基本は何%お得になる? 還元率で選ぶコード決済 ー〇〇Payの選び方[03]
&GP / 2019年9月25日 22時0分
基本は何%お得になる? 還元率で選ぶコード決済 ー〇〇Payの選び方[03]
種類が多すぎて悩ましい「○○Pay」ですが、本当に便利なのはどのサービスなのでしょうか? そこで、主要なスマホ決済サービスとして以下の7サービスをピックアップ。連載第3回となる今回は、各決済サービスのベースとなるポイント還元率や割引率について比較します。
・au PAY
・Origami Pay
・d払い
・PayPay
・メルペイ
・LINE Pay
・楽天ペイ
コード決済といえば、やはり昨年から2019年前半にかけて実施された数十%がポイント還元されるという大規模なキャンペーンの印象が強いですよね。しかし、十分にサービスが認知されたいま、太っ腹なキャンペーンはかつてより限定的になっています。
そこで、インパクトのあるキャンペーンの裏に隠れていて、認識しづらかったベースの還元額・割引額について整理してみました。キャンペーンを除いた基本の還元率に注目してみると、ほとんどのサービスで0.5〜1.5%に収まっていることがわかります。
なお、10月からは「キャッシュレス・消費者還元事業」が始まり、国からの補助金を元に還元額が上乗せされます。上記の表組では、視認性を優先するためにこれらを反映しませんでしたので、ご注意ください。
■au PAYは「auスマートパスプレミアム」の会員ならお得
au PAYは「auスマートパスプレミアム」の会員か否かでポイント還元率が異なります。非会員の場合にau PAYを利用すると0.5%ですが、会員なら1.5%になります。すでに会員になっている人にとっては、魅力的な還元額です。
ただし、「auスマートパスプレミアム」を契約すると499円(税抜)/月かかります。4万9900円の買い物をしないと499円分をポイントで取得できないので、特典に魅力を感じない場合には、還元額のUPを目当てに会員になる必要はないと思います。
■Origami Payは基本の割引額が大きい
Origami Payでは、ポイント還元ではなく、「即時割引」という形式をとるのが特徴です。店舗が展開するキャンペーンによっては割引額が跳ね上がりますが、現状は基本的に2〜3%割引という店舗が大部分を占めています。
支払い方法としては、「(1)クレジットカードやデビットカードを紐づける」「(2)金融機関口座を紐づける」という2種類を選択可能。現在のベースとなっているキャンペーンでは、(1)の場合に2%、(2)の場合に3%割引を受けられます。
ベースの割引が3%というのは、他のサービスの還元率と比べてもかなり大きく、魅力的だと言えます。ただし、決済に利用できる店舗がやや限定的なので、人によって相性は分かれるでしょう。
■d払いは1.5〜2.5%くらいになるとラッキーな人
d払いは、店舗決済とネット決済で還元額が異なります。店舗決済の場合は0.5%、ネット決済の場合は1.0%です。
また、「dポイントスーパー還元プログラム」と称して、“〜をしていると+1%”といったボーナスが追加されていき、最大で+7%まで還元率が上がります。具体的には下記のような内容です。
- 当月のdポイントクラブの会員ステージがプラチナステージ → +1%
- 前月末時点でドコモのご利用料金のお支払いにdカードを設定している → +1%
- 前月末時点でdマーケットなど対象21サービスのうち、いずれかの月額課金サービスを契約している、または前月中にいずれかの都度課金サービスを利用した → +2%
- 前月末時点で「いちおしパック」を契約していること → +1%
- 前月末時点で「DAZN for docomo」を契約していること → +1%
- 前月末時点で「Disney DELUXE」を契約していること → +1%
ただし、有料サービスが多いので、多くの方にとって+7%という数値は現実的ではありません。すでに契約しているサービスがあれば、お得に使えるといった認識でよいでしょう。「運良く対象のサービスを1つ契約している人の場合、還元率が1.5%になる」くらいに思っておくのが適正だと思います。
なお、19年10月14日までのキャンペーン(要エントリー)として、「d払い20%還元キャンペーン」という還元率の高いものが実施されています。利用者はこちらもチェックしておきましょう。
■PayPayは10月から1.5%が基本に
PayPayは、10月から基本の還元率が下がります。9月末日までは支払い方法に「PayPay残高」および「ヤフーカード」を選択して決済すると、3%が還元されるというお得さが目立っていましたが、10月以降は1.5%に下がります。
また、「ヤフーカードを除くクレジットカード」にも従来は0.5%の還元がありましたが、10月以降は還元がなくなります。
とはいえ、10月5日に1日限定で開催する「PayPay感謝デー」のように20%バックかつ10万円まで全額還元ありといったお得意の“お祭り企画”は健在。大規模な還元キャンペーンは、引き続き追いかけておくのが賢明でしょう。
■メルペイはベースの還元はないけどクーポンとキャンペーンが◎
大規模なポイント還元キャンペーンを実施してきたメルペイですが、実は標準のポイント還元はありません(キャッシュレス・消費者還元事業の対象にはなっています)。
しかし、アプリ内では、店頭で利用できる割引クーポンが提供されていますし、定期的なポイント還元キャンペーンも実施されます。お得に利用するには、これらを見落とさずに有効活用する必要があるでしょう。
大規模なキャンペーンとしては、9月中の追い込み需要を狙った「増税前にまとめ買い!半額ポイント還元!キャンペーン」がユニーク。こちらは、まだ同サービスにおける本人確認を完了していない人に限りますが、最大3000ポイントの還元を受けられるというものです。
■LINE Payはマイカラーにこだわるなかれ
LINE Payでは、前月の利用金額に応じて「マイカラー」が定まり、それによって還元率が変動するという仕組みを採用しています。
基本は0.5%で、前月に1万円以上を支払えば0.8%まで還元率が上がります。ここまでは割と簡単に達成できますが、以降の1.0%へは5万円、2.0%へは10万円の支払いが必要になるので、ちょこちょこと運用するだけでは、コストパフォーマンスはさほど良くありません。
LINE Payカードなどを駆使して、家計の支払いをすべてLINE Payにまとめるならば話は別ですが、基本的にはマイカラーの還元率にはそこまでこだわらない方が、浪費を防げるはずです。
■楽天ペイはキャッシュレス・消費者還元の対象外店舗で5%が狙い目
楽天ペイでは、9月までは基本的に0.5%の還元があり、支払い方法に楽天カードに登録していた場合には、1.5%の還元となりました。
ただし、10月からは「キャッシュレス・消費者還元事業」による還元をベースにした「楽天ペイアプリのお支払いで最大5%還元」施策がスタートし、最大5%の還元が基本になります(対象店舗によって違いあり)。
他サービスの場合には、既存のベースの還元があった上で、一部の対象店舗ではキャッシュレス・消費者還元事業による還元が上乗せする仕組みが一般的です。しかし、楽天ペイでは、既存のベースの還元をストップし、対象外の店舗でも最大5%の還元(※)を受けられるように整えている点が異なります。
楽天ペイの場合、場所を気にせずに5%の還元を受けられるというメリットはありますが、ベースの還元がない点は留意が必要です。また、一見、場所を問わずに同額の還元を受けられるように見えますが、店舗がキャッシュレス・消費者還元事業の対象か対象外かによって還元上限に差があります。前者は1決済につき2万5000円相当の通常ポイント(※)、後者は期間中に3000円相当の期間限定ポイントが上限となります。
※中小・小規模事業者が経営するフランチャイズチェーンは数字が異なります
* * *
ご覧のようにスマホ決済の還元・割引については、各社でかなり違いがあり、全容を把握するのも難しいと言えます。また、19年9月末で終了してしまうキャンペーンに関しても、一部を除き、本稿では触れていません。
お祭り的な大規模なキャンペーンをうまく活用するのは、得するためにもちろん重要です。しかし、同時に平常運転時の還元率や割引をしっかり把握しておけば、各サービスの違いを把握できることに繋がります。本稿でまとめた情報はあくまで部分的な情報ではありますが、スマホ決済を継続的に管理・運用するための参考にしていただければ幸いです。
>> [連載]〇〇Payの選び方
(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。
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