と、気軽には買えない価格です。ヨーロッパと中国での限定発売で、残念ながら日本では発売されません。
▲ポルシェデザインのブラックモデル
▲ポルシェデザインのレッドモデル
▲オリジナルの壁紙などがプリインされている
2018年第2四半期のスマートフォンの世界シェアにおいて、初めてアップルを抜いて、サムスンに続く2位になったファーウェイ。その勢いを感じる発表内容でした。なお、いずれも日本での発売は未定です。正式な発表を待ちましょう。
>> ファーウェイ
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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