【マツダCX-8試乗】お手頃ガソリンエンジンでも満足!3列シートSUVの魅力は不変です

&GP / 2019年4月7日 19時0分

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【マツダCX-8試乗】お手頃ガソリンエンジンでも満足!3列シートSUVの魅力は不変です

2017年末の販売スタートから約1年が経過した2018年12月、マツダのクロスオーバーSUV「CX-8」が商品改良を実施しました。

もはやお馴染みではありますが、マツダではほぼ1年に1度のペースで、メカニズムや安全装備のアップデート、グレードやエンジンの設定見直しなどを行っています。

今回の商品改良では、それまで2.2リッターのディーゼルターボのみだったCX-8のパワーユニットに、新たに2.5リッターのガソリンターボと、2.5リッターの自然吸気ガソリンエンジンが追加されました。今回はその中から、2.5リッター自然吸気ガソリンエンジン搭載車の実力についてご紹介します。

■シンプルなメカニズムでお手頃プライスを実現

デビュー当初、CX-8に搭載されるエンジンは、“スカイアクティブD”と呼ばれる排気量2.2リッターの直4ディーゼルターボのみでした。性能はもちろん、音や振動への対策も十分のエンジンですから、ディーゼル1本でも不満を感じることはありませんでした。しかし「もし選べるならガソリンエンジンも…」と思ってしまうのが人の情。実際、2列シート版ともいうべき「CX-5」では、2.5リッター自然吸気ガソリンエンジン車の評価が高く、販売上でも結構な割合を占めています。

そして、2018年末の商品改良では、CX-8にも“スカイアクティブG”と呼ばれる待望のガソリンエンジン搭載車がラインナップに加わりました。先のレポートでは、2.5リッターガソリンターボエンジンを搭載する最上級グレードの実力について紹介しましたが、実はガソリンターボと同時に、自然吸気ガソリンエンジンを搭載する25S系グレードも新設定されています。

この自然吸気ガソリンエンジンは、排気量2488ccの直列4気筒DOHCで、最高出力は190馬力、最大トルクは25.7kgf-m。数値上では、CX-5に搭載されるものと変わりありませんが、CX-8のそれには、低負荷時に一部のシリンダーを休止させて燃費向上を図る“気筒休止システム”は採用されていません。CX-5に比べて200kgほど重いCX-8の場合、リアルワールドでの燃費やドライバビリティを重視した結果、気筒休止システムなしの方がベター、という判断が下されたようです。

自然吸気ガソリンモデルには「25S」、「25Sプロアクティブ」、「25S Lパッケージ」の3グレードが展開されますが、駆動方式は全モデルともFFのみ。駆動系に複雑なメカニズムを用いないことで、エントリーグレードの25Sは289万4400円〜、最上級グレードの25S Lパッケージで375万8400円〜という価格を実現しています。ちなみに、ガソリンターボ+4WDの「25T Lパッケージ」は424万4400円〜ですから、ざっと50万円ほどお手頃。CX-8といえば、ミニバン代わりに使える3列シートを備えたクロスオーバーSUVという一面を持ちますが、25S系はどちらかというと、肩ひじ張らずに付き合えるミニバンやサルーンのようなキャラクターを持つモデル、といえるでしょう。

■街乗りやロングクルーズでは必要十分のパワー

マツダのフラッグシップモデルでありながら、お手頃プライスを掲げるCX-8の25S系モデルですが、単なる廉価版なのかといわれれば、そんなことはありません。“アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート”&“誤発進抑制制御”や“ダイナミック・スタビリティ・コントロールシステム”&“トラクション・コントロール・システム”といった先進安全装備や電子デバイスは、全モデル標準装備となっています。

テストドライブに出掛けた中間グレードの25Sプロアクティブでは、さらに“スマート・ブレーキ・サポート”&“マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール”や、“レーンキープ・アシスト・システム”といったドライブをサポートするデバイスも標準装備となっており、搭載エンジンや駆動方式による装備面の違いはごくわずか。ガソリンターボ搭載モデルとの違いといえば、ヘッドランプウォッシャーやフロントワイパーデアイサー程度となっています。

さて、やはり気になるのは、その走り。結論からいってしまえば、街乗りやロングクルーズでは必要にして十分といえるものでした。

余裕あるトルクでシーンを問わず力強い加速を見せるディーゼルターボ。伸びやかな加速が心地良いガソリンターボに比べると、中間加速はもちろん穏やかですが、出足でもたつくことはありませんし、高速道路での巡航から追い越し加速へ、といったシーンでも、歯がゆいと感じるほどではありません。

例えば、高速道路への進入時や追い越し加速時に、右足に力を込めると3000〜4000回転ほどに達することがありますが、周りのクルマをリードするのに十分な加速を見せてくれますし、静粛性もしっかり保たれています。

もちろん、3列シートを備えたSUVだけに、車重は1770kgと相応の重量級ではありますが、ディーゼルターボモデルに比べると120kgほど軽く仕上がっている点も、動力性能に少なからず良い影響を及ぼしているようです。

■先進デバイスが支える快適な乗り心地

乗り心地に関しては、CX-8らしいしっとりとした重厚感を受け継いでいて、荒れた舗装路や、舗装と舗装の継ぎ目にある段差を通過する際も、キャビンに振動や騒音が伝わることはありません。またハンドリングについては、先の商品改良で、コーナリング時の安定性を高める“GVC(G-ベクタリングコントロール)”が“GVCプラス”へと進化した結果、レーンチェンジやタイトコーナーが続くようなシーンでも、より安定した挙動を実現しています。

GVCは、コーナーへの進入時にステアリングを操作する際、クルマ側がエンジントルクをわずかに絞り、タイヤに掛かる荷重の移動を促すことで車体の動きを安定させていました。新しいGVCプラスではさらに、ステアリングを戻す際にブレーキを制御することで、ロールの揺り戻しを抑える機能が追加されています。その制御は極めて自然で、「今、効いている!」としっかり実感できるものではありませんが、大型SUVにありがちな、ゆらり、ぐらりといった動きが抑えられているので、同乗者も快適なドライブを楽しめそうです。

お手頃価格でありながら、CX-8らしい快適な乗り味と持つ25S系。となると「では、ディーゼルターボやガソリンターボモデルは不要では?」という声も出てきそうですが、余裕あるパワーはロングクルーズやアップダウンが続くワインディングでの走りにおいて、大いに武器になりますし、4WDが選べるこれらのモデルは、積雪地やアウトドアレジャーにおいて大きなアドバンテージとなるのも事実でしょう。

一方、CX-8をミニバンやサルーンのように使いたい、とか、たまにはレジャーにも使いたい、という方には、25S系は適したモデルなのではないしょうか。ともあれ、お手頃な新しい選択肢が増えたことで、CX-8の魅力がさらに高まったことは間違いありません。

<SPECIFICATIONS>
☆25Sプロアクティブ(7人乗り)
ボディサイズ:L4900×W1840×H1730mm
車両重量:1770kg
駆動方式:4WD
エンジン:2488cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:190馬力/6000回転
最大トルク:25.7kgf-m/4000回転
価格:325万6200円

(文&写真/村田尚之)

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