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伝統工芸品もこれなら手軽!センスを感じる“新”京都土産5選

&GP / 2019年4月19日 11時30分

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伝統工芸品もこれなら手軽!センスを感じる“新”京都土産5選

大人になってこそ価値が分かるという“コト”や“モノ”って少なくありません。学ぶことや美術品の鑑賞…、という意識高い系はもちろんですが、旅の楽しみ方も大人になるとちょっと変化するのではないでしょうか。

例えば京都。修学旅行ではさほど興味がなかったのに、大人になって訪れるとその街並みや寺社に魅了されたという方も少なくないはず。じつは筆者も改めて京都を訪れて「また、絶対京都に来よう!」と強く思ったクチですが、帰り際になるといつも迷うのです。そうお土産に。

せっかくなら京都らしい伝統を感じる何かと思うのですが、工芸品や美術品は簡単には手が出ないのも事実。しかし、探してみればあるんです、京都の伝統を継承しつつ新たなカタチで表現したちょっと素敵なお土産が。ということで、自分用にはもちろん、ご家族や友人への贈り物にもピッタリな、京都の"新"お土産を5つ選んでみました!

1. 京焼青瓷(青磁)

蘇嶐窯(そりゅうがま)
「いっちんコースター/線紋コースター/とび鉋コースター」(各3000円前後)

柔らかく、落ち着いた色合いの磁器製コースターは京都の悠久の歴史の中で培われた伝統技法が活かされています。京焼とひと口に言っても、じつはスタイルはさまざま。「蘇嶐窯」は明治・大正期に活躍した京焼青瓷の第一人者、初代諏訪蘇山の技法を受け継ぐ涌波(わくなみ)家の四代目、涌波蘇嶐さんと福岡・小石原焼の窯元に生まれた奥さまのご結婚を機に、新たなブランドとして誕生したそうです。

▲店舗兼作業場では並んで製作することもある

「茶道具だけでなく、青磁をもっと知ってもらいたい、使ってもらいたいという思いからコースターを作りました。とび鉋と呼ばれる模様は蘇嶐窯の特徴ですが、これは小石原焼の技法なんです」と、奥さまのまどかさん。

▲まどかさんは小石原焼の技法も用いる

菊の花を思わせる模様は、窯で焼く前のコースターをろくろに乗せ、古時計のゼンマイを加工した刃で表面を削ることで描きます。茶碗での作業を見せて頂きましたが、振動する刃が表面をリズミカルに削る様子には思わず見入ってしまいました。

しかし、青磁というと釉薬で仕上げられた艶のある焼物を想像しますが、このコースターは釉薬をかけないことでしっとり艶を抑えた風合いになっています。じつは、こうした仕上げや造りにもこだわりがあるそうです。

「滲みこむほどではありませんがグラスに付いた水がコースターの上に残りません。なので、グラスがコースターとくっつくこともありません。また、一見すると素焼きのように見えますが、素焼きは約900度で焼くのに対して、1280度という高温で焼き締めることで強度が高く、割れたり、欠けたりしにくくなっています。また、淡い色合いも磁器用の白い土に、顔料を錬り込んだ“錬り込み青磁”という技法ですが、窯で焼くと化学変化で色が変わるんです。代々、土作りで培ってきたデータもありますからそれを応用していますが、さらなる研究も重ねています」

近年ではヨーロッパを中心に高い評価を受けている蘇嶐窯。東洋的にも、北欧風にも見える作風のコースターは一枚3000円ほどと、お手頃な値段も魅力です。工房での作業も見学できますから、京都を訪れた際には足を運んでみてはいかがでしょうか。

>> 蘇嶐窯

2. 京扇子

大西常商店
「アロマディフューザー」

扇子といえば扇いで涼を取るのはもちろん、茶道では挨拶に欠かせない道具でもあり、日本の文化にしっかり根付いています。とはいえ、現代の生活においては使う機会は少ないかもしれません。きっと、京都のお土産に扇子っていうのもオツだけど普段使うかな…、と躊躇する方も少なくないのでは。そんな方は京扇子のノウハウを生かしたルームフレグランスはいかがでしょうか。

▲店は京町家。奥に長く続く

「大西常商店は昭和初期の創業以来、京扇子を作っていますが、それ以前も紙小物を作っていました。日本製の扇子の9割は京都で作られていますが、やはり夏のモノなんです。扇子の技術を生かして1年を通して手に取っていただけるモノはないかな、というのがルームフレグランス誕生のきっかけです」と語るのは4代目の大西里枝さん。

▲多くの職人の手により作られるのは京扇子もルームフレグランスも同じ。最終工程の部分を作業する大西里枝さん

なぜルームフレグランスなのかというと、扇子と香りには深い関わりがあるのです。京扇子を手にしたことがある方はご存知かもしれませんが、扇ぐとほのかに和を感じる香りがします。これは、扇子を作る際、骨の部分に香料を1秒ほど漬けるそうです。大西さんによると、竹は香料を吸収して、それを長く保たせる効果があるそうです。そこで、扇子作りのノウハウを生かしたルームフレグランスを思いついたのだといいます。

「扇子はいくつもの工程を経て作られますが、完成するまでに87工程、扇骨だけでも23もの工程があって、職人さんも20人以上の方が携わっています。とはいえ、扇子用の骨ではフレグランス用には適していないので、技法を生かしつつ、職人さんに専用に作って頂いています。骨も扇子では35本使いますが、フレグランス用は8本か10本です。また、厚さも香りを吸収しやすいよう薄く仕上げるなど、細かい調整をしているんです。香りも専用に開発しました」

その香りはというと、「檜」「八重桜」「白檀」と、いずれも和を感じる3種類を用意。いずれも、穏やかで心やすらぐというイメージで、現代の暮らし、住居にも違和感なく馴染みます。

また、扇骨には細かな細工が施されており、インテリアグッズとしても楽しめます。日常生活で京都の伝統を感じたいという方はもちろん、大切な方へのお土産にもぴったりではないでしょうか。価格は8000円です。

>> 大西常商店

 

*  *  *

前半ではまず2つ、「焼物」と「扇子」、京都の伝統と技法を生かしつつ、ひと工夫を加えたアイテムをご紹介しましたが、後半ではちょっとユニークな“新京都土産”をご覧いただきましょう。

3. 京友禅

SOO(ソマル)
「おふき」(1620円)
「おふきmini」(810円)

京都の伝統工芸といえば着物でおなじみの染色、“京友禅”をご想像される方も多いことでしょう。こちらは2016年に産声をあげた京友禅ブランド、SOO(ソマル)が手作業で作り上げる絹織物の眼鏡拭き。

しかし、なぜ眼鏡拭きを?と思う方もいらっしゃることでしょう。少し前まで、京都で染色は日常目にする風景でしたが、徐々に姿を消しつつあります。そこで、「着物用の高い染色技術を手軽に手に取ってもらいたい」という思いから製作に至ったそうです。

素材は眼鏡拭きやスマホ拭きに適した絹織物の着物生地を使用しており、着物の柄を染色した後、さらに眼鏡拭きの柄を染色しています。こうした染色の工程は、着物の染色をしている京都の染工場にて行っているそうです。また、サイズは17センチ四方ですが、「京の四季」や「桜に麻の葉」、「更紗花模様」など、色や柄のバリエーションも豊富。また、生地の縁も着物生地の端を切るはさみで、柄を合わせながら手作業でカットしています。

コダワリがギュッとつまったおふきですが、パッケージにもこだわりアリとのこと。着物を保管しておく際、湿気から着物を守る「たとう紙」もおふき用に作ったそうです。色や図柄、素材など、京友禅ならではの美を身近に感じてみてはいかがでしょうか。

>> SOO

 

4.京友禅チョコ

ショコラ・デ・吉祥

旅のお土産といえば“食”も外せません。京都といえば誰もが知る名の通ったお土産も少なくありませんが、友人・知人はもちろん、自分へのちょっとした贅沢に京都ゆかりの素材を使ったチョコレートなどいかがでしょうか。

ショコラ・デ吉祥は京都手書き友禅の名門である吉川染匠のブランドです。

チョコレートの見た目を彩るのは縁起が良いとされる吉祥模様。たとえば「桜」は喜びや生命力、「小槌」は金運・富貴、「雲」は五穀豊穣・未来永劫、という具合に意味があり、着物や焼物にも用いられますが、こうした図柄に精通しているのも、染色のプロならではといえるでしょう。

気になる風味はというと、カカオの風味を生かした「ナチュール」のほか、本田味噌本店の西京白味噌を使った「白味噌」、原了郭の黒七味を使った「黒七味」など、8種類をラインナップ。

舌の肥えた著名人の間でも話題の京友禅チョコ、大事な人へのお土産で差をつけたいならオススメです。価格は3種1620円から8種3888円です。

>> ショコラ・デ・吉祥

 

5. 唐紙

唐丸/(株)丸二
「ポストカード」(各367円)

唐紙と聞いても、現代の住環境では馴染みが薄いかもしれません。唐紙(からかみ)とは、奈良時代に唐から伝わった紙細工が原点。時代とともに変化を遂げていますが、今日、唐紙は主に襖紙や壁紙などに用いられています。

京都で製造される唐紙、“京からかみ”は、版画のようなモノといえば分かりやすいかもしれません。特徴は朴の木(ほおのき)を手彫りした版木を使い、雲母(うんも)や胡粉(ごふん)と呼ばれる絵具をつけ、和紙などに文様を写し出すことです。

(株)丸二は京からかみを手がける老舗で、伝統工芸品を製造するお店として京都市から「京の手しごと工芸品店」として推奨されています。また同社は、“知る” “体験する” “楽しむ“をコンセプトとした体験工房「唐丸(からまる)」を運営しています。ここには、職人が京からかみを製作する唐紙工房、京都市内唯一の「京からかみ」体験工房のほか、お土産にも適したインテリア商品を扱うギフトショップが併設されています。

▲「千鳥うちわ」(7560円)

とはいえ、京からかみにまつわるお土産ってどんなの?という方もいらっしゃるはず。手頃なモノとしては「ポストカード」や、手紙に添えるのにぴったりな「スタンプ」、凝ったところでは「うちわ」などもあります。ラインナップも豊富で、なかなかコレ!とは推しづらいところでもありますが、体験工房では各種プランの用意もありますから、まずは実際に京からかみができるまでを体験して、自分ならではの"推し"を探してみるのも楽しいかもしれません。

▲「Karakami Stamp四季」(7020円~1万584円)

>> 唐丸

*  *  *

ということで、&GPが厳選した京都の新お土産5選。京都旅行の際に参考にしていただければ幸いです。

 

(取材・文/村田尚之)

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