カメラ性能はデジタル一眼級!? 5Gにも対応した「Xperia 1 II」
&GP / 2020年2月25日 6時30分
カメラ性能はデジタル一眼級!? 5Gにも対応した「Xperia 1 II」
ソニーモバイルコミュニケーションズがXperiaの新モデルを発表しました。5G対応のフラッグシップモデル「Xperia 1 II」(IIは「マークツー」と読みます)と、ミドルレンジの「Xperia 10 II」です。どちらも今年の春以降に、日本を含む国・地域で発売される予定です。
これらのモデルは、本来、スペイン・バロセロナで2月24日から開催される予定だった世界最大級のモバイル展示会「MWC Barcelone」で発表される予定でしたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となりました。ソニーはMWCの中止が決まる前に出展の取り止めを発表していたのですが、MWCで発表予定だった最新モデルは2月24日にYouTubeで発表となりました。同社がフラッグシップモデルをYouTubeで発表するのは初めてだそうです。
■デジタル一眼カメラ「α」で培った技術を採り入れた「Xperia 1 II」
フラッグシップのXperia 1 IIは、昨年発売された「Xperia 1」の後継モデルです。前モデルと同じく、縦横比が21:9の4Kディスプレイを搭載。背面にも、前モデルと同じくトリプルカメラが搭載されていますが、さらに被写界深度や3D情報を取得する「3D iToFセンサー」というものが追加されました。
▲サイズは166×72×7.9mmで、重さは181g。プロセッサーは「Snapdragon 865 5G」で、RAMは8GBのハイエンドモデル
トリプルカメラは超広角(16mm/F2.2/12メガピクセル)+広角(24mm/F1.7/12メガピクセル)+望遠(70mm/F2.4/12メガピクセル)という構成。Xperia 1では望遠カメラの焦点距離は52mmでしたが、Xperia 1 IIは70mmなので、光学3倍相当で撮影できます。
▲カメラの搭載位置は左上に。上から超広角、望遠、3D iToF、標準レンズの順に並ぶ
Xperia 1 IIには、ソニーのデジタル一眼カメラ「α」で培った技術が導入され、それが他メーカーのスマホカメラに対するアドバンテージとなっています。たとえば、1秒間にAF/AEを60回演算でき、1秒20コマの高速連写を実現しています。これはスマホのカメラでは世界初。前モデルから継承されたソニー独自の「瞳AF」は、人物だけでなく、素早く動く動物の目にも対応。じっとしてくれないペットの顔にも簡単にピントを合わせられそうです。
▲最高1秒20コマの高速連写が可能
▲人物や動物の瞳にピントを合わせて、素早い動きにも追従する
レンズには、その性能が世界的に評価されている「ZEISS(ツァイス)レンズ」を採用。メインで使う広角カメラの画像センサーは、1/1.7インチの大型デュアルピクセルセンサーで、暗所での撮影性能も向上しているとのこと。
デジタル一眼カメラの感覚で、細かい撮影設定ができる「Photography Pro」という機能も追加されました。αに近い操作性で、撮影モード、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなどを手動で設定できるというもの。Xperiaのカメラは「コンデジを超えた!」と言われることが多いのですが、Xperia 1 IIは、遂に「デジタル一眼の領域に入ってきた!」と言えそうです。
▲映画のような動画を撮影できる「Cinematography Pro」は、風の雑音を除去するなど、細かい機能進化が図られている
ほかにも、3.5mmイヤホンジャックとフロントステレオスピーカーを搭載し、音楽再生機能もグレードアップ。一般的なヘッドホンでも、音に包まれるような「360 Reality Audio」を楽しめて、ストリーミングサービスやワイヤレスイヤホンでもハイレゾ相当の音質で聴ける「DSEE Ultimate」にも対応しています。
▲上部にイヤホンジャックを搭載
▲フロントステレオピーカーは、音圧を増加し、低音域を拡大するなどの音質向上が図られている
▲側面の電源ボタンは指紋センサーを兼ねる
もちろん5G対応ですから、高速通信でサブスクリプションの音楽や映画、オンラインゲームなども快適に楽しめるはずです。カラバリはBlack、Purple、Whiteの3色。Purpleはミラー仕上げの新色なので、店頭に並んだ際には、ぜひチェックしてみてください。
▲カラバリは3色。ただし、発売する国・地域・事業者で採用される色が変わる可能性がある
▲Purpleは周囲のものが映るミラー調の仕上げ
■海外で好評だったミドルレンジの後継モデル「Xperia 10 II」も登場
Xperia 10 IIは、5Gには対応しない4G LTE対応のミドルレンジモデルです。昨年以降、Xperiaシリーズは数字でグレードを表していて、日本ではXperia 1、5、8がリリースされました。Xperia 10は日本では発売されなかったのですが、その後継機にあたるXperia 10 IIは、日本発売が予告されました。
▲Xperia 10 IIは、プロセッサーがSnapdragon 665で、RAMが4GBのミドルレンジ仕様
6.0インチの有機ELディスプレイを搭載。縦横比は21:9で、解像度がフルHD+。Xperia 1 IIのディスプレイは「シネマワイドディスプレイ」と名付けられていますが、Xperia 10 IIは単なる「ワイドディスプレイ」で、グレードを落としたものが採用されています。
カメラはトリプルカメラで超広角(16mm/8メガピクセル)+広角(26mm/12メガピクセル)+望遠(52mm/8メガピクセル)と、やはりXperia 1 IIよりは低めのスペックで、瞳AFにも対応していません。されど、そこはXperiaのカメラです。被写体を認識して最適な設定が自動で行われる機能を備え、ポートレートや夜景もきれいに撮れることを期待できそうです。
▲背面パネルはツルツルの質感で、トリプルカメラを搭載
そしてXperia 10 IIの最大の魅力は、持ちやすさ。サイズは157×69×8.2mmで、重さはなんと151g。手にして、すぐに実感できる軽さでした。しかし、3600mAhの大容量バッテリーを搭載しているので、電池持ちに心配はなく、防水・防塵にもしっかり対応しています。カラバリはBlack。White、Mint、Blueの4色。価格は発表されていませんが、コスパを重視する人に人気を集めるモデルになるでしょう。
▲独立したイヤホンジャックを搭載
▲カラバリは4色から選べる
■ミリ波にも対応する5Gモデル「Xperia PRO」も開発中
今春から商用サービスが始まる5G(第5世代移動通信システム)には、「Sub6(サブシックス)」と呼ばれる6GHz未満の周波数帯と、「ミリ波」と呼ばれる28GHz帯など高い周波数帯が使われます。Xperia 1 IIには、Sub6を受信できるアンテナが搭載されていますが、Sub6とミリ波の両方を受信できるモデルも開発されています。
「Xperia PRO」は、Xperia 1 IIをベースとして、ミリ波を受信する4方向アンテナを搭載。USB接続だけでなく、HDMI接続に対応するなど、プロフェッショナル向けの仕様になるようです。
▲ディスプレイやカメラの性能はXperia 1と同じだが、通信性能と拡張性が上回る
プロ向けの撮影機器に接続して、モニターとして使い、撮影した映像を5Gで伝送できるわけです。5G時代ならではの使い方を提案するスマホになりそうですね。なお、Xperia PROの発売地域、時期、価格は全て未定です。
>> ソニーモバイル
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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