王道を行く迫力のスタイルに注目!メルセデス「GLB」は走りもいい3列シートSUV
&GP / 2020年9月13日 19時0分
王道を行く迫力のスタイルに注目!メルセデス「GLB」は走りもいい3列シートSUV
メルセデス・ベンツのSUVカテゴリーに新たなモデル「GLB」が加わった。
車名が示すように「GLA」と「GLC」の間に位置づけられるモデルで、車内には3列シートが配されている。今回はそんなニューカマーの実力を検証する。
■インスピレーションはリアルオフローダーの「Gクラス」
GLBは、エンジンとトランスミッションを横置きにレイアウトした、ハッチバックの「Aクラス」と同じ“MFA2”と呼ばれる新世代プラットフォームをベースとする3列シートSUVだ。
GLBは弟分に当たるGLAと同じタイミングで日本上陸を果たしたが、コンセプトが異なることもあり、兄弟車といいながら全く似ていない。クロスオーバーSUVを指向するGLAのルックスはスマートでスタイリッシュである一方、GLBはメルセデス・ベンツが誇る究極のオフローダー「Gクラス」を想起させる、本格オフローダーのような出で立ちが特徴だ。
また、長くフラットなボンネットフード、直立したフロントピラー、テール部まで一直線に伸びたルーフが形づくるシルエットといったGLBのルックスは、メルセデスのSUVラインにおける最上級モデル「GLS」のそれをなぞったかのように量感たっぷりだ。
そんなGLBの全長は4650mmと、弟分のGLAより235mm長い。全高は1700mmとこちらもGLAより80mm高く、2830mmのホイールベースもGLA比でプラス100mmとなる。角は丸めてあるといっても、直線的なラインで構成された正統派オフローダーのフォルムをまとうGLBは、背が低くルーフが傾斜したGLAと比べると迫力がケタ違いだ。
そんなGLBの最大の特徴は、なんといっても3列シートを備えることだ。3列目席へとアクセスする際には、レバーを操作して2列目席の背もたれを前へと倒し、シート自体を前方へとスライドさせる。そのため身長184cmの筆者でも、3列目席へのアクセスに苦労することはない。
気になる3列目席のスペースは頭上も足下もミニマムだが、一刻も早く抜け出したいと思うほど窮屈ではない。「少しの間だから辛抱してね」という程度には使えるし、小柄な人であれば問題はなさそうだ。
ラゲッジスペースの容量は、3列目席を使用した状態だと130Lに限られるものの、3列目席を格納すると500Lまで拡大できる。その際、床面がフラットになるため、使い勝手は上々。さらに、そこから2列目席の背もたれまで倒すと、容量は1680Lにまで広がる。
このように、人を運ぶ能力も荷物を運ぶ能力も高いGLBは、普段はラゲッジスペースの広い2列シートのSUVとして使いながら、必要な時だけ3列目席を展開するという使い方にマッチするモデルといえる。
■先進やモダンといった表現がふさわしいインテリア
GLBには、2リッターの直4ディーゼルターボ(150馬力/32.6kgf-m)を積む「200d」と、2リッターの直4ガソリンターボ(224馬力/35.7kgf-m)を搭載する「250 4マチック スポーツ」の2グレードが設定されており、駆動方式は、ディーゼルターボがFF、ガソリンターボはフルタイム4WDの“4マチック”となる。
単一グレード構成のGLAはディーゼルターボと4WDの組み合わせだが、GLBには不思議なことに、その組み合わせは用意されない。ちなみにトランスミッションは、ディーゼル、ガソリンともに8速のデュアルクラッチ式ATが組み合わされている。
そのうち今回は、250 4マチック スポーツに試乗した。
インテリアは、先進やモダンと表現するのがふさわしい仕立てで、10.25インチの液晶ディスプレイを横に2枚並べたワイドなスクリーンと、ジェットエンジンのタービンをイメージしたという空調のエアアウトレットが目を惹く。
そんなインテリアの特徴は、助手席側のダッシュボードやセンターコンソールに配されたアルミのバーで、これによりオフローダーらしい力強さを表現している。また、ダイヤ柄があしらわれた本革シートは、このクルマのグジュアリー度を高めるのに貢献していると感じた。
GLB 250 4マチック スポーツの車重は1760kgで、「GLA 200d 4マチック」(1730kg)よりボディサイズがひと回り大きいものの、重さはさほど変わらない。それだけディーゼルエンジンが重いということだろう。
「このボディサイズならディーゼルがベターだろう」という先入観を抱いていたが、走らせてみれば、ガソリンターボでも十分だった。伸びのあるエンジン回転の上昇に伴って力が沸き上がっていく際の心地良さは、ディーゼルターボでは味わえないガソリンエンジンならではの美点といえる。
また、よく回るエンジンの気持ち良さに対して、フットワークが負けていないのも好印象。背が高く、重心が高いからといって、特段気を遣うことなく、セダンやハッチバックと同じ感覚で走らせられる。
■ダイナミックセレクトで“キャラ変”する走り
GLBのセンターコンソールには“ダイナミックセレクト”と呼ばれる走行モードの切り替えスイッチが備わる。用意されるモードは「コンフォート」、「エコ」、「スポーツ」、「オフロード」、「インディビデュアル」の5種類で、選択したモードに応じてエンジンやトランスミッション、ステアリング、可変ダンパーなどのセッティングが切り替わる。それぞれのモードにおける“キャラ変”の度合いは、結構大きめだ。
このうち便利なのが、個々のパラメーターを個別に設定できるインディビデュアルで「サスペンションは引き締まったスポーツが気に入っているけれど、ギンギンには走りたいわけじゃないから、エンジンやトランスミッションのセッティングはコンフォトがいい」といった具合に、ドライバーの気分に合わせて調整できる。
GLB 250 4マチック スポーツの4WDは、GLAに搭載される4マチックと同様のシステムで、通常は前輪に100%の駆動力を伝えながら、路面状態や走行状況に応じて前輪50%:後輪50%までリニアにトルク配分を制御する。それらの制御特性は、ダイナミックセレクトのモード選択に応じて変化するなど、悪路走破性を高めるだけでなく、スポーティに走らせた時の車両姿勢の安定化も視野に入れられている。
このように、インスピレーションの源は本格オフローダーのGクラスであり、シルエットはラグジュアリーSUVのGLSを想起させるモデルながら、GLBはアスファルトの上を俊敏に駆け回る機能と能力も備えている。見た目で人、いやクルマを判断してはいけない。GLBは本当によく走る3列シートSUVである。
<SPECIFICATIONS>
☆250 4マチック スポーツ
ボディサイズ:L4650×W1845×H1700mm
車重:1760kg
駆動方式:4WD
エンジン:1991cc 直列4気筒DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:224馬力/5500回転
最大トルク:35.7kgf-m/1800~4000回転
価格:696万円
文/世良耕太
世良耕太|出版社で編集者・ライターとして活動後、独立。クルマやモータースポーツ、自動車テクノロジーの取材で世界を駆け回る。多くの取材を通して得た、テクノロジーへの高い理解度が売り。クルマ関連の話題にとどまらず、建築やウイスキーなど興味は多岐にわたる。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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