3眼カメラの「iPhone 11 Pro」、スマホの“プロ仕様”ってこういうことか!
&GP / 2019年9月12日 6時30分
3眼カメラの「iPhone 11 Pro」、スマホの“プロ仕様”ってこういうことか!
Appleは日本時間9月11日、次期iPhoneとなる3モデル「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」を発表しました。9月13日(金)午後9時より予約注文開始、同月20日(金)から店頭販売開始を予定しています。本稿ではiPhone 11 Proシリーズについて、概要を解説していきます。
■iPhone 11 Pro/11 Pro Maxは3眼カメラに
iPhone XS/XS Maxの後継に相当するのがiPhone 11 Pro/11 Pro Maxです。画面サイズはそれぞれ5.8インチ/6.5インチで変化していませんが、筐体サイズと重量は下記のように少し増えました。
カラーバリエーションは、両モデルともに「ゴールド」「スペースグレイ」「シルバー」に新色の「ミッドナイトグリーン」を加えた4色です。
iPhone 11 Pro/ 11 Pro Maxの最大の特徴は、背面に搭載したトリプルカメラ。超広角カメラが加わり、構成は下記のようになりました。これは両モデルで共通しています。
- 超広角:焦点距離13mm、1200万画素、画角120°、f/2.4
- 広角:焦点距離26mm、1200万画素、f/1.8
- 望遠:焦点距離52mm、1200万画素、f/2.0
また、iPhone XS/XS Maxの望遠カメラはf/2.4だったので、iPhone 11 Pro/11 Pro Maxの望遠カメラではf/2.0になり、40%も明るく撮れるようになりました。
なお、広角と望遠は光学式手ぶれ補正に対応していますが、超広角は非対応です。
▲超広角(右)、広角(上)、望遠(下)
3つのカメラの切り替えは意識的に行う必要はなく、シームレスにズームイン・ズームアウト操作を行うだけでOK。異なるカメラモジュールで撮影した写真も統一した見た目と色味に調整されるのが特徴です。
こうした使用感は、さらにパワフルになったチップセット「A13 Bionic」が、リアルタイムに膨大な処理を行うことで実現されています。
■撮影機能のアップデートがてんこ盛り
カメラ機能には、下記のようなさまざまなアップデートが施されます。iPhoneシリーズで初めて「Pro」を名乗るだけあり、撮影用途をメインに据えているのがひしひしと伝わってきます。
- 新機能「ナイトモード」が登場
- ポートレートモードでの新機能が追加
- スマートHDRの進化
- 「QuickTake」という操作方法の追加
- 4K/60fpsでの動画撮影に対応
- セルフィーでのスローモーション撮影に対応
「ナイトモード」は、Androidのハイエンド機ではすでにお馴染みになりつつある人気の撮影モードですが、iPhoneでもついに追加されました。ただし、Pixel 3のように手動でモードを切り替える必要はなく、自動で低光量の撮影を最適化してくれるのがiPhoneならでは。
ポートレートモードには、いくつかのアップデートが加わります。例えば、「ハイキー照明(モノ)」で、スタジオで撮影したように背景が真っ白のモノクロになり、強烈な印象に仕上がります。
新しい「スマートHDR」では機械学習によって、被写体を認識して細部の表現を自然に整えるように。また、秋には画像処理システム「Deep Fusion」が登場し、機械学習によってピクセル単位での処理を行うことで、写真の質感や細部描写、ノイズを最適化できるようになるとのこと。
新たに「QuickTake」という操作方法も登場しました。これは写真撮影モード中に急に訪れたな撮影チャンスを逃さずにビデオ撮影に切り替えられるというもの。シャッターボタンを長押しするとビデオ撮影がスタートし、そのまま右スワイプで動画を撮り続けられます。なお、従来のバーストモードでの連続写真撮影を行う場合には、長押し後、左へスワイプします。
動画は4K/60fpsで撮影可能に。複数のカメラを生かし、ダイナミックレンジを拡張することで、階調豊かな映像を撮影できることもポイントです。なお、「オーディオズーム」機能も加わり、構図に合わせた録音も行われるようになります。
インカメラ(TrueDepthカメラ)は1200万画素で、f/2.2。iPhone XSと比べて画素数が上がりました。また、新たに120fps、あるいは4K/60fpsスローモーション撮影が可能になりました。ちなみにFace IDも30%高速化しました。
撮影機能のアップデートを振り返るだけで、ちょっと息切れしますね(笑)。しかし、ほかにもまだまだ見落とせないポイントがあるんです。
■コンテンツビューワーとしても進化
iPhone 11 Pro/11 Pro Maxのディスプレイには、「Super Retina XDRディスプレイ」という名のOLEDが使われます。
輝度のピークが2つあるのが特徴で、太陽光下などで画面を表示する場合は最大輝度800ニトに、ダイナミックレンジを拡張したコンテンツを使用する時には最大輝度1200ニトになります。iPhone XSが652ニト(625cd/m2)だったことを考えると相当明るくなっていますね。
また、コントラスト比も2,000,000:1になり、iPhone XSの1,000,000:1と比べて2倍に。HDRの映像をより鮮明に体験できます。ちなみに規格については「Dolby Vision」と「HDR10」への対応が仕様に明記されています。
オーディオに関しては、臨場感溢れるサラウンド体験を実現するという「空間オーディオ」に対応。「Dolby Atmos」もサポートしており、対応コンテンツでは立体的な音響を再現します。
ちなみに、ディスプレイに関してもうひとつ触れておくと、3D Touchが非搭載になり、iPhone XRと同様「触覚タッチ」が採用されたこともトピックです。
■バッテリー持ちが一気に伸びすぎ
“バッテリー駆動時間は1時間でも長くしたい。そこで、5時間増やしました”——と公式サイトで謳われているバッテリーの進化に触れないわけにはいきません。
正確には、iPhone 11 ProがiPhone XSより最大4時間長いバッテリー駆動時間を、iPhone 11 Pro MaxがiPhone XS Maxより最大5時間長いバッテリー駆動時間と表記されています。ただし、オーディオ再生の連続駆動時間の公称値を比較するとそれ以上に伸びていましたので、使用条件によっては、従来より5時間以上もバッテリーが持つということも十分あり得るでしょう。
こうした高いスタミナ性能は、電池消費の多い撮影機能をウリにしたiPhone 11 Proシリーズならではの特徴。新しいディスプレイがエネルギー効率を15%向上させ、iOS13やA13 Bionic、専用のPMU(パワーマネッジユニット)などの働きにより、効率的な処理が行われることで実現しています。
また、同梱品の18W電源アダプタを使うことで30分で最大50%の充電が行える高速充電をサポートしたこともポイント。同梱ケーブルはUSB-C - Lightningになりましたが、iPhone側の端子はLightningのままです。
■通信機能の進化も見逃すなかれ!
iPhone 11 Proシリーズは、新たにWi-Fi 6(802.11ax)をサポートします。これによって、コンテンツのダウンロードが最大38%高速に。
また、10月1日から利用できる機能として、iPhoneの向きによってAirDropでファイルを優先的に
* * *
オンラインのApple StoreにおけるiPhone 11 Proシリーズの価格は、「下取りに出すiPhone」の有無で変わります。下取り無しの場合には、iPhone 11 Proが10万6800円(税別、以下同)から、iPhone 11 Pro Maxが11万9800円からとなります。
下取りを利用する場合には、下取りに出すiPhoneによって割引額が変動します。例えば、発売2年目を迎えるiPhone 8を下取りに出すと最大2万3350円が上記から割り引かれます。
今季は大手キャリアの割引が期待できない背景もあります。こうした下取りを活用して入手することも、現実的な選択肢として検討しておきましょう。
(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。
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