峠道でも爽快に走れます!アルファロメオ「ジュリア」ディーゼルは驚くほどスポーティ

&GP / 2019年8月24日 19時0分

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峠道でも爽快に走れます!アルファロメオ「ジュリア」ディーゼルは驚くほどスポーティ

アルファロメオにディーゼルエンジン? イタリアが誇るアルファロメオといえば、アドレナリンを沸騰させるかのごとく“走りの快楽”に満ちあふれた官能的なブランドだ。だから、そのラインナップにディーゼル仕様が用意されたとなれば、“アルフィスタ”と呼ばれる熱狂的ファンのみならず、クルマ好きの多くが耳を疑うに違いない。

確かに先日、アルファロメオ「ステルヴィオ」にディーゼル仕様が加わったが、ステルヴィオはあくまでSUV。車体が重く、エンジンをガンガン回して走るキャラクターでもないSUVは、ディーゼルエンジンとの相性がいいとされている。

しかし、ここに紹介する「ジュリア」は、アルファロメオの正統派セダン。そこにディーゼルエンジンが搭載されたとなれば、クルマ好きが驚くのも無理はない。

■ディーゼルにも一家言持つアルファロメオ

とはいえ、ヨーロッパ市場においては、アルファロメオのディーゼル仕様はごく当たり前の存在。それどころか、今では乗用車用ディーゼルエンジンの大半が採用している、超高圧の“コモンレールシステム”と呼ばれる機構を初めて乗用車エンジンに搭載したのは、何を隠そうアルファロメオだった。

緻密な燃料噴射制御を可能とする高圧インジェクターの採用で、フィーリングの向上とパワーアップ、そして、燃焼効率の向上による排出ガスのクリーン化も実現するというのが、コモンレールシステムのウリ。そんな同システムが初めて搭載されたのは、日本でも大ヒットしたセダン「156」で、1997年のことだった(156のディーゼル車は日本には導入されず)。

さらに、2003年から2005年にかけては、ディーゼルエンジンを搭載した「147」で“世界一の草レース”として知られるドイツ・ニュルブルクリンクでの24時間耐久レースに参戦。ディーゼル車部門を3年連続で制覇している。このようにアルファロメオは、ディーゼルエンジンに対しても一家言持つブランドなのだ。

■ジュリアはアルファロメオの作ったBMW「3シリーズ」

今回試乗したのは、ジュリアに追加されたディーゼル仕様「ジュリア 2.2ターボディーゼル スーパー」。試乗コースは、ディーゼルエンジンにとってネガな要素が出やすい、ワインディングロードを選択した。

試乗へ移る前に、改めてジュリアのポイントについておさらいしておこう。ジュリアというクルマは、いうなれば“アルファロメオの作ったBMW「3シリーズ」”。ボトムグレードで446万円、そして(超高性能グレード「クアドリフォリオ」を除く)アッパーグレードで600万円弱という価格設定は、“Dセグメント”に属す欧州プレミアムセダンのライバル、3シリーズやメルセデス・ベンツ「Cクラス」とほぼ同じ。中でもジュリアは、走りにこだわったモデルだけに、直接のライバルはやはり3シリーズとなる。

ポジショニングとしては、20年ほど前に日本でもヒットした156の後継だが、当時と比べると、アルファロメオ車のクオリティや品質は大きく上がった。インテリアの仕上げを見ると、「イタリア車もここまで来たか!」と感慨深い。ドイツ車に匹敵するレベル、とまではいわないが、車格に見合うだけのクオリティは備えている。

一方、デザインに関しては、アルファロメオらしさが炸裂している。イタリアの彫刻のようにダイナミックなボディパネルの面構成は、精悍さを追求したドイツ車とは一線を画す、色気の漂うもの。

この辺りは、156のセクシーなラインを彷彿させるものがある。正直にいえば、156の頃に比べると価格がアップし、少し縁遠い存在となった気もするが、それは他車も同様。3シリーズのライバルと考えれば、ジュリアの価格設定は素直に納得できる。

■峠道での走りを楽しめる希有なディーゼル車

そんなジュリアに加わったディーゼル仕様は、果たしてクルマ好きが納得できる走り味を備えているのか?

走り出してみると、“低回転域でのトルクが太くて運転しやすいが、高回転域は苦手で面白味に欠ける”というこれまでのディーゼル車の常識が、まるで当てはまらないことがすぐ分かる。

それくらい、ジュリアに積まれるエンジンは、ディーゼルとは思えないほど高回転域で元気がいい。さすがはイタリア車と、いったところだ。しかも特筆すべきは、このディーゼルエンジンはトルクが強力なこと。190馬力という最高出力こそライバルと同等だが、3シリーズやCクラスのディーゼルエンジンより排気量が200㏄大きい強みを生かし、最大トルクは45.9kgf-mとライバルの1.5割増しとなっている。おまけに、ライバルと比べて車両重量が軽いこともあって、アクセルペダルを踏んだ時にググッと前へと押し出される感覚が強く、より一層、元気な印象につながっている。

にも関わらず、ジュリア・ディーゼルは高回転域での回転フィールがとても爽快だ。低回転域で力強いディーゼルエンジンの多くは、高回転域まで一気に盛り上がるガソリン車とは異なり、発進加速の際に力強くダッシュするものの、高回転域まで回すとパワーが抜けるような感覚がある。

しかし、ジュリアに積まれるディーゼルエンジンは、一般的なそれと比べて高回転域でもパンチがあり、アクセルペダルをガンガン踏み込みたくなる元気さにあふれている。ワインディングロードにおいて、これほど走りを楽しめるディーゼル車は、ほかではちょっと見当たらない。

ちなみに、ジュリア・ディーゼルは静止状態から100km/hまで、わずか7.2秒で加速する。これは、日本を代表するスポーツカーであるトヨタ「86」より、ほんの少し遅いだけ。ディーゼル車でありながら、かなり駿足だ。

それでいて燃費は、実燃費に近い計測方法とされるWLTCモードで、17.2km/Lという優秀なデータを記録。しかも、軽油はハイオクより2割ほど燃料単価が安いから、ランニングコストが安いといううれしいメリットがもれなくついてくる。

「カッコ良くて走りが楽しく、人とはちょっと違うセダンが欲しい」。ジュリアのディーゼル仕様は、そんな欲張りな貴方の希望を叶える1台だ。ライバルと比べて美しい、セクシーなジュリアのディーゼルエンジンを、イタリア人さながらにガンガン回してドライブすれば、イタリア車の真髄を感じ取ることができるだろう。

<SPECIFICATIONS>
☆2.2ターボディーゼル スーパー
ボディサイズ:L4645×W1865×H1435mm
車両重量:1600kg
駆動方式:FR
エンジン:2142cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:190馬力/3500回転
最大トルク:45.9kgf-m/1750回転
価格:556万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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