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【マツダ デミオ試乗】最新モデルこそ最良!1.5Lガソリン車は排気量アップの恩恵が絶大

&GP / 2019年2月11日 19時0分

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【マツダ デミオ試乗】最新モデルこそ最良!1.5Lガソリン車は排気量アップの恩恵が絶大

先日、マツダは「デミオ」の商品改良を行い、ガソリンエンジンを排気量1.3リッターの“スカイアクティブ-G 1.3”から、1.5リッターの“スカイアクティブ-G 1.5”に変更しました。

現行デミオは、これまで安全装備の拡充や快適性の向上、さらには、特別仕様車の追加設定など、ほぼ1年に1度のペースで商品改良を重ねてきました。それゆえ、商品改良と聞くと“定例の…”という印象を抱く人も少なくないと思いますが、今回の改良のキモは、走りに直結するエンジンの排気量アップです。

従来の1.3リッターガソリンモデルも、生活に寄り添う“ブレッド・アンド・バター”カーとしては十分魅力的でしたが、ディーゼル仕様に比べると、話題性も走りも、ちょっと印象が薄かったというのが事実。今回の排気量拡大で、ガソリン仕様のキャラクターや動力性能には、どのような変化があったのでしょうか?

■影に隠れがちだったガソリン仕様に改めて着目

大人向けのコンパクトカー、と書くと、ちょっと誤解を招きそうですが、2014年に発売された現行デミオは、質感や仕立てにこだわる大人でも満足できるコンパクトカーとして人気を得ています。かつてコンパクトカーといえば、作りはちょっとチープだけど若者でも手の届くクルマ、といったイメージが一般的でした。しかし現在では、価値観が多様化していますし、ボディサイズは小さくても上質なクルマが欲しい、という人も少なくないでしょう。

現行デミオは、全長4060mm、全幅1695mm、全高1550mmという5ナンバーサイズかつ、立体駐車場にも難なく入る寸法ながら、端正なたたずまいと品のいいインテリアを備える1台。まさに、小さいけれど上質なクルマを望む人の受け皿として、現在も堅調なセールスを続けています。一方、話題となるのは、国産小型車としては実に10年ぶりの登場となったディーゼルエンジン搭載車が中心。コンパクトカーではありますが、あのトルク感あふれるディーゼル仕様の走りは、デミオのひとつの個性といっても大げさではないと思います。

そんな“デキる仲間”の影に隠れがちだったガソリン仕様ですが、2018年8月、排気量1.3リッターのP3-VPS型から、1.5リッターのP5-VPS型へとエンジンを変更。それに伴い、最高出力は92馬力から110馬力へ、最大トルクは12.3kgf-mから14.4kgf-mへと向上しています。

P5-VPS型エンジンは、実はこれまでも、デミオのモータースポーツ向けベースグレード「15MB」には搭載されていましたが、そちらはハイオクガソリン仕様。新たに加わったノーマルグレード用は、レギュラーガソリン仕様となっています。やや下がり気味とはいえ、ガソリン価格が気になる昨今ですから、これはユーザーにとってもありがたい判断といえるでしょう。

■爽快な走りが楽しめる6速MTモデル

最初にテストドライブへ出掛けたのは、上位グレード「15Sツーリング Lパッケージ」の6速MT車。インテリアには、レザー×グランリュクス(スエード調人工皮革)をあしらったシートが備わるほか、一般的な快適装備がほぼ網羅されています。さらに、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロールやアダプティブLEDヘッドライトなどのオプションも試乗車には装着されており、設えに不満を感じることはありませんでした。また、同グレードにはガソリン仕様で唯一、16インチのアルミホイールが標準装備となっています。

肝心の走りはというと、想像以上に排気量アップの効果を感じられました。従来の1.3リッターモデルも、パワーで決定的な不満を感じることはありませんでしたが、積極的に走りを楽しもうとすると、いわゆる“美味しい”回転域の上限側まで引っ張って…という印象でした。一方の1.5リッターモデルは、市街地から高速走行、ちょっとしたワインディングまで、幅広いシーンにおいてガソリンエンジンらしい伸びやかでスムーズな加速感を味わえます。

マツダいわく「日常のさまざまな走行シーンでゆとりあるスムーズな走りの実現を目指した」とのことですが、なるほど納得。具体的には、2500から4500回転にかけてのトルク感といいますか、右足の動きに対するエンジンの反応がリニアで、程良くパンチの効いた加速を味わえます。さらにこの回転域では、かすかではあるものの、金属的でビートの利いたサウンドが響き、スポーティな走りを演出してくれます。

ちなみに、100km/h走行時のエンジン回転数は、5速で3000回転、6速で2500回転とやや高めですが、不快な雑音はしっかり遮断されていますから、高速クルーズもなかなか快適。追い越し加速にもスムーズに移行できる回転数なので、アップダウンの多い区間やワインディングでも、歯がゆい思いをすることが少なくなりました。

また、6速MTの操作感は、しっかりとした節度があり、軽いタッチと程良いストロークが好印象。クラッチペダルも、足の裏で断続の状態を感じ取ることができます。コンパクトカーでも操作フィールは手抜きナシという、マツダらしいコダワリを感じさせる部分ですね。

もちろん、2シーターオープンの「ロードスター」のように、スポーツドライビングを存分に楽しめるようなクルマではありませんが、走る、曲がる、止まるという操作のすべてが自然でスムーズ。「クルマを操るって楽しいな」と、素直に思える仕上げとなっています。

■市街地での扱いやすさが向上した6速ATモデル

続いて試乗したのは、新たに設定された特別仕様車「ミスト・マルーン」の6速AT車。現行デミオはデビュー以来、個性的なインテリアを特徴とするスタイルコレクションシリーズを展開してきましたが、その第6弾として用意されたのがこのモデルです。

ミストマルーンは、シート表皮に肌触りの良い“グランリュクス”を採用したほか、シートのセンター部分にはブルーのステッチによるキルティング、サイド部にはグレーのステッチを施すなど、エレガントな装いとなっています。また、ドアトリムやインパネも同様のコーディネートとなっており、いわば“小さな高級車”といった仕立て。もちろん、本物と比べてうんぬん、というのは的外れで乱暴ですが、色使いやステッチといった、ちょっとしたあしらいにより、コンパクトカーでもこれほどツヤっぽさを演出できますよ、という、マツダらしい遊び心が感じられます。

さて、走り出して真っ先に感じたのは「思ったより活発だな」ということ。6速ATのスッ、スッと小気味いい変速フィール、3000回転前後の力強いトルク感が相まって、市街地やちょっとしたワインディングでは、活発な走りを楽しめます。加速時のパワフルさではディーゼルモデルに一歩譲るものの、70kgほど軽いガソリンモデルは身のこなしが軽快なのです。特に、信号が青になった時の走り出しや、交差点を曲がった後の加速などは、ガソリン仕様の方がスムーズで心地良く、ストップ&ゴーが続くようなシーンでの扱いやすさも向上しています。

一方、高速道路だけに限れば、ディーゼルAT車は100km/h巡航時の回転数が6速で1700回転ほどと、トルクバンドのど真ん中。対するガソリンAT車は6速で2100回転と、本当に“美味しいゾーン”はそこから上の領域になります。1.5リッター化により、高速道路でも十分と思えるパフォーマンスを手に入れましたが、アップダウンが続くと「シフトダウンして」と感じるシーンも少なくありません。変速動作はスムーズですし、エンジンなどの騒音も抑えられていますが、長距離移動が多いユーザーにとっては、ディーゼルがやや有利、というところでしょうか。キャラクターが違うというほどではないものの、購入対象がAT車ならば、しっかり試乗して両エンジンの少々異なる美点を比較されることをおすすめします。

ちなみに気になる燃費ですが、「1.5リッター化によって効率の良い領域を有効に使えるようになり、アクセルの踏み込みやシフトダウンの頻度も減少。実用域における燃費の向上にも貢献している」とのこと。実際、MT車、AT車ともに、市街地と高速道路とが半々くらいの試乗コースにおいて、ともに17km/L強は走るのですから、コンパクトカーとしては十分納得できるデータといえるでしょう。

ともあれ、デミオは見た目のリフレッシュだけでなく、中身も着実に進化を続けています。「最良のデミオは最新のデミオ」というと、どこかの欧州メーカーのクルマのようですが、今回の商品改良は、そんなマツダのポリシーを再確認できる内容であるのは間違いないでしょう。

<SPECIFICATIONS>
☆15Sツーリング Lパッケージ
ボディサイズ:4060×1695×1525mm
車重:1040kg
駆動方式:FF
エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速MT
最高出力:110馬力/6000回転
最大トルク:14.4kgf-m/4000回転
価格:181万4400円

<SPECIFICATIONS>
☆15S ミストマルーン
ボディサイズ:4060×1695×1550mm
車重:1060kg
駆動方式:FF
エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:110馬力/6000回転
最大トルク:14.4kgf-m/4000回転
価格:178万2000円

(文&写真/村田尚之)

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