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憧れの薪ストーブがある暮らし。どうやったら始められますか?

&GP / 2016年3月5日 7時0分

憧れの薪ストーブがある暮らし。どうやったら始められますか?

憧れの薪ストーブがある暮らし。どうやったら始められますか?

リビングで揺らめく炎。パチパチと音を立てて燃える薪。今、薪ストーブが静かなブームになっています。薪という言葉から山間の別荘で使うことを想像する人も多いでしょう。しかし現在では住宅街のごく一般的な家でも薪ストーブを設置し、炎の揺らぎや遠赤外線ならではの暖かさを楽しんでいる人が増えています。

どのように薪ストーブを選び、どのような準備をすればいいか、薪ストーブがある暮らしを提案し、国内のログハウスシェアNo.1を占めるアールシーコア BESS(ベス)事業本部広報の梶浦武人さんに伺いました。

 

■薪ストーブは自分の家に置けるの?決まりはあるの?

 

薪ストーブに環境的な制限はあるのか?

 

コーヴェ2(本体価格:34万4520円) コーヴェ2(本体価格34万4520円) ストーブスペースは背面に大きなガラスがあるピクチャーウィンドウタイプ

 

——現在、都市部に住む人でも薪ストーブを楽しむ人が増えているように感じます。一方で住宅密集地の家で設置するためには特別な注意点もあるように思います。

梶浦:業界全般ではなく弊社の例になりますが、新築物件で薪ストーブの採用率が5割を超えています。半分以上の方が設置しているので、これは決して少なくない数だと思います。ちなみにBESSの場合、初めて家を買う方で自宅として利用される方が9割を超えているので、多くの方が別荘ではなく自宅に薪ストーブを設置していると言えます。

——住宅密集地などで薪ストーブを設置するのに問題はないのでしょうか。

梶浦:住宅密集地は、そもそも屋根や外壁に防火の制限がかかっています。そのため、薪ストーブを設置するうえで守るべき、煙突の設置や内装制限をクリアすれば設置可能です。

 

薪ストーブ

台風などで煙突が倒れてしまうという万が一の事故に備えるためにも保険への加入がお勧め。 台風などで煙突が倒れてしまうという万が一の事故に備えるためにも保険への加入がオススメ。BESSでは推奨薪ストーブは住宅業界初の薪ストーブ賠償責任保険が付いている

 

——もうひとつ気になるのは近隣関係です。たとえば煙突から出た灰が近隣に飛び散るようなことは?

梶浦:薪ストーブの原理自体は昔から変わっていませんが、現在の薪ストーブの多くは灰を燃焼させ煤にする、さらに煤まで燃焼させるものが増えています。正しい使い方をすれば、近隣に灰が落ちるということはほとんどありません。

ただ、まだ多くの人にこのようなことが浸透していないので、煙突がある=そこから煙が出てニオイがつくというイメージはあります。その意味でもご近所との付き合いを大事にして理解していただくことは大切かもしれないですね。

薪ストーブ設置予算はおよそ軽自動車一台分

 

薪ストーブ ドブレ・ヴィンテージ50 (ブラック、本体価格49万6800円) ストーブスペースは壁面収納にも使えるストーブスペース有孔ボード型

 

——薪ストーブは新築で設置する人と、後から追加する人がいると思います。それぞれ選び方の注意点などを教えてください。

梶浦:料理がしやすい二層式のものや炎が眺めやすいガラス窓を大きくしたものなど、薪ストーブはいろいろなタイプが出ているので、自分のライフスタイルに適したものを選ぶのが一番です。

大きさも家のサイズに合わせたものを選ぶのがいいでしょう。同じ量の薪を燃やすなら、大きい薪ストーブより小さな薪ストーブの方が、気流などによって火力が増すため、暖まりやすい。とはいえ、暮らしを楽しんだり、暖をとるうえでは、好みで選んでいいと思います。

BESSでは薪ストーブのある暮らしを提案しているので、さまざまな薪ストーブを用意していますし、ストーブベースもタイル型、石門型、ピクチャーウインドウタイプなどいろいろあります。

BESSでの新築の場合は薪ストーブのある暮らしを家の基本設計の段階からプランニングするので、神経質にならなくても大丈夫でしょう。後付けの場合は煙突設置スペースや内装制限をクリアする必要があるので、設計者や工務店と相談になります。これから家を建てる方で予算的に薪ストーブを設置するのは難しいから将来的に、と考えているようであれば、最初に設置スペースを決めて煙突の穴を開けておくのもいいでしょう。

 

後付けの場合、ポイントとなるのが煙突の設置法。新築の際に設置場所を決め煙突の穴を開けておくといい。 後付けの場合、ポイントとなるのが配置場所と、内装制限をクリアする薪ストーブスペースの設計、煙突の設置法。新築の際に設置場所を決め煙突の穴を開けておくのもいい

 

——設置コストはどのくらい見ておくといいでしょう?

薪ストーブ ドブレ・ヴィンテージ50 (ブラック)

 

梶浦:製品と薪ストーブベースをどう作るかにより大きく違うので一概に言えませんが、本体が30万~60万円くらい、そこに煙突+設置費用が50万~100万円くらいですね。

——みなさん薪はどのように調達しているのですか?

梶浦:簡単なのはWebで購入することですね。あとはホームセンターでも薪を取り扱っているところはたくさんあります。ただ、薪ストーブ愛好家は薪の調達をひとつの楽しみにしていることが多いですよ。たとえば工務店や資材屋と仲良くなって廃材を分けてもらったり、自治体が伐採した木を配る日をチェックしていたり。山を持っている方と仲良くなり、間伐材をいただいているという方もたくさんいらっしゃいます。

 

薪の調達こそが薪ストーブライフの醍醐味。独自のネットワーク開拓にチャレンジしたい。 薪の調達こそが薪ストーブライフの醍醐味。独自のネットワーク開拓にチャレンジしたい

 

——薪を通して新たな仲間が増える感じですね(笑)。薪ストーブを使う段階で気を付けたほうがいいことはありますか?

梶浦:まず薪はしっかり乾燥させてから使ったほうがいいです。そのほうが熱量が出るのはもちろん、ストーブへの負担も少なくなります。少なくても半年~1年くらい乾燥させたものをオススメします。

薪ストーブは炉が暖まっている状態のほうが火が付きやすいので、最初は薪を多めに入れたほうがいいでしょう。また小さなお子さんがいるお宅では、安全のために柵を設置した方がいいかもしれませんね。熱は上にたまりますので、天井が高い家ならシーリグファンを設置した方がいいでしょう。

——メンテナンス面ではどのような注意が必要ですか?
梶浦:シーズンごとに煙突の掃除だけは欠かさないでいただきたいです。高いところに登るのでできれば最初は職人さんにお願いして、やり方を覚えてからご自身でやられた方がいいでしょう。あとはガラスの煤を拭きとるなど、日常的な手入れだけで普通にお使いいただけます。

 

プロに教わる、初心者のための薪ストーブ

1.薪ストーブを楽しむ上で必要な道具

 

ウッドホルダーは薪を部屋に置くときに便利。ストーブグローブは熱くなったストーブや薪をいじる際にマスト。 ウッドホルダーは薪を部屋に置くときに便利。グローブは熱くなったストーブや薪をいじる際にマスト

ファイヤーツール。灰をかき出したり火のついた薪の向きを変えたりする際に使用。 ファイヤーツール。灰をかき出したり火のついた薪の向きを変えたりする際に使用

灰入れバケツ。燃えきった灰を処理するためストーブのそばに設置。灰はガーデニングの肥料に使う人も多い。 灰入れバケツ。燃えきった灰を処理するためストーブのそばに設置。灰はガーデニングの肥料に使う人も多い

 

2.ストーブの基本的な火のつけかた

焚き火と同じように細い木から順番に火をつけます

ストーブの下に割りばしなどの細い木を置き、その上に薪を組む。空気の通り道を設けながら組むのがポイント。 1.ストーブの下に割りばしなどの細い木を置き、その上に薪を組む。空気の通り道を設けながら組むのがポイント

細い木に火が付いたら、太い薪に火が移るのを待つ。付きにくい場合は躊躇せず着火剤を使ったほうが楽。 2.細い木に火がついたら、太い薪に火が移るのを待つ。つきにくい場合は躊躇せず着火剤を使う

ある程度火が付いたらストーブが暖まるまでは薪を多めに入れる。 ある程度火がついたらストーブが暖まるまでは薪を多めに入れる

薪の燃焼が安定したらストーブのドアを閉め、空気取り入れ口も狭くして薪を長持ちさせるようにする。 薪の燃焼が安定したらストーブのドアを閉め、空気取り入れ口も狭くして薪を長持ちさせるようにする

 

薪ストーブ ドブレ・ヴィンテージ35(ホーローホワイト、本体価格46万4400円)ストーブスペースは、タイルタイプ(特許出願中)。BESSは薪ストーブを家の一部として室内全体をデザイン。さまざまなストーブスペースを提案している

 

BESSの展示場では、冬の間に薪ストーブに火がつくので実際にその魅力が体感できます。全国に42カ所の展示場があり、受付を済ませたら自由に見学できます。家を購入する予定がない人でも楽しめるので、薪ストーブに興味がある人にオススメです。●総合展示場「BESSスクエア」http://www.bess.jp

 

夏はキャンプで焚き火、秋から春先は家で薪ストーブ。そんな暮らしが実現すると楽しいですよね! これを機に本気で薪ストーブを考えてみたくなりました!

 

(文/高橋 満<BRIDGE MAN>

takahashi mitsuru たかはしみつる/ライター、エディター

1970年、東京都新宿区生まれ。ガテン、B-ingなど求人誌の編集部を経て、カーセンサー編集部に。独立後は音楽誌、クルマ誌の編集に携わりながら多くの媒体で執筆。現在はクルマ、アウトドアなどをフィールドにすると同時にさまざまなテーマで著名人へのインタビューを担当。

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