auが独占販売! 折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip」を触ってみた!
&GP / 2020年2月13日 6時30分
auが独占販売! 折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip」を触ってみた!
2月11日に、サムスン電子が米サンフランシスコでGalaxyの新モデルを発表しました。その中で最も注目を集めた「Galaxy Z Flip」が、au(KDDI)から発売されることが決まりました。昨年10月に発売された「Galaxy Fold」に続き、日本国内ではauの独占販売となるそうです。
▲Galaxy Z Flipは、2月11日にサンフランシスコで開催された「Galaxy UNPACKED 2020」のオープニングと同時に発表された
2月下旬発売予定で、2月18日から予約受付が始まります。価格はまだ発表されていませんが、米国での価格が1380ドル(約15万1500円)なので、Galaxy Fold(24万5520円/販売終了)よりはかなり安い価格になるでしょう。
筆者は米サンフランシスコで開催された発表会に出向き、出来立てほやほやのGalaxy Z Flipの実機に触れることができました。そして、手にした瞬間に「これはいいかも!」とニンマリしてしまいました。その理由を語らせてください。
■自由な角度で立てられるのが便利
Galaxy Z Flipは折りたたみ時は約H87×W74×D15.5(最厚部17.3)mmで、開くと約H167×W74×D6.9(最厚部7.2)mm。重さは約183g。薄型の大画面スマホを折りたたんだ状態をイメージしてもらえたら、それに近いと思います。手にのせても重くはなく、むしろ実際の重量よりも軽く感じるくらいです。
▲閉じた状態は正方形に近い。手のひらに収まるほどのサイズ感
▲開くと画面サイズは約6.7インチで、普通のスマホに近いホールド感
カラバリはグローバル版では3色用意されるようですが、日本で発売されるのは「ミラー パープル」と「ミラー ブラック」の2色。どちらも「ミラー」の名の通り、自分の顔が写るほどピカピカで、指紋が着きやすいのが玉にキズ。ですが、持ち歩く時は折りたたむので、ディスプレイに傷が付く心配は無用。クリアケースが同梱されるそうですが、ときどき指紋を拭きつつ、このまま使うのもアリでしょう。
▲「ミラー ブラック」は、ピアノのような鏡面仕上げ
右側面に指紋センサーがあり、電源ボタンを兼ねています。折りたたんだ状態で指紋センサーを1回押すと、約1.1インチのカバーディスプレイに現在時刻が表示されます。タッチ対応で、なぞって表示を切り替えられる仕組みです。ガラケーのサブディスプレイのようなものですね。なお、指紋センサーを2回続けて押すと、アウトカメラが起動。カバーディスプレイをモニターにしてセルフィーも撮れます。アウトカメラは超広角(約1200万画素)+広角(約1200万画素)のデュアルカメラです。
▲右サイドに指紋センサーと音量ボタンを搭載。指紋センサーが電源ボタンを兼ねている
▲左サイドにSIMスロットを搭載。microSDカードは非対応。ほとんど隙間なく折りたためる
▲底部のUSB端子はType-C形状
▲カバーディスプレイには時刻や通知、操作アイコンなどが表示される
▲このように小さなディスプレイをモニターにして、自撮りをすることも可能
▲ヒンジ部には「Galaxy」のロゴ。グローバル版には「SAMSUNG」のロゴが入っている
開いた状態でもディススプレイの上に搭載されたインカメラ(約1000万画素)で、セルフィーは撮れます。なので、折りたたんだ状態で撮影する機会は少ないかと思いますが、自撮りをしている感じではなく、通知などを確認している感じになるので、人に気付かれずにセルフィーを撮りたい人には重宝するかもしれません。
Galaxy Z Flipの形状を最大限に生かせるのが撮影する時。好きな角度に曲げて机の上などに置けるので、自由なアングルで撮影でき、手ブレの心配も無用。夜景を撮る時にも役立ちそうです。
▲デフォルトでは縦横比4:3で撮影でき、開いてカメラを起動すると、このように表示される
▲本体を折り曲げると、ディスプレイの上半分をモニターにして、下半分が操作パネルになる
半開きにして卓上に置くスタイルはセルフィーの撮影にも便利。手をかざしてセルフタイマーを起動する機能などを使えば、端末から少し離れた距離でグループ自撮りもできるでしょう。
▲ピンホール型のインカメラは約1000万画素。本体を立てた状態で、セルフシャッターで簡単に自撮りができる
■開くと普通のスマホとして使える
開いた状態での使い勝手は、基本的には普通のスマホと同じ。「なんだ」と思うことなかれ。「フォルダブル」という新しいカテゴリーの端末でありながら、普通のスマホとしての操作性を犠牲にしていないんですよ。片手で電話をかけたり、ウェブを検索したりできて、横向きにして写真を撮ったり、動画を見たり…。縦横比が22:9なので、画面を分割しても、それぞれ11:9のスペースを確保でき、むしろフツーのスマホよりもマルチウィンドウが使いやすそうです。
▲開いてから電話番号をタップする感覚は、ガラケーを彷彿とさせる
▲文字入力はギリギリ片手で行えた
▲22:9のフルスクリーンでの撮影も可能
▲マルチウインドウと相性も良さそうだ
欲しい! と物欲をくすぐられつつも、気になったのが開閉部分の強度。20万回開閉しても故障しないテストをクリアしているそうですが、実際の開閉操作でも一切不安は感じませんでした。
▲どの角度でも止められるのが利点
▲開いた状態では、背面のヒンジ部の「Galaxy」ロゴが隠れて見えなくなる仕組み
▲この写真だけではわかりにくいとは思うが、新しいヒンジ構造を採用したことによって自在な角度調整を実現。完全に折りたたむか開ききると、そこでロックされる
▲新たにヒンジ部に侵入したゴミを吐き出す仕組みも導入された
ディスプレイの表面に折り曲がる極薄ガラスが採用されていることにも要注目。これによってインカメラが画面内に入ったデザインを実現し、フィルムを使った「Galaxy Fold」よりも境目が気にならない印象を受けました。
▲ぱっと見では、折り曲がる部分がわからない
▲折りたたむ際にたわみなども生じない
OSはAndroid 10。CPUはSnapdragon 855+(最大2.9GHz)で、メモリはRAMが8GB、ROMが256GB。1時間程度触れただけですが、操作のレスポンスはキビキビとしていて、ハイエンドモデルらしい使用感でした。ただし、今春開始予定の5Gには対応しておらず、通信対応は4G LTEとWiMAX2+のみ。バッテリー容量は3300mAh。防水・防塵、おサイフケータイには非対応。でも、もちろん「au PAY」は使えます。
■日本での販売価格は、乞うご期待!?
Galaxy Z Flipの発表に合わせて、KDDIの執行役員常務 雨宮俊武氏に、このモデルを発売する狙いについてうかがうことができました。
▲KDDI 取締役 執行役員常務 パーソナル事業本部本部長 兼 コンシューマー事業企画本部長の雨宮俊武氏
auは昨年の夏から5G時代を見据えて「au UNLIMITED WORLD」を提唱しています。雨宮氏は「昨年10月に発売したGalaxy Foldに続き、このGalaxy Z Flipも先進性を感じられる端末です。単なる板のスマホから脱却して、新しい価値を提案していきたい」と話していました。Galaxy Z Flipは、5Gには対応していませんが、au UNLIMITED WORLDの一環として、今後も「新しい体験ができる端末を出していきたい」と意欲を示していました。
Galaxy Foldは高額(約24万円)だったのにも関わらず、売れ行きはよく、「目標を達成し、満足度はこれまで販売した端末の中でNo.1」だったそう。「Foldは大きいこともあり、購入者の男性比率が高かったのですが、コンパクトなFlipは女性にも使っていただきたい」とアピールしていました。
▲発表会後のハンズオン会場で女性の説明員に「Galaxy Z Flipの一番の魅力は?」と聞いてみた。彼女は、こうやってセルフィーが撮れるのがお気に入りだそう
「販売予定価格は?」の質問には、「予約開始までに発表します」と回答を濁されました。しかし、「お得にお買い求めいただける施策を検討中」とのことなので、期待しちゃいましょう。
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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