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【知識】ケーブル複数持ちの時代が変わる?「Type-C」が画期的な理由

&GP / 2019年8月1日 6時30分

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【知識】ケーブル複数持ちの時代が変わる?「Type-C」が画期的な理由

アンカー・ジャパンは、製品発表会「Anker Power Conference – ’19 Summer」を開催。独自技術の「PowerIQ」が進化した、最新の「PowerIQ 3.0」を搭載するUSB急速充電器の新製品を発表しました。

また、発表会当日は、アンカー本社でチャージング部門のトップを務めるBen Zhang副社長が来日。そこで、アンカーの製品にも搭載され、現在充電ポートの主流でもある「USB Type-C」は、これまで主流だったType-Aやmicro USBと比べて何がスゴイのか、直々にインタビューできたので、その模様もお届けします。

■PowerIQ 3.0搭載の新シリーズ「PowerPort Atom Ⅲ」

「PowerIQ」とは、アンカー独自の急速充電技術のこと。充電器に搭載されたICチップが接続した機器を自動で認識し、その機器に最適な速度で充電できる技術です。最新技術である「PowerIQ 3.0」は、初めてUSB Type-Cに対応。また最大100Wの入出力が可能な「USB Power Delibary」にも対応しています。

▲これまで2014年に「PowerIQ」が、2018年に「PowerIQ 2.0」が発表されてきた

そんなPowerIQ 3.0を搭載するUSB急速充電器が、「PowerPort Atom Ⅲ」シリーズとして発表されました。シリーズの目玉となるのは、「PowerPort Atom Ⅲ 60W」と「PowerPort Atom Ⅲ(Two Ports)」。

どちらも次世代パワー半導体素材「GaN」を採用したことで、コンパクトなサイズを実現。USB Type-C対応機器を幅広くサポートし、スピード充電が可能です。

▲(左)「PowerPort Atom Ⅲ 60W」(3999円)(右)「PowerPort Atom Ⅲ(Two Ports)」(4299円)どちらも今夏発売予定

「PowerPort Atom Ⅲ 60W」は、最大60Wの高出力ながらノートPCに付属する従来の30W出力の充電器とほぼ同じサイズを実現したコンパクトさがウリ。MacBook Proにも充電が可能です。

「PowerPort Atom Ⅲ(Two Ports)」は、PowerIQ 3.0(USB Type-C)とPowerIQ 2.0(USB Type-A)の両方に対応し、スマホやノートPCなど2台同時に充電できます。

▲上のポートがPowerIQ 3.0(USB Type-C)下がPowerIQ 2.0(USB Type-A)価格:3999円

また、薄くて持ち運びに便利な「PowerPort Atom III Slim」も注目の製品です。PowerIQ 3.0とGaNを採用した充電器ですが、その薄さはわずか16mm。手のひらや胸ポケットにもすっぽりと収まるサイズなため、荷物がかさばらず、旅行や出張のお供にぴったりです。

▲名刺入れより小さいサイズだ

 

■キャンプで大活躍しそうな「Nebula Capsule Ⅱ」

充電器のほか、今回のカンファレンスにおけるもうひとつの注目製品が「Nebula Capsule Ⅱ」。世界初のAndroid TV9.0を搭載したモバイルプロジェクターで、YoutubeやNetflix、Amazonプライムビデオなど、3600以上のアプリが利用できます。

▲サイズは高さ約150×直径80mm、重量は約740g

前モデル「Nebula Capsule」から、明るさは2倍(200ANSIルーメン)、解像度は1.5倍(720P)と性能が大幅アップ。最大100インチの大画面で投影できます。また、投影した映像の傾きや焦点を調整するオートフォーカス機能を搭載します。

▲最大100インチの大きさで投影可能。部屋の壁や天井に投影して楽しめる。価格:5万9800円

ACアダプターには「PowerPort Speed PD 30」が付属。約2.5時間でフル充電でき、動画は約3時間、音楽は約10時間再生できます。USB Type-Cのほか、Type-A、HDMI接続にも対応しており、ゲーム機をつないで大画面でプレイしたり、PCモニターとして使ったりできます。

■最速の充電スピードを誇る「USB Type-C」

ここまで新製品を紹介してきましたが、どれも「USB Type-C」対応を特徴とするものばかり。一体「USB Type-C」とは何なのか、Type-Aとは何が違うのでしょうか。そんな疑問を、アンカー本社から来日していたBen Zhang副社長にぶつけてみました。

▲本社でチャージング部門のトップを務めるBen Zhang副社長

――Type-CやType-Aという言葉は知っていても、どんなものなのか知らないユーザーは多いと思います。実際何が違うのですか?

Zhang氏:おっしゃるとおり、どのような充電技術なのか理解しているユーザーは少ないでしょう。まず、Type-Cは、Type-AやType-B(micro)と形状が異なります。Type-Cの端子は上下の違いがなく、反転させても接続できます。これはひと目でわかる違いですね。また、充電スピードが最も速いことも大きな特徴です。さらに高速のデータ転送もできます。

最近では、ノートPCやスピーカーやヘッドホンでも、Type-Cを搭載する製品がたくさん出ています。それらのデバイスを同じポートで充電でき、ひとつの充電器やコードで対応できるので非常に便利なんです。

――Type-Cをデバイスに搭載するのは技術的に難しいのでしょうか?

Zhang氏:単純に、Type-Aやmicroからポートを換えればいいわけではありません。基本的に、従来のType-Aやmicroの最大電圧は20数ワット。Type-Cは最大100ワットの出力に対応します。

こういった高出力に対応するには、製品のすべてを作り替えなければなりません。開発においては「プラットフォーム」が重要で、そのプラットフォームによって搭載するチップや電気設計を考える必要があるんです。

――なるほど。アンカーさんがType-Cに注目したのはいつごろなんですか?

正確には覚えていないのですが、おそらく2016年頃だったと思います。2017年から多くのリソースを投入し、Type-C搭載の製品を開発してきました。

――3年前ですか。最初の製品はどんなものですか?

Zhang氏:最初に出したのはケーブルです。ケーブルの製品は、充電器などに比べて複雑ではないので開発期間もわりと短かったですね。2016年から2017年にかけて開発し、リリースしました。Type-Cが登場してから、いち早く製品をリリースした企業のひとつだと自負しています。

ところで、弊社のType-C to Lightningケーブルを使って充電したことはありますか?

――ノーノー、ないです(汗)。

Zhang氏:オーケー、Not yet!

 

■これからはユーザーが見たことのないものを

――そういった開発におけるノウハウがアンカーさんの強みなんですね。

Zhang氏:これまでチャージングという分野でやってきたなかで、積み上げてきたノウハウや経験はうちの宝です。また先進技術の開発は、メーカーの協力があってこそ可能です。そうして築いてきた他の企業との関係も、アンカーの強みです。

もちろん、お客様の信頼も大事な宝物です。これまでアマゾンをメインに展開してきましたが、ユーザーの意見をたくさんいただいてきました。お客様の声が、製品開発のきっかけになることもあります。

たとえば、PowerIQ 3.0。さまざまなメーカーが独自スペックの製品を出すなか、その都度専用のデバイスを買わなければならないユーザーの痛みを感じていました。もしすべての充電規格を互換できるようになれば、と考えたのが開発の始まりです。

ざっと数えてみても、Type-C搭載のチャージング製品は50以上あります。モバイルバッテリーやケーブルだけでなく、HDMIなどたくさんのポートをひとつの製品に集約できるハブ製品も揃えています。

――豊富なラインアップも強みですね。

Zhang氏: Soundcore(サウンドコア)やeufy(ユーフィ)、Nebula(ネビュラ)など、周辺機器も充実しています。

▲今回発表された新製品のベッドサイドスピーカー「Wakey」。天面にQi対応のワイヤレス充電器を搭載し、目覚まし時計としても使える

▲同じく新製品のロボット掃除機「RoboVac L70 Hybrid」。シリーズ初のSLAM搭載モデルで、掃除しながらリアルタイムで空間をマッピングできる

――今後はさらにラインアップを拡大されていくと思いますが、現時点で何かプランを教えていただけますか?

Zhang氏:プランは主にふたつあります。ひとつは、チャージング分野における新製品の開発です。具体的には言えませんが、みなさんがまだ見たことのないものになるでしょう。

ふたつ目は法人向けの製品です。オフィスやホテルなど異なる場所でも利用できるものを、アライアンスとして、他のブランドと組んで製品を開発しています。

Type-Cはスマホだけでなく、PCなどのデバイスにもどんどん搭載されてきているので、ユーザーのニーズもこのまま推移していくはずです。充電技術の発展はユーザーにとって大きな利益になると思っています。

充電速度が速くなり、データ通信もでき、ひとつのポートで対応できる。これらは重要なイノベーションなんです。アンカーとしても、優れたType-C搭載製品をさらに開発し続け、チャージング業界のリーダーでありたいと思っています。

                 *  *  *

USB Type-Cへの理解が深まったところで、インタビューは終了。たしかに、いつも自分が持ち歩いているデバイスを見てみると、スマホやノートPC、ワイヤレスイヤホンなどなど、それぞれポートは異なります。これらがひとつの充電器やケーブルで接続できたら、どれだけ便利で快適か。アンカーの今後の新製品に期待せずにはいられません。

 

(取材・文/友納一樹<ゴーズ>)

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