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野外遊びのアシに使えば移動がラク!メルセデスAMG「GLB35」は速くて遊べる万能SUV

&GP / 2021年6月1日 7時0分

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野外遊びのアシに使えば移動がラク!メルセデスAMG「GLB35」は速くて遊べる万能SUV

ハッチバックの「Aクラス」と主要メカニズムを共用する7人乗りのSUV、メルセデス・ベンツ「GLB」のラインナップに、スポーティバージョンであるメルセデスAMG「GLB35 4マチック」が加わった。

2リッターの4気筒ターボエンジンは最高出力300馬力オーバー。静止状態から100km/h到達までに要するタイムは5.2秒で、最高速は250km/h(リミッター作動)をマークするというハイパフォーマンスモデルだ。

最大7人が乗れる居住スペースと優れた走行性能を兼備したイマドキのSUVは、果たしてどんなメリットを提供してくれるのだろう?

■3列目席を使わない時は広くて使える荷室を得られる

「3列シートを備えた手頃なサイズのSUVで、価格も500万円ちょっとから。しかもブランド力は抜群。売れないわけがないですよ」とは、とある欧州プレミアムブランドで商品企画を担当する人物。雑談の中でそうベタ褒めしたのをよく覚えている。GLBのことだ。

もちろん彼はプロ目線で語っているのだが、商品企画担当者だけに、ユーザーが今、何を求めているのかを熟知している。ライバルブランドのスタッフがこのように評価することからも、GLBの商品力の高さがうかがえる。

GLBはAクラスとプラットフォームなどの主要メカニズムを共用するSUVだ。同じAクラスをベースとするクロスオーバーSUVとして、ド直球モデルである「GLA」が存在するが、GLBはGLA比で全長を200mm強、ホイールベースを100mm拡大し、3列目シートを備えた7人乗りのキャビンを確保している。

GLBのキモはこの延長されたボディにある。仮に3列目シートを使わないユーザーでも2列目シートの足下は広く、また3列目シートの背もたれを畳めば500Lと広いラゲッジスペースが出現。実用性が大幅に高まっている。

その分「GLAではちょっと物足りない」というユーザーにピッタリだし、キャンプなどアウトドアレジャーで使う荷物などもより多く積み込めるのだ。

■GLB35はベースモデル比で1.5倍近い306馬力を発生

そんなGLBの魅力はすでにお伝えしているが、今回の主役はタダのGLBではない。高性能グレードであるメルセデスAMGのGLB35だ。

AMGは元々、外部の組織だったが、現在はメルセデス・ベンツの傘下に収まり、F1を始めとするモータースポーツ活動や、高性能市販モデルの開発を担う。いわばメルセデス・ベンツの中のプロフェッショナル集団であり、BMW傘下のM社や日産自動車のNISMO、スバルのSTIのような存在といえる。

AMGのクルマ作りの基本は“ベースモデルに対し、排気量やパワーの大きなエンジンを積む”こと。GLB35は2リッターの4気筒ターボエンジン“M260型”を搭載しており、最高出力は306馬力、最大トルクは40.8kgf-mを発生する。常識的に考えれば、この数値は高性能スポーツカーのレベルで、GLB35はまさにスポーツカーの心臓を持つSUVといえる。

また排気量だけ見ると、GLBの高出力仕様「GLB250 4マチック」と同じだが、最高出力はGLB250が224馬力なのに対し、GLB35は306馬力と1.5倍近い数値をたたき出す。排気量は同じながら、いかに強心臓か理解できるだろう。ちょっと想像してみて欲しい。もしもスバルが「フォレスター」に同社最速モデルである「WRX STI」が積む308馬力のエンジンを搭載したら。また三菱自動車が「アウトランダー」に「ランサー エボリューション」の最終仕様が積んだ313馬力のエンジンを組み合わせていたら。とんでもないクロスオーバーSUVになることは想像に難くない。GLB35はそんな夢をカタチにした、なんとも挑戦的でエキサイティングなモデルなのだ。

もちろんAMG謹製のモデルだけあって、GLB35はそうしたエンジンだけでなく、駆動システムやサスペンション、そしてブレーキも強化済みだ。中でも“AMG 4マチック”と呼ばれるタダのGLBとは異なる4WDシステムは、悪路や雪道など滑りやすい路面でも効果を発揮するものの、その主眼は舗装路でダイナミックな走りを提供することに置かれている。多板クラッチを介して電子制御で機械的に前後のトルク配分を行い、前後100:0から50:50まで、ドライブモードや車速、前後及び横方向のGなど状況に応じて、前後の駆動力配分が瞬時に連続的に切り替わる。その結果、素直なハンドリングでドライバーをサポートし、クルマをキビキビと曲げることでドライバーを高揚させてくれるのだ。

■「コンフォート」モードを選べば快適な乗り心地

そんなGLB35のドライブモードを最も過激な「スポーツプラス」に入れて走り始めると、このクルマがSUVであることなど完全に忘れてしまう。パワフルで速いのはもちろんのこと、エンジンのサウンドや吹け上がり方がドライバーの気分を高揚させるのだ。

AMGが巧みだと思うのは、エンジン音や排気音などの音作りと、キレキレで鋭く吹け上がるとともに高回転域ではパンチ力が炸裂するエンジンの回転フィールなど、官能性能における味つけだ。あまりの高揚感に、もっともっとアクセルペダルを踏み込みたいという衝動に駆られる、まるで魔術のような味つけはさすがとしかいいようがない。その一方で、あまりに官能的ゆえ、ガンガン飛ばさなくても楽しさを感じられる点も、現代のAMGならではの美点といえる。

重心の高いSUVとは思えないシャープな走りを見せるGLB35だが、その分、乗り心地が硬く感じることもある。しかしそれは、ドライブモードを「スポーツ」や「スポーツプラス」に入れている時の話。「コンフォート」を選べば電子制御可変ダンパーの味つけがソフトになり、家族や仲間と出掛ける際も乗員からクレームの出ない快適な乗り心地に切り替わる。だから、キャンプなどアウトドアレジャーのアシとして使っても移動がラクだし、ファミリーカーとしての適合力も高い。

ちなみにヨーロッパでは、421馬力を発生するさらに過激な「GLB45S 4マチック+」の開発も進んでいるという。そのため「“35”では物足りないのではないか?」という人も中にはいるかもしれない。確かにGLAの“45”版をドライブした経験からいうと、“45”は走行性能も官能性能もさらにハイレベルで、“35”に比べてもっとエキサイティングなクルマであることは間違いない。とはいえ、それらはもはやサーキットでなければ真の実力を堪能できない領域にあり、公道において“35”と“45”の性能差を感じるようなシーンは皆無といえる。“35”でも十二分以上に速いのだ。また官能性能に関しては、エンジンの音やフィーリングといった刺激は“45”の方が格上だ。しかしそれは“突き詰めれば”というレベルの話であり、常識的に考えれば“35”でも文句の付けどころがないレベルにある。

今、トレンドのSUVであり、実用性が高くてレジャードライブのアシやファミリーカーとしてのマッチングも良好。その上、トライブモードを切り替えることでスポーツカー顔負けの刺激的な走りも味わえる。そんなGLB35は、実用性と走りというベクトルの異なるふたつの要素をハイレベルで両立した文武両道のSUVといえる。スタイリングはAMGモデルとしては少々大人しく、人によっては物足りなさを感じるだろうが、もしかすると普段乗りのアシやファミリーカーとしては、これくらいがちょうどいいのかもしれない。

<SPECIFICATIONS>
☆GLB35 4マチック
ボディサイズ:L4650×W1845×H1670mm
車重:1790kg
駆動方式:4WD
エンジン:1991cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:306馬力/5800〜6100回転
最大トルク:40.8kgf-m/3000~4000回転
価格:732万円

>>メルセデスAMG「GLB35 4マチック」

文/工藤貴宏

工藤貴宏|自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスの自動車ライターとして独立。使い勝手やバイヤーズガイドを軸とする新車の紹介・解説を得意とし、『&GP』を始め、幅広いWebメディアや雑誌に寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

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