今度も売れそう!ボルボ「V60クロスカントリー」はワゴンとSUVのいいとこ取り

&GP / 2019年4月21日 19時0分

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今度も売れそう!ボルボ「V60クロスカントリー」はワゴンとSUVのいいとこ取り

ボルボといえば、今、勢いに乗っているカーブランドのひとつ。

スウェーデンに本拠を構える同ブランドの世界販売台数は、ここ5年で約1.4倍に拡大。日本市場における販売台数も、同期間で約1.3倍となり、モデルによっては長期の納車待ちも発生するほどの人気を得ている。

そんなボルボの最新モデルが、今回紹介する「V60クロスカントリー」。結論からいうと、こちらも長期の納車待ちが発生しそうなほど、優れた出来栄えを誇る1台だった。

■どこか懐かしいボルボならではの走行フィール

ボルボ車は、各モデルのネーミングを見れば、どのポジショニングなのかがひと目で分かる。最初のアルファベットは種別を表していて、「S」はセダン、「V」はステーションワゴン、「XC」はSUVを意味する。そこに付随する2ケタの数字はボディの大きさを示していて、「90」はラージクラス、「60」はミドルクラス、「40」はコンパクトモデルを指す。

その“方程式”に当てはめると、V60クロスカントリーはミドルサイズのワゴンであることが分かる。しかし、最後に“クロスカントリー”と付くのがポイント。ベースとなったV60は“普通”のワゴンだが、V60クロスカントリーはワゴンとSUVを掛け合わせたクロスオーバーモデルなのだ。

専用のフロントグリルや前後バンパーに加え、タイヤの周囲に“フェンダーエクステンション”と呼ばれる無塗装樹脂製のオーバーフェンダーを装着し、タフギアのイメージを強調。しかも、単なる見た目の化粧だけに留まらず、車体を70mmリフトアップし、ステーションワゴンの派生モデルでありながら、SUVとしてのキャラクターも明確にしている。

ステーションワゴンから派生したSUVといえば、スバルの「レガシィツーリングワゴン」をベースとした「アウトバック」が有名だし、アウディの「A6オールロードクワトロ」や「A4オールロードクワトロ」、フォルクスワーゲン「パサートオールトラック」、メルセデス・ベンツ「Eクラス オールテレイン」など、今では多くのライバルが存在する。

そんな中にあって、ボルボのクロスカントリー・シリーズは、このクラスの先駆者ともいえる1台。世界初の称号こそアウトバック(日本では当初「レガシィ グランドワゴン」を名乗った)に譲るが、それ以外のライバルよりも早い1997年に、ボルボ初のクロスカントリー・シリーズ「V70XC AWD」がデビューしている。ボルボのワゴンがまだ真四角なデザインをまとっていた時代で、ベースモデルは「850」のステーションワゴン仕様「850エステート」から派生した、初代「V70」だった。

■広くて機能的なラゲッジスペースが魅力

そんなバックグラウンドを持つV60クロスカントリーでまず注目すべき点は、ステーションワゴンをベース車とすることで実現した優れた積載性。「SUVと大して変わらないのでは?」と思う人もいるかもしれないが、実はそうではない。例の“方程式”で同じ車体サイズに分類されるボルボのSUV「XC60」とラゲッジスペースの容量を比べると、XC60の505Lに対し、V60クロスカントリーのそれは529Lと大きい。

しかも、荷室の高さ方向で容量を稼ぐXC60に対し、V60クロスカントリーは荷室フロア自体の面積で容量を稼いでいるため、実際に荷物を積み下ろしてみると、数値以上に大きさ、使い勝手の良さを実感できる。例えば、キャンプやウインタースポーツに出掛ける際は荷物がかさばりがちだが、そんなシーンにおいて、ステーションワゴンをベースとすることのメリットが際立ってくるのだ。

ちなみに、529Lというラゲッジスペース容量は、先代V60の430Lはもちろん、ライバルに相当するアウディ「A4アバント」、メルセデス・ベンツ「Cクラスワゴン」、BMW「3シリーズツーリング」などを凌駕しており、クラストップの数値を誇る。

■機械式立体駐車場に収まるサイズを実現

一方、純粋なステーションワゴンと比べた際の実用面における違いは、リフトアップされた車体に尽きる。全高は、機械式立体駐車場にも入庫可能(ただし全幅が1895mmなので、利用できるのは大型サイズのパレットに限られる)な1505mmに抑えつつ、悪路走破力を左右するひとつの目安とさえる最低地上高は、ワゴンのV60より65mmも高い210mmを確保している。そのメリットは、キャンプへ出掛けた際のキャンプ場周辺のラフロードで、また、スキーやスノーボードへ出掛けた際の雪が深く積もった道や駐車場などで実感できることだろう。

ちなみに、近年のSUVブームを受けて、最低地上高の高いモデルが増えているが、それでも210mmという数値は、かなり高め。クロスオーバーSUVの中には、V60クロスカントリーよりも低いクルマが少なくないほどだ。

しかも、リフトアップのメリットはそれだけではない。乗るたびに実感できる長所として挙げたいのは、乗り降りがしやすいこと。地面に対して着座位置が上がることで、セダンやワゴンよりも自然にシートに収まることができる。それでいて、SUVよりはシートの位置が低いので、クルマによじ登る必要もない。スムーズかつラクに乗り降りできるのも、V60クロスカントリーの魅力の一端といえるだろう。

■4WDを選べるV60はクロスカントリーだけ

新型V60クロスカントリーの走りは、どこか懐かしいボルボ車のテイストを思い起こさせてくれる、味わい深いものだった。

近年のボルボ車は、スポーティなハンドリングに目覚め、軽快で気持ちのいい走りを身につけている。しかし、新型V60クロスカントリーのそれは、車高がアップしていることもあってか、いい意味でのユルさが余裕となり、結果的に肩ヒジ張らずにのんびりとドライブを楽しめるクルマに仕上がっている。

それは、かつてのボルボ車が備えていた走りのテイストとオーバーラップするもので、速度を上げずにゆったり走り、ロングドライブでも驚くほど疲れないという、ボルボ本来の持ち味。どっしり構えた走りの感覚を味わるためだけに、新型V60クロスカントリーを選びたくなるほどだ。

新型V60クロスカントリーのバリエーションは、エントリーグレードの「T5 AWD」を軸に、1インチアップの19インチタイヤを履き、インテリアをファインナッパレザーのシート生地やウッドパネル(エントリーグレードはそれぞれ、合成レザーとアルミニウムパネルになる)でコーディネートした上級仕様「T5 AWD Pro」も設定。

後者には、ハーマンカードンのプレミアムオーディオや360度ビューカメラ、キーレスエントリー、フロントシートヒーター、電動開閉式のリアゲートなども組み込まれるほか、オプションで“Bowers & Wilkins(バウアーズ&ウィルキンス)のプレミアムサウンドシステムも用意される。価格はT5 AWD が549万円、T5 AWD Proが649万円。

いずれもエンジンは、254馬力を発生する2リッターの 4気筒ガソリンターボで、駆動方式は4WD。ベースとなったV60は、今のところFFだけのラインナップであり、4WDを選べない。こうした駆動方式の違いも、V60クロスカントリーの特徴といえるだろう。

そして、ボルボといえばやはり、安全装備だが、新型V60クロスカントリーには、前方から向かってくる対向車に対しても作動する衝突回避・被害軽減ブレーキを始め、世界最高レベルの先進安全装備を、全グレードに標準装備している。

「ステーションワゴン以上、SUV未満」というキャラクターではあるものの、優れた実用性や遊びとのマッチングの良さを考えれば、「SUV以上、そしてステーションワゴン以上」となる個性派モデル、それが新しいV60クロスカントリーだ。実はここ日本では、そのキャラクターを魅力的に感じる人が多いようで、先代はV60シリーズのうちの約4割を、クロスカントリーが占めていた。完成度が格段にアップした新型は、先代を凌駕するほどの人気モデルになりそうだ。

<SPECIFICATIONS>
☆T5 AWD Pro
ボディサイズ:L4785×W1895×H1505mm
車重:1810kg
駆動方式:4WD
エンジン:1968cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:254馬力/5500回転
最大トルク:35.7kgf-m/1500〜4800回転
価格:649万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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