キャンプ道具は防災グッズ!災害に備えて準備したい「最低限必要なアウトドアギア15選」
&GP / 2019年9月13日 20時0分
キャンプ道具は防災グッズ!災害に備えて準備したい「最低限必要なアウトドアギア15選」
<不自由を自由にする野営スタイル>
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
先週末(9月9日)未明、台風15号が関東を直撃したのは記憶に新しいかと思います。それにより首都圏は交通のマヒし、浸水や停電、断水など、さまざまな被害がありました。私の自宅も停電、断水被害があり、約1日復旧はしませんでした。そんな中、改めてキャンプの知識や技術、キャンプ道具(ギア)は、防災、減災、サバイバルにどのように活かせるのかを考えさせられました。
そこで今回は、キャンプ道具を防災時にどう役に立って、どう使うのかを紹介します。少しでも私の知識が防災、減災に役立てば幸いです。
■「3の法則」と必要なキャンプギア
死に直結する「3の法則」というのををご存じですか? それぞれ3にまつわる時間の単位によって、生命の危機を表しているものです。
さて問題です。下記の(1)~(5)ですが、それぞれ何がなくなると生死にかかわるのか考えてみてください。
例:人は○○がないと3分で死に至ります。※時間は多少の個人差はあります。
(1) 3分
(2) 30分
(3) 3日
(4) 3週間
(5) 30日
皆さんはいくつ分かったでしょうか?
ここから、サバイバルの「3の法則」(1)~(5)の答えと、それを踏まえて都市型災害を想定し、必要なキャンプギアをご紹介。なお、キャンプギアに関しては、本当に必要最低限のものを列挙していきたいと思います。
(1) 3分
正解は空気です。
空気に関してはキャンプ云々の話ではありませんし、人間にとって空気が最重要なのはみなさん認識しているかと思いますので説明は割愛します。
(2) 30分
正解は体温です。
主に、低体温症になってしまうと、30分で命の危険があるといわれています。体温にかかわることでいうと、熱中症も30分ではないですが、重度になると命の危険がありますよね。今回の台風15号で停電を経験してみて、クーラーが使えず、暑さ対策に非常に苦労しました。
それでは、体温を守るためにはどんなキャンプギアが必要か検討してみましょう。
【シェルター(テント、タープ、ブルーシート等)】
雨風は一気に体温を奪います。風は風速1mで体感温度を1℃下げるといわれてます。雨風がしのげる場所があればシェルターは必要ありません。ブルーシート1枚でも張り方によっては雨風を凌ぐことが可能です。直射日光を遮ることができるため、熱中症対策になります。
【寝袋】
夏は必要ありませんが、低体温症を考えると、私は最強の防災ギアなのではないかと思います。あくまで私の考えですが、寝袋を用意するのであれば、冬用の良いものを買うべきだと思います。通常は3シーズン(冬を除く)を勧められるかと思いますが、1つしか買わないのであれば、真冬の寒さに耐えらえる寝袋が必要なのではないかと思います。夏は何もなくても寝れますしね(気温によりますが)。
【火】
暖を取るには一番です。もちろん、調理にも、明かりにも、虫よけにもなります。コンパクトな焚き火台なら、少量の薪で強い熱量を得られますし、アルコールストーブの五徳にもなります。
(3) 3日
正解は水です。
体力や気温にもよると思いますが、人間は3日間は飲まず食わずでも生きていられると言われてます。しかも、水さえあれば相当生きられるとも言われていますが、逆に3日間、水を飲まなければ生きていけないとも言われています、
都市災害では、飲料水だけではなく、トイレやなどの生活用水としても必要ですよね。私は今回の断水で改めて水の必要性を感じました。幸い、ペットボトルで何本もストックをしていたので、1日くらいは全く問題ありませんでしたが、これが数か月となると、ぞっとしますね。水は溜められるだけ溜めておいた方が良いと思いますが、移動を迫られるケースや、山の中等を考えると、必要最低限のギアは浄水器と、水を入れる容器ではないでしょうか?
(4) 3週間
正解は食料です。
そんなに長い間、水だけでは厳しいかとは思いますが。脂肪を燃料としてそのくらいは生きられるそうです。食料も貯蔵がたくさんあるにこしたことはありませんが、これも限度がありますよね。なので必要は必要ですが、ギアでいうと、調理を考え、火を起こせるもの。例えばマッチやライター、水に濡れてもいいファイヤースチール、どこでも簡易に使えるアルコールストーブや、ガスバーナー等も準備しておきたいアイテムです。
(5) 30日
正解は精神の安定です。
命というよりは、人間らしさといっても良いのかもしれませんが、極度なストレス状態にさらされ続けると30日で精神が崩壊すると言われてます。
精神の安定は人それぞれ違うとは思いますが、上述したような過酷な状況を回避できるギア全てが必要になるかと思います。
■災害に備えて準備したい「最低限必要のアウトドアギア」
今までは、3の法則にのっとって紹介してきましたが、実際に停電を経験してみて、また地震などの災害の想定、アウトドアの経験を踏まえ、私がおすすめする、「最低限必要な防災ギア」を紹介したいと思います。
1.シェルター (テント、タープ、ブルーシート等)
前述した通り、雨風を凌ぐため。万が一、家屋が倒壊した場合を想定して1枚(1張り)は準備しておきたいギアです。
2.ロープ
ロープはシェルターを組み立てたり、重いものを動かしたり、自身の体を固定したり、あると何かと重宝します。
3.マット
地面からの冷気を遮れて、ある程度快適な睡眠を確保したり、起きている時にはシート代わりにしたり。少しでも疲労を軽減するためにも用意しておきたい。
4.寝袋
前述したように、私は最強の防災ギアが寝袋だと思っています。冬用(快適温度~10℃、限界温度―15℃くらいのもの)があれば、そのまま外に放り出されても、低体温症になることを防げます。いいダウンのものであれば、そのスペックでも、重くて1.5㎏くらいまでですので、移動を余儀なくされても問題ありません。
5.浄水器、ウォーターパック
人間、水だけで3週間くらい生存できるわけですから、水は絶対に必要です。が、日本人の平均体重男性71㎏の場合、必要な水分量は約3リットル。女性54㎏の場合約2リットル必要だと言われています(体温や個人差にもよる)。
つまり男性の場合、1日3㎏で3週間の備えとなると、63㎏分の水を確保しておかなければなりません。それを持って移動するというのは非現実的ですから、雨水や川の水でも飲めるよう浄水器とウォーターバックを用意しておく手もあります。これなら2つで100gもありませんから。
6.ファイヤースチール
マッチやライターでもいいですが、濡れたり、燃料が切れたりすると使えないのでファイヤースチールがあると便利です。
7.アルコールストーブ、ガスバーナー
都会の震災を考えると、CB缶で動くバーナーか、アルコールストーブが燃料補給にベストかと思います。コンビニや、薬局で購入できるので。
8.LEDランタン
個人的にはオイルランタンの方が好きですが、家の中では換気に気を使わなければならず、今回のように夏に停電している場合、火は暑くて使えません。実際、今回の停電時に非常に重宝しました。
9.ナイフ
都市型災害を想定した場合のナイフは、十徳ナイフ(マルチツール)が一番いいと思います。倒木等を切るには心もとないですが、最低限ということを考えるならば、多機能なので便利です。機能としては、プライヤー、ワイヤーカッター、ナイフは最低限欲しい機能です。
10.雨具
雨の中で行動をしなければならない場合、体温維持の観点からも、レインウエアは必須です。登山用の本格的なレインウエアでなく、普段使いできるタイプならさまざまなシチュエーションで使えて便利です。
11.登山靴
登山靴はサバイバル状況下では最も優れた靴だと思います。ソールが厚く、ガラス破片等が落ちているところも歩けますし、防水ですから、足が濡れる心配もありません。
12.グローブ
手の保護をしたり、熱いものをつかんだり、重たいものを移動させたりするときに重宝します。
13.クッカー
調理にはもちろん、お湯を沸かすときにも便利です。サバイバル状況下では、お湯は非常に大切になってきます。暖を取る、殺菌、消毒…と実は欠かせないものです。
14.太陽発電充電器
停電の際に携帯電話や、ランタンを充電できる最低限のバッテリーは必要ですよね。
番外.クーラーボックス
今回は最低限という想定でギアを選定しましたが、停電になった時、一番困るのは冷蔵庫の食材です。クーラーボックスがあると一時的にではありますが、しのぐことができますので、移動前提でなければクーラーボックスは必須かもしれません。
* * *
いかがでしたでしょうか? 私が考える中で必要最低限の防災ギア。総重量は5,107gでした。
もちろんギアはあればあるほど安心ですが、避難しなければならない時に、重くて移動できない! っていうのも困りもの。また、揃えただけではいざという時使いこなせませんので、予行練習を兼ねてぜひキャンプに行ってください!
>> 連載
(文・写真/RYU)
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