iPhone 11対抗の大本命「Google Pixel 4」を使ってみた!
&GP / 2019年10月23日 6時30分
iPhone 11対抗の大本命「Google Pixel 4」を使ってみた!
Googleが自社ブランドの最新スマートフォン「Google Pixel 4/4 XL」を発表しました。日本では10月24日からSIMフリー版とソフトバンク版が発売されます。カメラ性能が高く評価された「Google Pixel 3」の後継モデルということもあり、気になっている人は少なくないでしょう。
そんなPixel 4を発売に先がけて使える機会を得たので、カメラはどう進化したのか? 見逃せない新機能はあるのか? 率直なファーストインプレッションをお伝えします。
■Pixel 4はコンパクトで片手でも操作可能!
Pixel 4シリーズは2モデル。5.7インチの有機ELディスプレイを搭載するPixel 4と、6.3インチの有機ELディスプレイを搭載するPixel 4 XLから選べます。サイズと電池容量を除けば仕様に大きな差はないので、持ちやすさを重視するならPixel 4、画面の見やすさを重視するならPixel 4XLを選ぶのが得策です。
今回、使ってみたのはコンパクトなPixel 4。前モデルのPixel 3と同等のサイズ感で、横幅は68.8mmに抑えられています。「片手でも操作できるスマホ」と言い切っても差し支えないでしょう。
▲5.7インチの有機ELディスプレイを搭載するPixel 4。サイズはH147.1×W68.8×D8.2mmで、重さは162g。SIMフリー版は64GBモデルが8万9980円(税込・以下同)、128GBモデルが10万3950円
カラバリは、Just Black、Cleary White、Oh So Orangeの3色があり、それぞれ背面の質感や細部の色が異なります。共通しているのは、背面のカメラ部。カメラとセンサーを25mm四方ほどの黒いスクエアなスペースに凝縮。Pixel 4の象徴的なデザインになっています。
▲Just Blackの背面パネルはツルツルのグロス仕上げ。他の2色はマット仕上げで、さらりとした手触り。黒いカメラ部はわずかに出っ張っている
9月に発売されたiPhone 11シリーズもカメラ部はスクエアでしたが、レンズを強調するデザインになっていました。一方、Pixel 4は光を吸収する黒い部分を作り、そこにレンズを格納するという王道の仕様で、なおかつ進化したカメラの存在感を強調したという印象です。なお、カメラ部はわずかに突起しているのですが、ケースに入れて使うことで、この出っ張りが解消され、レンズのキズ付きを防止できます。
▲右サイドに電源ボタンと音量ボタンを搭載
▲左サイドのSIMスロットにnanoSIMを1枚装着できる。後述するが、eSIM(組み込み型SIM)も備えている
▲底部にUSB Type-Cポートとスピーカーを搭載。独立したイヤホンジャックは搭載せず、USBポートが兼ねる
■夜景だけじゃなく超解像ズームも注目!
前モデルのPixel 3ではシングルレンズだったカメラは、Pixel 4ではデュアルレンズに進化しました。2つのカメラは、16メガピクセル(画素サイズ1.0μm、F値2.4、視野52°)と12メガピクセル(画素サイズ1.4μm、F値1.7、視野77°)という組み合わせです。「広角・標準・望遠」の区分はしていませんが、16メガピクセルカメラが望遠、12メガピクセルカメラが標準という認識で差し支えないでしょう。
撮影時には、画面にズーム倍率を設定できるスライダーが表示されます。最大8倍に設定できますが、8倍で撮っても、画質はほとんど劣化せず、くっきりと鮮明な画質で撮影できました。ここには超解像のデジタル処理技術が用いられているようです。
▲横画面で撮影する場合は、右にズーム倍率を設定するスライダーを表示。上には露出とコントストを調整できるスライダーが表示される。これもPixel 4の大きな特徴だ
▲ズームを使わずに撮影した作例
▲8倍ズームで撮影した作例。時計の数字や細かい模様までくっきりと写った
今年はトリプルカメラを搭載する機種が続々と登場し、「超広角」がトレンドになっています。Pixel 4に超広角レンズが搭載されなかったのは残念ですが、望遠の画質は良く、積極的に活用できそうです。
Pixel 3で好評だった「夜景モード」は引き続き搭載されています。Pixel 3でも驚くほどキレイに撮れましたが、Pixel 4では、より高いコントラストでシャープな画質で撮影できます。
▲Pixel 3で撮影した作例
▲Pixel 4で撮影した作例。明暗が強調され、地面が前モデルよりも明るく写った
▲Pixel 3で撮影した作例
▲Pixel 4で撮影した作例。パッと見はさほど差がわからないが、前モデルよりも解像感が増し、拡大しても鮮明な画質を維持できる
人物の背景をぼかして、人物を際立たせる「ポートレート」モードも健在。背景をぼかした画像と、ぼかさない画像の両方が保存され、撮影後にぼかしの度合いを調整することもできます。
▲「ポートレート」モードで撮ると、背景をナチュラルにぼかせる。背景をぼかさない画像が同時に保存されることもPixelのメリット
▲「ポートレート」モードで撮った画像は、あとでフォーカスを変えたり、ぼかしを調整したりもできる
▲ほとんどの撮影シーンは、オートの「写真」のままでOK。食べ物もきれいに撮れた
▲こんな写真も簡単に撮れる
なお、インカメラは8メガピクセル(画素サイズ1.22μm、F値2.0、視野90°)。広い視野角で撮れるので、グループでの自撮りにも重宝しそうです。「ポートレート」モードに設定すると、背景をぼかすこともできます。
▲インカメラで自撮りした作例
■待望のeSIMに対応。今後追加される機能にも期待!
Pixel 4には、周囲の状況を感知するレーダーセンサーが搭載されています。このレーダーセンサーを用いた新機能が「Motion Sense」。画面に指を触れることなく、ジェスチャーで操作できる機能です。ただし、日本ではしばらく利用できず、2020年春から利用可能になる予定です。
先日、東京で開催された発表会でMotion Senseのデモンストレーションを見てきましたが、画面に手をかざして消音したり、画面の前で手を動かして再生曲を変えたりと、ジェスチャーへの反応は良いように感じました。しかし、スマホの画面にタッチできない状況がどれほどあるのか? ジャスチャーよりも音声操作のほうが便利なのでは? など、素朴な疑問も芽生え、その利便性はまだ評価できない状況です。
OSは最新となる「Android 10」が搭載されています。CPUは現行機種向けではトップクラスのSnapdragon 855(2.4GHz + 1.78GHz、64ビット オクタコア)。RAM(メモリ)は6GBという、申し分のないスペックです。アプリの起動速度やタッチレスポンスなど、パフォーマンスに不満を感じることは少なそうです。
また前モデルに引き続き、IP68の防水・防塵で、FeliCa(おサイフケータイ)にも対応。そして、新たにeSIM(組み込み型SIM)にも対応しました。これは、SIMスロットにセットするSIMカードとは別に、端末内に組み込まれたSIMに2枚目のSIMのデータを書き込める機能です。まずは、eSIMの利用手順を確認してみましたが、難しくはなさそうです。海外渡航時に、日本で使っているSIMを抜くことなく、現地で使えるeSIMを追加できるのは便利でしょう。
▲「設定」→「モバイルネットワーク」に進んで「+」をタップすると、SIMをダウンロードできる画面に進む
▲プロバイダから提供されたQRコードを読み取っての設定もできる
もうひとつ、便利そうだと思ったのは、プリセットされている「Recorder」アプリ。新たに「音声文字変換」機能が追加されました。これは、録音した音声がテキストに変換されて、保存できる機能。つまり、録音と同時にテープ起こしができるという画期的な機能です。
▲自分が使っている英語教材で試してみたところ、ほぼ完璧にテキストに変換された。英語での講演や会議の記録にも重宝しそう
残念ながら、現在は英語のみ対応で、その他の言語には順次対応するとのこと。日本語の対応が楽しみです。
Pixel 4の価格は、8万9800円(64GB)〜。決して安いとは言えませんが、基本性能にはこれといった死角は見当たらず、カメラも高性能。今後追加されるであろう機能にも期待できます。迷うなら、買っちゃっても後悔しないと思いますよ。
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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