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話題のスマートディスプレイ 最も使いやすいのはどれ?

&GP / 2019年8月30日 6時30分

話題のスマートディスプレイ 最も使いやすいのはどれ?

話題のスマートディスプレイ 最も使いやすいのはどれ?

スマートディスプレイって、ご存知ですか? ディスプレイが付いたスマートスピーカーのことです。と言っても、まだWikipediaにも載っていない新しいデバイスです。

2017年から「OK Google」「Alexa(アレクサ)」「Clova(クローバ)」などと呼びかけて、現在時刻や天気を確認したり、音楽を聴いたり、家電を操作したりできるスマートスピーカーがじわじわと普及しています。スマートディスプレイは、スマートスピーカーをより便利に活用できるデバイスとして、ブームの第2波になるのではないかと期待されてます。

音声操作して画面を見るなら、スマホを置いておけばいいじゃん。って思う人もいるかもしれませんね。でも、スマートディスプレイはスマホとは違います。あくまでも据え置き型のスピーカーとして役立つ設計になっているんですよ。

今年の夏は、そんなスマートディスプレイの注目モデルが続々と発売されました。その中から、ベッドサイドに置きたいコンパクトな3モデルを使い比べてみました。

 

■小さいことが魅力!「Lenovo Smart Clock」は賢い目覚まし時計

最初に使ってみたのは、レノボの「Lenovo Smart Clock」(9100円)。今回使い比べた3モデルの中では最も小さい4インチのディスプレイを搭載しています。

▲4インチのディスプレイを搭載

▲上部に音量調節ボタンを搭載

▲背面にはUSBポートを搭載し、スマホの充電もできる

Lenovo Smart Clockは、その名の通り、目覚まし時計としての機能を最重視して開発されたデバイスです。「Googleアシスタント」が搭載されていて、「OK Google」や「ねぇ、Google」と話して、知りたい情報を引き出せます。

4インチ画面の解像度は800×400ドット。時刻だけでなく、天気などの情報や、再生中の楽曲名なども表示されますが、必要最低限の情報という感じです。基本的には音声での確認が主体で、補助的に画面でも確認できるといった感じ。3Wのフルレンジスピーカーとデュアルパッシブラジエーターを搭載しているとのことで、音質はそこそこ。ベッドルームでほどほどの音量でリラックスできる音楽を流したりするにはちょうどよさそうです。

▲天気予報を表示させた画面

▲ニュースを聞く時の画面

目覚ましのアラームや音声でも画面タッチでの設定できます。Googleアシスタントには「おはよう」や「おやすみ」などの言葉をコマンドとして、複数の一連の操作を行えるルーティン機能があります。Lenovo Smart Clockには、あらかじめプリセットされているルーティンがあり、例えば「おはよう」と話すと、その日の天気やスケジュール、交通情報などを知らせてくれます。もちろん、自分が知りたい情報を聞けるようにカスタマイズもできますが、初心者にはわかりやすいのではないかと思います。

▲時計のデザインは変更可能

▲アラーム音を変えたり、ルーティンを有効にするなど、自分によって便利になるようにカスタマイズできる

夜間には画面が暗くなり、起床時間が近づくと徐々に明るくなる機能も備えています。アラームも徐々に大きくなる仕組みで、画面をタップするだけで消音できます。あとで気付いたのですが、本体の上部にセンサーが搭載されていて、ポンと叩くだけでもアラーム音を消せるようです。

サイズは約113.88×75×79.2mmで、重さは328g。手のひらに載るコンパクトサイズ。自宅で使うだけでなく、出張などに携帯するのもいいかもしれません。

 

■フレキシブルに使える「Amazon Echo Show 5」はコスパ◎

「Amazon Echo Show 5」(9980円)は、Amazon Alexaに対応するスマートディスプレイで、5.5インチのディスプレイを搭載しています。Amazonは10.1インチのディスプレイを搭載する「Echo Show」(2万7980円)と、2.5インチの円形ディスプレイを搭載する「Echo Spot」(1万4980円 → セールで7980円)という製品もリリースしていますが、Echo Show 5は、サイズとしては、その中間に位置づけられます。

▲左がEcho Show 5で、右がEcho Spot

▲Echo Show 5にはAmazonアカウントを用いてビデオ通話をできる機能がある。使わない場合は、上部右にあるスイッチで、ディスプレイの右上のあるカメラのレンズを物理的に隠せる

▲背面には電源のほかに、microUSBとイヤホンジャックを装備

実は昨年の夏からEcho Spotを使っているのですが、Echo Show 5も機能は同等のようです。Echo Show 5のほうが画面が大きく、安いので、お買い得と言っていいでしょう。

Echo Show 5のいいところは、まず、設定が簡単なこと。画面のないAlexaデバイスでは、スマホにインストールしたアプリを用いて設定する必要があります。Googleアシスタント搭載デバイスでは画面があってもスマホでの設定が必要です。つまり、Echo Show 5はスマホがなくても、Wi-Fiに接続できれば設定して使えるんです。自分用ではなく、家族のために購入した場合にもスムーズに設定できますし、万が一、動作不良が生じた場合のリセット操作なども簡単に行えます。

サイズは148×86×73mmで、重さは約410g。横長の画面は、大画面スマホと同等ですが、ベゼルが太いので、スマホよりもひと回り大きく感じます。後ろに長いデザインで、メッシュ状の外装が施されています。一見、そこから音が響くように思いがちですが、音はディスプレイの下から前方に響きます。しかも、かなり迫力のある音量・音質で、音楽を楽しみたい人も満足できそうです。

Amazonプライムの会員が追加料金なしで聴ける「Prime Music」を聴いてみたところ、なんと歌詞が表示されました。これは、Googleデバイスにはない、Alexaのアドバンテージと言っていいでしょう。なお、歌詞表示には対応しませんが、Apple MusicやSpotifyも再生できます。

▲Prime Musicを再生すると、楽曲によっては歌詞が表示される

最新のニュースを動画で見たり、「Prime Video」を観たりすることも可能。「YouTube」には対応していませんが、ブラウザでYouTubeにアクセスして再生することはできました。円形ディスプレイの「Echo Spot」では、動画や写真を表示すると一部が隠れてしまうため、ニュースのテロップ表示がフレームアウトするなど、ストレスを感じることがあります。一方、Echo Show 5は、横長の画面(960×480ドット)に切れることなく表示されます。

▲テレビさながらに最新ニュースの動画を見ることも

▲ウェブブラウザを搭載し、タッチ操作でウェブサイトを検索・閲覧できる

Alexaは2500以上の「スキル」を利用できることもメリット。スキルとは、スマホにおけるアプリのようなもので、自分が使いたいものを有効化して、声で起動できるようになります。スマホにインストールしたアプリでも設定できますが、Echo Show 5では画面をタッチして検索でき、「Alexa、〜を教えて」などと話しかけた時に、利用すると便利なスキルを教えてくれたりもします。

▲画面表示に対応するスキルをタッチ操作で探せる

▲スマート家電のコントロールも可能

Echo Show 5は、いまスマートディスプレイに求められる機能をほぼ網羅しているデバイスと言ってもいいでしょう。9980円は安いと思います。

 

■「Google Nest Hub」はデジタルフォトフレームとしても活躍

「Google Nest Hub」(1万5120円)は、Googleアシスタントを搭載したスマートディスプレイで、7インチのディスプレイを搭載しています。画面解像度は1024×600ドットで、今回使い比べた3モデルの中では、最も見やすい画面を備えています。ファブリック素材を生かしたスタンドにタブレットを貼り付けたようなデザインで、正面から見ると、コンパクトなテレビといった趣きもあります。

▲7インチの見やすい画面で、Google Nest Hubでできることを調べられ、音声コマンドも覚えられる

▲土台は手触りのよいファブリック素材。カラバリは4色から選べる。ディスプレイ部の背面にマイクのミュートボタンと音量調節ボタンがある

▲底面は樹脂素材で滑りにくい

Google Nest Hubは、従来から販売されているスマートスピーカー「Google Home」と同じように声でいろいろなことを調べたり、音楽を再生したり、家電を操作したりできます。Google Homeにできて、Google Nest Hubにできないことはないはずです。初期設定は、スマホにインストールした「Google Home」アプリで行います。Googleアシスタントのデバイスは、複数台を組み合わせて利用でき、家族それぞれの声を聞き分けてくれたりするスグレモノ。それだけに、初期設定はやや煩雑な印象です。とは言え、基本的には画面に表示されるガイドに従ってタップしていくだけで設定できます。

▲目的地までの行き先を調べた場合、地図も表示される

▲声で調べた情報を画面で確認でき、表示される項目をタップして、より細かい情報を調べることもできる

▲連携するスマート家電の操作も可能だ

実際に使って最も便利だと感じたのは、デジタルフォトフレームとして使える機能。「Googleフォト」と連携し、「最近のハイライト」や自分で編集したアルバムの写真などがランダムで切り替わって表示されるように設定できます。「最近のハイライト」に設定して使ってみたところ、縦向きの写真は2枚並べて表示されたり、何枚も同じような写真を撮っていた場合に、自動でベストショットが選ばれて表示されたり、細かい部分にも工夫が感じられます。スマホで撮った写真はプリントすることもなく、撮りっ放しになりがちですが、Google Nest Hubがあれば、自ずと思い出を振り返ることができ、家族みんなで楽しめること請け合いです。まだ試せていませんが、離れている家族とアルバムを共有して、写真を見せてあげることもできるそうです。

▲Googleフォトに保存した写真を表示するデジタルフォトフレームとして使える

最新のニュース動画を見たり、「YouTube」を見ることもできます。画面がないGoogle Homeでも、テレビにChromecastを接続していれば、「OK Google 〜の動画を見せて」と言って、YouTube動画を再生できます。でも、ベッドルームにテレビを置いていないという人も多いですよね。就寝前にちょっと動画を見たいという時に、スマホよりも大きな画面で見られるのは、さりげなく便利に感じました。

▲YouTubeで調べた料理レシピを再生させた画面。キッチンでも活躍しそうだ

サイズは178.5×67.3×118mmで、重量は480g。3モデルの中では大きめですが、とは言え、ベッドサイドの小さなテーブルや、本棚やサイドボードの空きスペースなど、置き場所には困らないサイズ感です。今回紹介した3モデルの中では最も高額ですが、“見る” 用途が多い人には最も魅力ある選択肢になるでしょう。

*  *  *

ぜひ、自分のライフスタイルに合ったスマートディスプレイを見つけてくださいね。スマホより安いですし、毎月の利用料も要らないので、気になる人は買って損はないと思いますよ。現在3台のスマートスピーカーと2台のスマートディスプレイを持っていますが、やはりスマートディスプレイのほうが便利だと感じています。

 


(取材・文/村元正剛

むらもとまさかた/ITライター

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

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