ジープ「ラングラー」のスゴい走破力!特別なドラテクなしでも過酷な悪路をガシガシ進む

&GP / 2019年7月22日 19時0分

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ジープ「ラングラー」のスゴい走破力!特別なドラテクなしでも過酷な悪路をガシガシ進む

「日本ではアメリカ車が売れていない」。そう口グセのように繰り返すアメリカのドナルド・トランプ大統領。確かにそれは、否定できない事実だが、実は日本にも、その事実が当てはまらないブランドがある。それがジープだ。

ジープの日本でのセールスは絶好調。販売実績はここ10年間で、約10倍へと飛躍的に拡大、2018年のセールスは1万台を超えた。街で見かけるクルマのほとんどが日本車という環境を考えれば、輸入車としては決して少なくない数字。「分かってないなぁ。日本人が好きなアメ車ブランドだってあるのに」と、トランプさんに教えてあげたいデータである。

■多彩な魅力を備えるジープの代名詞

そんなジープの中で、最もその伝統を受け継ぎ、最も色濃くブランドの精神を継承した“ジープofジープ”といえる存在が「ラングラー」。実はそのラングラーが、日本におけるジープの主力製品となっていることをご存じだろうか? 日本におけるジープの販売台数のうち、約4割を占めるのがラングラー。世界的に見ても、なんと日本は北米に次ぐ2番目の市場規模となっている。こうした点も、トランプさんにぜひ教えてあげたいところだ。

ラングラーの魅力は、なんといっても我が道を突き進む個性だろう。第二次世界大戦中の軍用車両をルーツに持つ血筋は、昨今の軟派なSUVとは明確に異なり、悪路走破力を第一に考えた生粋のオフローダーであり続ける。さらに、他のクルマとは明らかに異なる唯一無二のスタイリング、そして、ワイルドな雰囲気は、多くの日本人を虜にする。ほかのクルマでは味わえない世界観、それがラングラーにはあるのだ。

ラングラーはまた、魅力的な限定車を矢継ぎ早にリリースすることで、ファンを飽きさせることがない。

例えば、6月に発売された「ラングラー アンリミテッド ルビコン スカイワンタッチパワートップ」(613万6000円)は、ルーフが通常の日本仕様にはない電動開閉式キャンバストップとなっていて、スイッチ操作で気軽にオープンエアを実現する。

ラングラーの屋根は脱着式ではあるものの、それを外すには手間と時間がかかる。その点、このモデルの電動開閉式なら、サッと気軽に開け閉めできるし、閉じた時の黒い布の屋根や、オープン時にキャンバストップが蛇腹状に折り畳まれる姿も魅力的。その自由な発想に、心を撃ち抜かれそうになる。

また7月には、夏の海をイメージした限定車「ラングラー アンリミテッド BIKINIエディション」(583万2000円)も登場した。こちらはひと目で分かる通り、“BIKINI”と名づけられたターコイズブルーのボディカラーが特徴。

さらには、日本の老舗テントメーカーOgawaとコラボしたサイドタープも付属するなど、夏のレジャーにマッチした仕立てとなっている。

■ラングラーの悪路走破力はケタ外れ!

このように、話題に事欠かないラングラーにあって、最もオフロード性能を高めたグレードが、ここに紹介する「アンリミテッド ルビコン」だ。オフロード性能を高めるべく、他グレードと比べて多くの部分が変更されているが、その真骨頂といえるのは、4WDシステムの高度化だろう。

4輪駆動のローレンジ「4L」では、副変速機のギヤ比を通常の2.717に対して4.100までローギヤ化し、さらに最終減速比も、通常モデルの3.454から4.100に変更。それらにより、岩場や凹凸のある極悪路を走る際、人間が歩くよりも低い速度で、より大きな力を路面へ伝えながら、地面をはうように前へ前へと進むことができる。

さらには、前後のディファレンシャルギヤにスイッチ操作で動きを止めるデフロックを組み合わせ、その上、フロントサスペンションをより柔軟に動かしてタイヤを路面へしっかり接地させるべく、電子制御でフロントのスタビライザーを解除する機能まで搭載。ルビコンはまさに、極悪路を走るために生まれてきた仕様なのだ。

今回はそんなルビコンで、オフロードコースを走る機会を得た。コースは山の斜面を利用したかなり本格的なもので、勾配は険しく石もゴロゴロしていた。一般的なSUVでは、まず走り切れないコースだ。

そこをルビコンで走り出したのだが、驚いたのは、走行コースの指定に加え、「4Lで走ること」、「ゆっくり走れ!」といった指示こそあったものの、「このラインを走れ」というレクチャーがなかったこと。オフロード走行の経験がない人も含まれる試乗会では、通常、自らハンドルを握る前に、インストラクチャーによるレクチャーで走り方のガイドを受けるのが一般的。なぜなら、わだちや溝などをどうやったら超えられるか、ということを知らないと、即、スタックにつながるからだ。

ところが、今回のルビコンの試乗会では、そういったレクチャーは一切なく、参加した多くのドライバーが、神経を使わず自由気ままに溝や穴を乗り越えていた。しかも、わだちを避けて走る人が少なかったため、走行を重ねるうちに、わだちはどんどん深くなっていったのだ。

しかし、ジープのインポーターであるFCAジャパンの狙いは、どうやらそこにあったようだ。悪路の走り方に関するレクチャーがなく、参加者が自由気ままに走っても、当日、スタックしたクルマはゼロ。特別なテクニックなしにクルマ任せで走るだけで、ルビコンなら驚くほど険しい悪路だって走破できてしまう。

■大人の冒険心を駆り立てるラングラー

今回の試乗会で、そのケタ外れの能力を逆に思い知らされることになったラングラーのルビコン。まるで、命が吹き込まれたかのように淡々と悪路を行くルビコンの姿は、とても力強く、そして頼もしかった。それでいて車内は、快適そのもの。レザーシートに座り、傾斜を始めとする路面状況をモニターでチェックしながら進んでいくだけで、難コースもラクに走破してくれる。

裏を返すと、オフロードを走るテクニックを持ち合わせているドライバーであれば、さらに激しいコースでも走破できる、ということ。ジープが似合う過酷なオフロードといえば、なんといっても、米・カリフォルニアの森の中にあり、ジープが悪路走破力を磨くためのテストにも使用する“ルビコントレイル”が思い浮かぶ。そして、ラングラーでオフロードコースを走っていると「いつかは自分もルビコントレイルを走ってみたい」という気持ちになってきた。もしかするとラングラーの最大の魅力は、大人になると忘れてしまいがちな“冒険心”を駆り立ててくれること、ではないだろうか? そんなクルマは、ほかではちょっと見当たらない。

<SPECIFICATIONS>
☆アンリミテッド ルビコン
ボディサイズ:L4870×W1895×H1850mm
車重:2050kg
駆動方式:4WD
エンジン:3604cc V型6気筒 DOHC
トランスミッション:8速AT
最高出力:284馬力/6400回転
最大トルク:35.4kgf-m/4100回転
価格:588万6000円

(文/工藤貴宏 写真/工藤貴宏、FCAジャパン)

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